メディアは真実に対して忠実で、視聴者や読者に客観的な事実を伝えることが役割だ――
この姿勢は世界中のメディアで共通しているはずだが、韓国メディアが日本に関する報道をする際、かなりいい加減な対応をとる(ことがある)。
YouTuberの主張だけで作られた「二重価格」報道
今、それが原因で京都の飲食店が大炎上している。
中央日報の記事(2026.07.14)
京都のすし店で「二重価格」…「英語と日本語のメニューで異なる価格」
ある韓国のYouTuberが動画の中で、京都のすし店で二重価格が設定されていて、外国人客には高額を請求していると訴えた。
しかし、「YouTuberがそう主張したこと」と、「そのYouTuberの主張が事実であること」はまったく違う。
全体的に見れば、真実よりも自身の利益や再生回数を優先するYouTuberのほうが圧倒的に多いだろう。
それなのに、中央日報はYouTuberの主張をそのまま記事にして、「外国人を相手にぼったくりをしている」「暴利を得ている」といった韓国ネット民の声を紹介した。
韓国の読者がこれを読めばきっと日本がイヤになる。
事実確認をしないメディアの危うさ
しかし、店側の説明はまったく違った。
英語版のメニュー表には外国人観光客に人気のメニューを、日本語版のメニュー表には日本人に人気のメニューを掲載していたという。
だから、日本語版にはあっても英語版にはないメニューがあった。
同じ料理であれば、日本語版でも英語版でも料金は同じだから、悪意のある「二重価格」ではない。
おそらくYouTuberはそれが分からなくて誤解したのではなく、「確信犯」だ。
日本のメディアの場合、飲食店にも事情を聞いて両方の主張を載せると思う。明らかな詐欺行為でないかぎりは。
そもそも日本の全国紙なら、あやしいYouTuberの動画をもとに記事を作ることはない。
しかし韓国では、「韓国民が日本で被害にあった」という話は大きく注目されるから、利益につながりやすい。
そのため、全国メディアであっても「裏取り(事実確認)」をせず、「YouTuberがそう主張した」を根拠に記事にして報じてしまう。
デマは真実よりも早く伝わる。
店側は完全に否定しているのにネット上では騒ぎが大きくなり、現在この店は「低評価爆弾」を受けて評価が大きく下がり、苦しんでいる。
過去にもあった「ワサビテロ」騒動
韓国メディアによるこうした無責任な報道は珍しくない。
中央日報は2016年にもこんな記事を報じている(2023.01.09)。
日本の寿司屋でまた「ワサビテロ」…抗議コメントに「旅行楽しんでほしい」
この騒動の始まりもネット投稿だった。
ある韓国人観光客が福岡のすし店を訪れたところ、「ワサビテロ」の被害にあったと主張した。
食事中に違和感を覚えてネタを持ち上げると、スプーン1杯分の大量のワサビが入っていて、「板前の顔を見て故意性があると判断した」という。
中央日報はこのネット投稿をそのまま事実のように記事にした。
店のクチコミ評価は急落し、「恥ずかしいと思え」「人種差別する店」といったレビューを書かれた。
このときも、店側は「このような料理はありえません」とワサビテロを完全否定している。
韓国人の知人にすしの写真を確認してもらっても、「ちょっと不自然ですね」と認めた。

実際には、日本の店が韓国人客を狙って「ワサビテロ」をしたかどうかは分からない。
しかも「板前の顔を見て判断した」というのはあいまい過ぎて、まったく根拠になっていない。
炎上商法に乗っかることの「罪」
それなのに、韓国ではネットメディアではなく、全国紙が事実確認の作業をスキップして一方的な報道をする。
だから韓国側では批判が、日本側では反論が相次ぎ、いまネット上で「反日」と「嫌韓」が正面衝突している。
今回も前回も、被害者はむしろ騒動に巻き込まれた日本の店だ。
こうした騒ぎが起こると、結果的に「日本たたき」や「韓国ディスり」のネタは、YouTuberにとって利益につながりやすくなり、価値が上がる。
個人のSNS投稿は仕方ないとしても、メディアが炎上商法に乗っかって、無責任な報道をしてはいけない。
とくに大手メディアには大きな影響力があるから、ボヤが大火災になってしまう。
日韓関係がうまくいかない原因の一つがこれだ。

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