韓国「五輪で旭日旗禁止公式化」→日本の反応・IOCの見解は?

 

もうずいぶん遠い記憶になったような東京五輪。
終わってみると、隣国さんは獲得メダルの少なさに肩を落としていた。

中央日報日本語版の記事(2021.08.09)

37年後退した韓国の「スポーツ国力」…メダル20個でランキング16位、1984年LA大会は19個で10位

約40年前に後退したことに加えて、残酷だったのは日本との圧倒的な差。
韓国は1984年のロサンゼルス大会以降、日本に対してメダル獲得の争いでずっとリードしていたけど、2016年リオデジャネイロ大会で逆転された。
このときの韓国は総合順位で8位、日本は6位。
今回の東京五輪で日本が獲得したメダル数は金が27個、銀14個、銅17で合計58個だったから、もう比較することがバカらしくなるレベル。

でもまったく別の分野では、輝かしい成果があったらしい。
大韓体育会のイ・ギフン会長は記者会見を開き、東京五輪をふり返りキメ顔でこう話す。
*大韓体育会は韓国のスポーツ競技団体を統括する組織で、大韓オリンピック委員会も含まれている。

朝鮮日報の記事(2021/08/09)

「旭日旗が競技場で全く見られなかった。スポーツ外交の成果といえば、国際オリンピック委員会(IOC)から(政治的・宗教的・人種的プロパガンダを禁止するオリンピック憲章第50条第2項に基づいて)今後すべての競技場で旭日旗の使用が禁止されるという内容の文書を受け取ったことだ」と述べた。

東京五輪:大韓体育会会長「旭日旗禁止公式化の成果」

 

IOCが旭日旗を禁止にしたことを、会長は韓国スポーツ外交の「大きな成果だ」と胸を張る。
YOUは何しにTOKYOへ?

そもそもコロナ禍で行われた東京五輪では、ほぼすべての会場が無観客だったたし、教師に引率されて競技を観戦した子どもたちが旭日旗を振るとも思えない。
「旭日旗が競技場で全く見られなかった」って、そりゃそうだろうと。
この点は韓国メディアからも、「無観客試合だったため、実効性があるのか」とツッコまれたようだ。

でも不自然だ。
IOCは事前に旭日旗について問題ないという見解を示していたのに、なんで急に「すべての競技場で旭日旗の使用が禁止される」と180度ひっくり返ったのか。
大韓体育会会長の言う「旭日旗禁止公式化の成果」はどうもアヤシイ。

と思ったら、やっぱりこんなオチ。

サンスポの記事(2021/08/09)

旭日旗禁止は事実無根 韓国側発表にIOC、文書で通達

東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤事務総長が、IOCは韓国側に旭日旗の使用を禁止していないということを文書で通達したと明らかにした。
で、これが旭日旗に対するIOCの見解だ。

「これまでのスタンスと何ら変わっていない、ケース・バイ・ケースで判断する。禁止とはしていない」

大韓体育会にももう一度、文書でこの旨を伝えたという。
ということで韓国の言うスポーツ外交の成果は、日本とIOCによって完全否定された格好だ。
武藤事務総長はさらに攻めて、「はっきり申し上げるが、韓国NOC会長が、IOCが旭日旗の使用を禁止するといったというのは事実ではない」と明言。
*NOCは韓国の国内オリンピック委員会
つまり会長は”ウソ”を言っていると、公の場で指摘したようなもの。

今回の日本の対応に頼もしさを感じたのは、旭日旗についての韓国側の虚偽の主張に対して「大人の対応」とスルーするのではなく、「はっきり申し上げる」と正面から反論したこと。
大韓体育会会長の発言はきっと国内向けのアピールだろうけど、IOCに問い合わせて事実や公式見解を確認して、記者会見の場でハッキリ否定したのは良かった。
これは日本のスポーツ外交の大きな成果だ。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

海外も気づき始めた? 旭日旗に怒るのは世界で韓国だけ

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。