インド人が感じた「日本の多様性」。衣と食の沖縄文化

 

インド人にとって日本はどんな国なのか?

日本にいるインド人に話をきくと、「日本はどこに行っても似ている。人も建物もことばも同じで、インドのような大きな変化がない」といった答えが返ってくることがよくある。
つまりインドはこの逆だ。
たとえば以前、4人のインド人と夕食を食べたとき、北部出身のインド人と南部出身のインド人ではことばが違うから、英語で会話をすることになった。
日本に住んでる日本人には考えられないことだけど、相手によって使う言語を変えるのはインド人の当たり前。

JTBの「インドの基礎情報」によると、州や地域によって7469の言語が使われていて、憲法で認められている言語は21ある。
それにインドにはヒンドゥー教、シク教、イスラーム教、キリスト教などのいろいろな宗教があって、ときに宗教の違いから、大規模な暴動が発生して大勢の人の命がなくなることもある。
「こういう宗教対立がないから、日本は住みやすい」と言うインド人もわりといる。
良くも悪くも日本は均質的だから、インドやアメリカのような多様性はない。

でも旅行が大好きで、日本の各地を見て歩いたインド人カップルは「沖縄は違った。あそこはとても独特だった」と言う。
その2人から見ると、沖縄の自然や文化の独自性は際立っていた。

 

かりゆしウェア

 

2人にとってとても印象的だったものが、ホテルの従業員の着ていた「かりゆしウェア」。
「かりゆし(嘉利吉)」とは沖縄の方言で「めでたい」「縁起の良いこと」という意味だから、お客さんをお迎えするにはまさにピッタリ。
このシャツは日本よりもインドっぽいイメージがして、彼らには南インドの人たちが着るシャツが頭に浮かんだらしい。

それもそのはず。
かりゆしウェアはハワイのアロハシャツを参考にして作られたのだから、南国らしさ全開で、日本の他の地域とは発想がまるでちがう。
でもハワイのアロハシャツは、日本人移民が着物を基にして作ったと言われているから、これは一種の先祖帰りかも。

他にも2人は、沖縄の城(首里城)がそれまで日本で見てきた城とぜんぜん違っていたから、それも印象に残ったという。

 

ムーチー

 

インド人の感想はそこまでで、これはボクがきのう知った沖縄の文化。

沖縄には「ムーチー」(餅、鬼餅)という伝統的なお菓子があるらしい。
静岡生まれのボクには縁が遠くて、ムーチーを食べたことはないけど、白糖、黒糖、紅芋などで味付けしたお餅というから、だいたい想像できる。甘さの種類や程度がちがうのだろう。

沖縄本島の言い伝えによると、むかし人や家畜を襲って食べる恐ろしい鬼がいて、そいつに鉄の入った餅を食べさせて弱ったところを退治した。
ツッコミどころはあるけれど、とにかくそんな話から、ムーチーは「鬼餅」と呼ばれるようになったという。

旧暦の12月8日はムーチーを食べる日になっていて、沖縄ではこの日に家族がこれを食べて健康や長寿を願ったり、厄払いをする。
この日になると、保育園や学校でムーチーを作って食べるイベントが行われるらしい。
お餅を包む「月桃」の葉には邪気を払う効果があると考えられていて、カーサ(月桃の葉)で巻くから「カーサムーチー」と言われることもあるとか。

沖縄のカレンダーには「ムーチーの日」と書いてあり、ことし2021年のその日がきのう1月20日だった。
それでその様子をSNSで投稿してくれた人がいて、ボクも初めてこの沖縄文化を知ったってわけ。

 

インドほどではなくても、日本にも多様性はある。
独特の歴史や文化をもっている沖縄は、日本の大きな魅力や個性になっている。

 

 

インド 目次 ①

インド 目次 ②

インド 目次 ③

ヒンズー・スクワットの由来。なんで「インド」なのか?

現在のインド人が考えるイギリスの植民地統治、その闇と光

 

1 個のコメント

  • >日本に住んでる日本人には考えられないことだけど、相手によって使う言語を変えるのはインド人の当たり前。
    >JTBの「インドの基礎情報」によると、州や地域によって7469の言語が使われていて、憲法で認められている言語は21ある。

    それはその通りなのですが。ただし、異なる言語を日常使用している民族間でコミュニケーションを取るための言語としては、実質的に、英語一択であることに注意すべきです。つまりインドの標準語としての英語の地位は、他の言語を遥かに超えて圧倒的なんです。
    言語も宗教も慣習も異なる多民族を一つの国家にまとめ上げるためには、やはり標準語を制定するのが手っ取り早い。それは日本だって同じです。その意味で、明治期以降の大手新聞社や戦後のNHKが果たした役割は非常に大きい。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。