世の中には、越えてはいけない「一線」というものがある。
誰だって面倒なもめ事には、かかわりたくないし巻きこまれたくもないはず。
だから、相手の言動に「イラッ」としても、多少のことであれば我慢する。
こちらが耐えることで、解決する問題であればいい。
自分が不快感を持っていることを相手が察して、問題行動を止めてくれたらそれですむ。
でも、それが通じない相手もいる。
こちらが黙って耐えていると、「何も言わないということは、アイツは怒ってないんだ。じゃ、まだやっていいんだな」と解釈してしまって問題行動をさらにエスカレートしてしまう困った人もいる。
その結果、越えてはいけない一線を越えてしまう。
そして相手を激怒させて、自分が大きなダメージを負ったり、取り返しのつかない事態になったりする。
グリコのポッキーと韓国ロッテのペペロの「パクリ騒ぎ」を見ていると、そんなことが頭に浮かぶ。
韓国ロッテは越えてはいけない一線を越えてしまったため、グリコを怒らせてしまい、訴えられてしまった。
その「一線」について、これから書いていきたい。
初めて来た人のために、チョイと話をさせてほしい。
前回、韓国ロッテのお菓子「ペペロ」について書いた。
ペペロは、韓国人なら誰もが知っているような国民的なチョコレート菓子だ。
ペペロとは韓国語で「やせている」「ガリガリ」といった意味。
これがグリコのポッキーと見た目も味もそっくり。
まあ、そのペペロを写真で見てくださいな。
著作権の関係でここに画像を載せられないから、「ペペロデー(ポッキーの日)」を開いて見てほしい。
パッケージのデザインもうり二つ。
ここまでそっくりだと、「ペペロはグリコのポッキーによく似ているなあ」ではすまなくなる。
特にグリコからしたら、心中は穏やかではなかったはず。
「あのパクリはひどい!」と、怒りを感じていただろう。
この「偶然の一致」には、日本だけではなくて韓国国内からも疑いの声が上がっていた。
「ペペロは、グリコのポッキーをマネしたのではないか?」という疑惑は韓国でもあった。
ハッキリ言ってしまえば「韓国のペペロは、日本のポッキーのパクリじゃないの?」ということ。
日韓双方から「ペペロはポッキーのコピー商品ではないか」との疑惑が常に持たれており、韓国の新聞であるハンギョレでもこの問題を取り上げている
(ウィキペディア)
でも、「ペペロって、ポッキーのパクリじゃないの?」という疑惑があるだけ。
それが確かだと確定したわけではない。
あたり前だけど、ペペロを製造している韓国のロッテはそれを認めていない。
では、逆の発想はどうだろう?
つまり、「グリコのポッキーが、ロッテのペペロをパクったのではないか?」ということ。
結論からしたら、それは考えられない。
というのは、グリコのポッキーが発売されたのが1966年で、ペペロが発売されたのが1983年だから。
ポッキーより前にペペロはなかったけど、ペペロの前からポッキーはあった。
ポッキーはチョコが手につかないように、指でつまんで食べることできる。
日本のグリコがこの「持ち手付きのお菓子」を世界で初めて開発している。
江崎グリコは1966年に「世界で初めての棒状チョコレート菓子」としてポッキーチョコレートを発売しました。
(グリコのHP)
持つところにはチョコレートを塗らないというアイデアは、当時は革新的なものだった。
ボクが調べてみた限りでは、「グリコのポッキーこそ、ロッテのペペロのパクリだ」という可能性がどこにも見出せない。
韓国の首都「ソウル」を中心とした、世界の都市との距離。
この「ソウル中心主義」という発想が、中国人を怒らせたことがある。
このペペロのパッケージが、2012年に新しくなった。
2012年には、実に29年ぶりにペペロのパッケージデザインが一新。シンプルで洗練されたおしゃれなデザインになりました
これが赤をベースとしたポッキーそっくりなもの。
どうせ変えるなら、「日本のポッキーとまったく別の商品」ということを印象づけるために、赤以外の色を基調にしたら良かったのに。
「ポッキー=赤」というイメージは、グリコが時間をかけて定着させたものだ。
もし、ペペロがデザインを変えたとき、赤ではなくてまったく別の色だったら、グリコから訴えられることはなかったかもしれない。
韓国のペペロは日本のポッキーとあまりに似ている。
見た目や味はもちろん、パッケージのデザインや「赤」というブランドイメージもそっくりだ。
でもここまでだったら、「ポッキーをパクったという疑いがある」ですんだ。
グリコの側も腹は立っていただろうけど、具体的な行動であらわしてはいなかった。
それで韓国ロッテは「問題ない」と解釈してしまったのだろう。
ついに、越えてはいけない「一線」を越えてしまった。
韓国ロッテは、味やお値段がワンランク上のペペロの高級版を売り出す。
それが、「ペペロ・プレミア」というもの。
このペペロ・プレミアが、グリコのポッキー「バトンドール」とあまりにそっくりだった。
画像は「ロッテ製菓のペペロ・プレミア、日本製品模倣の判決」から見てほしい。
これが「別物」と言うのは無理がある。
これがグリコが黙っていられる「一線」を越えてしまった。
怒ったグリコは、行動でそれを示す。
グリコは、「ペペロは・プレミアは、グリコの製品を盗用した」とロッテを韓国の裁判所に訴えた。
これは仕方がない。
こちらが我慢していれば、それが相手に通じて問題がなくなるわけではない。
日本人であれば、「黙っていれば、相手が察してくれる」ということが期待できるけど、韓国人には通じないだろう。
良い悪いの問題ではなくて、日本と韓国では、考え方や価値観、気持ちの表し方の文化が違うということ。
とにかく、ポッキーの「パクリ問題」は、裁判で争われることになった。
韓国の裁判所がどう判断したか?
その結果については次回で。
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勘違いするな。ポッキーも所詮、アメリカのお菓子PRETZELSのパクり商品だ。元祖はアメリカであってそれを日本が韓国より早くパクっただけだ。
最も重要なことは合法か違法かということ。
韓国ロッテの場合、違法と認定されている。
くわしいことは中央日報の「ロッテ製菓のペペロ・プレミア、日本製品模倣の判決」を参照のこと。
ソウル中央地裁は23日、「ロッテ製菓がデザイン権を侵害したもの」とし、原告勝訴の判決を下したと明らかにした。
それに対して日本は違法行為を一切していない。