【日本語の宿命】ライトなものから、シャレにならない誤変換

 

日本語は漢字と仮名を同時に使うから、誤変換することは避けられない。
ネットでそんな例を検索すると、 いろいろなものが出てきた。

・踊る大捜査線が「踊る代走左遷」
・ギフトセットが「義父とセット」
・鳥獣戯画が「超10ギガ」
・副操縦士が「服装重視」
・新入社員が「侵入者イン」

仲間内ならこんな誤変換はむしろ喜ばれるが、公式な立場で外部に向けて発信すると問題になる。
むかしある政治家がツイッターで「沖縄には何十回も行っています」と書こうとしたら、「沖縄に何十戒と言っています」となっていたから、ネットでぶっ叩かれた。

さて機能、おっと昨日、サッカーアジアカップで日本がイランに負けて、準決勝進出を逃してしまった。
それをDAZNのユーチューブチャンネルの動画で、サムネイルのタイトルに間違いがあったから、ネットでちょっとした騒ぎになる。
そこにはこう書いてあったのだ。

「日本排卵に敗北 ベスト8で姿を消す」

確かに、「にほんはいらんにはいぼく」と入力すると、変換の第一候補が「日本排卵に敗北」になっている。
でも、DAZNみたいな有名企業が、こんな誤変換をそのまま使ってはいけない。
ネットではこのミスを喜ぶ人が多かったけど、担当者は上司からすさまじく怒られて、「もうおまえは排卵!」とか言われそう。
もう開き直って、「監督懐妊の声あがる」と下の句のように書いたらどうだろうか。

 

社会には「失敗したっていいじゃないか。にんげんだもの」という優しさが必要でも、企業が消費者に「義父とセット」や「日本排卵」といったミス表示をしてはいけない。
ボクの知る限り、最悪の誤変換は 2007年に秋田県庁の職員がやらかしたものだ。
この一件は、日本人だったら背筋が凍るレベル。

この年、秋田県に天皇・皇后両陛下がご訪問されることになって、議員ら関係者には知事名の案内状が送られた。
ところが、その中で「悪天候などの理由により」という箇所が、「悪天皇などの理由により」と書かれてあって大問題になる。
職員は作業を急いでいて、ミスに気づかず、上司のチェックを受けないまま出してしまったらしい。
これは全国ニュースになって、複数の職員が処分された。
それでも、彼らはまだ運が良い。

戦前に昭和天皇が群馬県を訪れた際、先導役を務めていた警官が道を間違え、天皇の到着が遅れてしまった。
天皇はこの失態を許したが、警官は責任を取るために日本刀でノドを突いた。

【昭和天皇誤導事件】死んで詫びる、と警部は刀をノドに当て…

戦前の日本で「悪天皇」と記した文書を配ったら、きっと命にかかわるミスになる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。