【慰安婦問題】韓国国民が怒り、元慰安婦も無視する“正義連”

 

いまでは日本でも広く知られるようになった韓国の国会議員ユン・ミヒャン(尹美香)氏。

ユン氏は元慰安婦を支援する団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(ながっ)、いわゆる正義連の元理事長で、慰安婦問題の解決を目指して活動している日本の市民団体や活動家に向けてこう言った。

中央日報の記事(2020.08.11)

「どんなに困難が近づいても、どんなに越えなければならない壁が高くても、私たちの前に険しい道が、数多くのアリランの峠があっても、その峠をうまく越えて解放の世の中を迎えてほしい」と促した。

尹美香氏「『しっかりやれ』という慰安婦被害者のお言葉、私の心臓に棘のように残っている」

 

ネットで「アリラン峠」を検索すると、そういう名前の焼き肉店が日本中にあって驚いた。
アリランは韓国人なら誰でも知ってる民謡で、その中に出てくる伝説上の「アリラン峠」にちなんで、朝鮮半島の各地にある峠に「アリラン峠」という地名をつけたという。

情熱的でポエムなユン氏は、慰安婦問題解決のために活動する人たちにこう言って鼓舞したわけだ。

 

でもアリラン峠がもともと伝説上の峠だったように、現実を見てみると、この問題はすでに終わっている。

日韓最大の外交問題だった慰安婦問題は日本と韓国の話し合いの末、2015年にやっと解決にたどりついた。
ユン・ビョンセ外交部長官(外務大臣)は。

「今回の発表により,日本政府と共に,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。韓国政府は,日本政府の実施する措置に協力する。」(日韓外相会談

と発言し、両国の外務大臣が握手をして問題の解決を世界に発表したのだから、もう後戻りすることはできない。

何十年ものあいだ日韓でもめにもめていた慰安婦問題は、険しい道を乗り越えてこれにて一件落着。
だからこの問題で「アリランの峠」なんてものは現実には存在しないのだ。

慰安婦合意は国と国が交わした約束だから、政権が変わっても守らないといけない。
これは一般社会でも常識で、「担当が変わりましたから、御社との契約はいちど白紙に戻します」なんていう会社は信頼を失って相手にされなくなるのは必然。

 

でも慰安婦問題を利用して、国会議員にまで上り詰めたユン・ミヒャン氏はこの問題を解決させたくなかった。
ユン氏が正義連の前身団体「挺対協」の代表をしていた1995年、日本が韓国の同意を基に元慰安婦ひとりにつき500万円をわたすことが決定。

でも、これを全身全霊で妨害したのがユン氏率いる「挺対協」のメンバー。
この事業がうまくいったら慰安婦問題が解決されて、自分たちの存在意義がなくなり、挺対協は存続できなくなるかもしれない。

あせった挺対協は、日本の金は絶対に受け取ってはいけないと元慰安婦に圧力をかける。
それでも高齢だったり、これで問題の解決を願った元慰安婦がお金を受け取ると、挺対協は自分たちの意向に逆らったとみなして激怒する。

中央日報の記事(2020.05.11)

アジア女性基金からのお金を受け取った被害者が7人いたが、そのうちの1人がAさんだった。7人はまるで裏切り者の烙印を押されたように大きな苦しみを味わったと伝えられている。

慰安婦被害女性ら、日本からの支援金受け取ると「裏切り者」の烙印

正義連の正義とはこんなもの。

 

「裏切り者」以外にも、元慰安婦に悪意の批判をくり返す挺対協に、武藤正敏元駐韓日本大使が「これが慰安婦おばあさんを心から助けたい人々がする行動か」と怒る。
ユン・ミヒャン氏を中心とする正義連(挺対協)が、元慰安婦のために活動していなかったことは明白。この団体をいまでも支持する日本の活動家も同罪だ。

韓国の朴裕河教授は、このとき多くの元慰安婦が日本の見舞金を受け取っていれば、慰安婦問題は早期に良い形で解決していたと話している。
くわしいことはここをどうぞ。

女性のためのアジア平和国民基金

いまさらだけど、正義連とはどんな団体か確認しておこう。

2020年5月の元慰安婦とされる李容洙の告発によって、寄付金のほぼ全てを慰安婦当人たち以外に使うために問題解決を妨害して金稼ぎをする慰安婦ビジネス団体と韓国国内でも漸く認知され始めた。

日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯 

ちょっと前まで正義連を、「問題解決を妨害して金稼ぎをする慰安婦ビジネス団体」なんて言ったらネトウヨ扱いされたけど、いまでは韓国社会でもそういう認識が広がっている。
正体が見えてきたから、韓国のネット掲示板を見ると、この団体にあきれたり怒る人が本当にたくさんいる。下の韓国の全国紙・朝鮮日報もそう。

 

挺対協(正義連)の工作によってこの取り組みは失敗し、慰安婦問題は未解決のまま残された。
それを解決したのが2015年の慰安婦合意で、日本は元慰安婦を支援するため10億円を韓国側にわたした。
でも、歴史はくり返す。
このお金が元慰安婦にわたるのを邪魔したのは、またもや挺対協(正義連)だった。

日本の金は受け取るなと元慰安婦に言ったけど、このときは多くの元慰安婦が挺対協の言いなりになることを拒否。

事情をよく知る元外交安保首席のチョン・ヨンウ氏が朝鮮日報にこう書いている。(2020/05/24)

挺対協は被害者に対し、日本の資金の受領を拒否するよう勧めたが、生存する被害者47人のうち36人が挺対協の勧めを無視して補償金の受領を選んだ-という事実は、挺対協・正義連と被害当事者の利害関係が相違していることを立証している。

正義記憶連帯の積弊を契機に改めて考える慰安婦問題

 

元慰安婦の約8割が日本からのお金を受け取って、この問題の解決に同意したことはぜひぜひ知っておいてもらいたい。
残りの2割は韓国側の責任でお金をわたさないといけない。
現実には、正義連の言うことを無視することが慰安婦問題の解決につながった。

 

「どんなに困難が近づいても、どんなに越えなければならない壁が高くても、私たちの前に険しい道が、数多くのアリランの峠があっても、その峠をうまく越えて~」と話すユン・ミヒャン氏本人が慰安婦問題の壁だったというオチ。

でも、そんなユン氏に捜査の手が伸びたらしい。

中央日報の記事(2020.08.13)

検察が正義連の疑惑に対する捜査に着手してから3カ月ぶりだ。正義連元理事長の尹氏が検察に出頭して取り調べを受けるのは今回が初めて。

尹美香議員が検察出頭….寄付金流用疑惑など

不正を暴いて、アリランの峠を越えられるか?

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。