【関係最悪の原因】約束を破った韓国が被害者をアピール

韓国の政治家やメディアが「極右政治家」とよび、日本社会を右傾化させた元凶と一方的に決めつけていた安倍首相が辞任を発表して、このたび菅官房長官が新しい日本の首相となった。

これで戦後最悪と言われるいまの日韓関係が、明日から一新されることはないとしても、「ノーアベ」をスローガンとしてきた韓国としては、未来志向の韓日関係へのワクワク感はやっぱり隠せない。

東亜日報の社説（2020/09/15）

菅新首相が史上最悪とされる今の両国関係に対して、安倍政権の陰から脱して新しい地平を開くことを期待する。
韓国政府も菅氏に期待をかけている。すでに政府内外で「誰が次期首相になろうと安倍氏よりは良いだろう」という声が出て久しい。

菅新首相は安倍氏の陰から脱して韓日関係の新しい地平を開くべきだ

それはどうかな。

「新しい酒は新しい革袋に盛れ」と聖書にあるように、新しい思想を表現するには新しい形式を必要とするけど、外側を変えただけで中身が新しくなるわけではない。

韓国が未来志向の韓日関係、韓日の新しい地平を望むのなら、日本のトップよりも自分たちの考え方や態度を変えることがまず先だ。

現在の日韓の立ち位置を確認しておくと、1965年の日韓請求権協定と2015年の慰安婦合意を日本は完璧に守っている一方、韓国側は両方ともひっくり返しやがりました。
いまの「戦後最悪」はこの約束破りの結果で、あくまで韓国が召喚したもの。

それを前提に、元駐日大使のシン・ガクス氏が、きょねん中央日報のコラムで主張したことを見てほしい。（2019年09月06日）

韓日の過去の問題は原則を守るものの国益を考慮して解決すべき

これは韓日外交の専門家の意見で、韓国紙の複数の人間が内容をチェックしたものだから、韓国社会の一般的な価値観や意識を反映したものとみて間違いない。
ではヒア・ウィー・ゴー。

「過去の問題の解決は被害者と加害者である韓国・日本の協力で実現しなければいけない。加害者の真の反省・謝罪が被害者の寛容と結びついてこそ持続性のある解決をもたらす。」

「過去の問題において我々の道徳的優位を堅持しなければいけない。（中略）日本に正しい歴史認識と歴史教育を要求することが重要だ。」

「不幸だった過去が繰り返さないよう加害者に正しい歴史認識を抱かせることに重点を置かなければいかない。」

合意を守った側と蹴とばした側のいまの日本と韓国の立場を、韓国では加害者と被害者の関係と見ている。
元徴用工問題も慰安婦問題も、日本との話し合いで韓国側が最終的な解決を確認して、日本から相応のお金を受け取っているのだからもう振り向いてはいけないはず。
真の反省・謝罪をするのは信頼関係を破壊した側なのに、日本のパラレルワールド・韓国では「我々の道徳的優位を堅持しなければいけない」と被害者の立場に固執する。
「加害者に正しい歴史認識を抱かせること」や「正しい歴史認識と歴史教育を要求することが重要だ。」という主張もこの関係を前提にしたものだ。

このコラムを読むと、日韓関係が悪化している原因や１ミリも改善されない理由がよくわかる。
何が起きても韓国は、「日本＝加害者、韓国＝被害者」という設定に初期化して、その枠組みだけで韓日関係をとらえるのだから、日本の首相が誰になっても、この思想が変わらなかったら韓日関係は未来に進まない。
日本に対して道徳的優位を持ち続けなればならないというのは、相手を自分と対等と考えていない証拠で、そんな相手との未来志向はノーサンキュー。

これは一年前に掲載されたコラムだけど、韓国のこの考え方は数十年前から変わっていないし、韓国メディアの報道を見るといまもまったく同じ。
韓国が一方的に願望を述べて、日本に譲歩を迫るという図式は変わらない。

韓国の言うことは、見た目は変わるものの同じ主張をしているだけで、「新しい地平を開くべき」と新しい表現を使っても、相変わらず「期待する」だけで、そのために必要な具体的な行動はしめさない。
韓国が何を言っても約束を守らなかったら、日本の首相が変わっても最悪の関係は終わらない。

おまけとして、台湾の動画を載せておこう。
日本が統治したのは韓国（朝鮮半島）と台湾だから、比較するとしたらこの２つしかない。
台湾は過去を蒸し返すことはなく、日本を対等な友人とみているから日台関係はいま抜群にいい。