19世紀末の朝鮮半島を旅行したイギリス人女性のイザベラ・バード。
彼女の目には、現地の人たちが鬼神の存在を広く深く信じていることが印象的だったらしく、旅行記にこう書いた。
朝鮮人は自分を苦しめる災難をすべて鬼神のたたりに結びつける。取り引きの失敗、官僚の悪行、慢性・急性の病、貧困、地位や権力の失墜といったものは鬼神の悪意から生じるのである。
朝鮮人の家屋はここもあそこもいたるところが鬼神の支配下にある。鬼神は人生の節目節目にたたるので、朝鮮人が平穏でいられるかどうかは、鬼神をなだめることができるかどうかにかかってくる。
「朝鮮紀行 イザベラ・バード(講談社学術文庫)」
韓国語で「鬼」は、日本語でいう死者の魂や幽霊のこと。
ここでいう鬼神とは、それに加えて自然界にいる精霊やお化け、妖怪といった不思議で恐ろしい能力をもつ存在のことだろう。
鬼神というか妖怪のトッケビ
むかしの韓国には数えられないほどの「鬼神」がいて、人に害悪をもたらすという信仰があった。
こんな迷信を信じる人は現代の韓国社会にもいて、そういう人たちは原因の分からない不調や不幸があると、ムーダンという「精霊使い」に助けを求めることがある。
これらの精霊は生きている人々の運命に影響を与えるかそれを変える力を持っていると言われている。(中略)巫女(ムーダン)達は、依頼人が幸運を得て、悪霊を追い払う事によって病を癒し、地元の或いは村の神々を宥める為に、クッ(굿、巫俗独特の儀式)という儀式を執り行う。
知人の韓国人に話をきくと、ムーダンは日本でいう霊能者で、これは彼女の個人的な意見だけど、なんか不気味で怖いからムーダンのお世話にはなりたくないし、近づきたくもない。
悪霊を語ってお金をとる悪いムーダンもいるらしいから、その場合は日本にもいるインチキ霊媒者と同じだろう。日本でも悪霊や鬼神を信じる人はいる。
さて最近、新しい駐日韓国大使として姜昌一(カン・チャンイル)前国会議員が内定した。
カン氏は国会議員に4期連続で当選した実力者で、韓日議員連盟会長を務めたこともある日本通だ。
そんなカン氏は、親日派(統治時代の日本に協力的だった人物で国の裏切り者)の墓を合法的に暴く「親日派破墓法」に賛成していて、ことし8月にその理由としてこう述べた。
朝鮮日報の記事(2020/11/23)
「銅雀墓地(国立ソウル顕忠院)や大田墓地(国立大田顕忠院)にさまよっているのではないか。皆さんが亡くなった後に仇敵が隣で鬼神(幽霊)になって漂っているとすれば、そこにいられるだろうか」と主張した。
新駐日大使の姜昌一氏は前韓日議員連盟会長…最近では日本に「毒舌」
国立墓地に親日派の鬼神がウロウロしているから、そこに眠る愛国者の魂が落ち着かないという。
だからといって墓を暴いてもいいのか?と日本人としては思ってしまうけど、とにかく韓国では、国会議員が他の議員の共感を得るためにいまでも公の場で「鬼神」という単語を使うのだ。
「朝鮮人が平穏でいられるかどうかは、鬼神をなだめることができるかどうかにかかってくる」というのが朝鮮時代の話で、現代では墓を壊して鬼神を取り除くという発想らしい。
「Why did you come to Japan(You は何しに日本へ?)」は失礼な質問?
コメントを残す