韓国人がソウルで満足／不満なところ。日本で感じた不便

韓国人からみてソウルで一番良いと思うのは、移動が便利なところらしい。

中央日報の記事（2021.03.19）

ソウルで最も満足なのは「公共交通機関」、最も不満なのは「これ」

ソウル技術研究院が公開したソウル市民１０００人の意見によると、ソウルで気に入っているトップ３がこれ。

１位：ソウルの公共交通インフラ（８７．５点）
２位：ショッピング・商業施設（８２．７点）
３位：医療施設（８０．６点）

でこれがワーストスリー（満足度が低い順）。

１位：粒子状物質・空気汚染（３２．８点）
２位：駐車場の確保（４３．６点）
３位：自治区間の均衡的発展（４９．１点）

ということでソウル市民はバスや電車などの公共交通機関や、自動車で移動しやすい道路網に満足している一方、大気汚染には強い不満をもっていることが判明。
いまはかなりマシになったらしいけど、ちょっと前の韓国でのPM2.5濃度は毎日異常レベルでソウルの空はひどかった。

当時の朝鮮日報の記事（2019/03/05）によると、もはや第一次世界大戦ぼっ発。

ソウル市民「毎日対ガス攻撃訓練を受けている気分」

大気汚染があまりに深刻で「毎日対ガス攻撃訓練を受けている気分だ」とソウルの大学に通う学生が嘆いたとか。

そのころソウルにいた、アメリカ人が写真で見せてくれた空がこんな感じ。
写真じゃ伝わらないけど太陽は見えないし、のどが痛くてたまらなかったらしい。

そんなソウルに住んでいた韓国人がきょねん日本へやって来て、いまは静岡県にある企業で働いている。
彼と会ったときに日本で感じた違いについてきくと、日本での不満（＝韓国のほうが良かった点）として、公共交通機関の不便さと割高さを指摘。
たとえば、彼が住んでいるアパートからバスに乗ってJRの駅まで行って、そこの構内にあるコンビニで飲み物を買い、隣の都市まで電車で行くと500円ほどかかる。
感覚的にソウルでこれぐらいの移動だったら200円ほどでＯＫだから、公共交通機関の料金が2.5倍というのはかなり痛い。
彼には自転車もなく移動手段はこれだけ。
だからどう頑張っても、この金額を少なくすることはできない。

しかも韓国だったら、バスと電車での移動とコンビニでの買い物は一枚のカードで済む。それがここではそれができないから、JRの駅ではチケットを買わないといけないし、コンビニでは現金がモノをいう。
東京や大阪などの大都市では事情が違うと思うけれど、静岡県内でこんな状態は珍しくない。
とはいえボクが東京都内を移動したときには、路線の乗り換えで建物の外に出るとか、チケットをまた買わないといけないことがたびたびあって、ソウルよりも複雑で面倒だとは思った。

最近、日韓の価値観の違いで、「パリパリ（早く早く・急げ急げ）」を大事にする韓国人に対して、日本人は「安全・確実」を重視するということを書いた。
これは個人的な見方なんだが、何をどうみても韓国の人たちは日本人よりも、面倒くさいことや時間がかかることを嫌う。
「果報は寝て待て」に大きなストレスを感じて、すぐに結果を求めようとする。
良い／悪いではなくて韓国人はそういう価値観をもっているから、社会もそれに応じて便利でスピーディーな方向へ進化していく。
韓国を旅行すると、その点で日本社会との違いを感じる人は多いだろう。

もちろん上の内容は日本に来た韓国人の感想の一部だから、コンビニ店員のサービス精神には感動したとかトイレを無料で使えるとか、日本のほうが良いところもあった。
きいてはなかったけど、空気も日本（の地方都市）のほうが良いだろう。
ただソウル市民が満足度ナンバーワンに選んだ公共交通機関の便利さでは、韓国に一日の長があるのは間違いないだろう。