【東京崩壊に東京株】この韓国メディアの日本報道はひどいだろ

韓国メディア・中央日報の記事によると、日本にはいまとんでもない事態が起きている。（2021.08.31）

デルタが変異した「東京株」登場…感染者の爆発で日本“非常事態”

そんな新種の株が出てきて、日本は感染爆発・非常事態だったのか！

だが待ってほしい。
同じ日のNHKニュースを見ると、まったく違う印象を持つのだが？（2021年8月31日）

東京都新型コロナ 2909人感染確認 9日連続前の週を下回る

数字を見れば感染者数は確実に減少傾向にあって、３１日は前週の同じ日より１３１１人も減っている。
それは全国的にも同じで、８月２６日には２４９６３人だった新規感染者が３０日には１３６３８人に激減。

それでネットでは「はいピークアウト」、「就職（収束）ですね」という楽観論が出ているから、都の担当者が「強い危機感を持って生活する必要がある」「引き続き感染防止対策への協力をお願いしたい」と警戒を呼びかけているのが現状だ。
数字や日本の報道を見ると、感染爆発や非常事態のピークは越えている。
（もちろん油断禁物）

一方、韓国では過去最高の感染者数を記録した「第４波」がまだまだ続いていて、「感染力の強いインド由来の変異株、デルタ株が猛威を振るっている」と朝鮮日報が３１日に報じたばかり。（2021/08/31）

デルタ株感染１週間で３４２７人　変異株感染者の９９．２％＝韓国

中央日報は「感染者の爆発で日本“非常事態”」なんて言ってる場合じゃない。

それと気になったのは「東京株」という表現で、これはちょっと看過できない。

ことし４月に小池都知事が、「特に『大阪株』の方が（感染力が）強いと言われている」と発言すると、「大阪株」に対して「大阪の人の差別につながる」「関西人を敵に回した」「変な造語はやめろ」と批判が殺到。
これは大阪のせいではないし、言われた側が悪意や不快感を感じるのは仕方ない。

この感覚は人類共通だ。
それで６月には、特定の国への偏見や差別を煽（あお）りかねないということで、「イギリス株」は「アルファ株」、南アフリカ株は「ベータ株」、インド株は「デルタ株」へと呼称を変更することが世界の約束となった。
それは中央日報がよく知っているはずなのに、なんであえて「東京株」にしたのか。
これでは、「日本の人の差別につながる」「日本人を敵に回した」「変な造語はやめろ」と言われてもやむなし。

「これはおかしいだろ～」と思っていたら、実はこんなオチだった。

中央日報日本語版（2021.09.01）

日本で発見されたデルタ株の変異型、６月に韓国ですでに確認

中央日報が「東京株」と呼んだ新しい変異型「Ｎ５０１Ｓ」は３か月ほど前、韓国に存在していたことが分かった。
しかも記事にはこう書いてある。

「該当の変異株は日本が最初に発見したわけではなく、他の国ですでに確認されたものが日本で初めて確認されたという意味」

「日本が最初に発見したわけではなく」だと、日本の「手柄」や「業績」を否定しているように読める。

中央日報はきょねん４月にもこんな見出しの記事を報じた。

「日本もう滅茶苦茶、安倍氏の宣言は手遅れ」…「東京崩壊」警告も

でもこれはかなりの誇張で現実はほとんど違う。
「滅茶苦茶」「東京崩壊」と言われて、それが何のことか思い当たる日本人はいないだろう。
くわしいことはこの記事を。

「滅茶苦茶・手遅れ・崩壊」これが韓国メディアの日本報道

全国紙がある国なら、それは全メディアの中で最も表現に気をつかって、中立・公正な立場から記事を書いているはず。
アクセスを稼ぐために誇張やわい曲は当たり前、さらに刺激的で過激な表現をチョイスするユーチューブ動画とは違うはずだ。
全国紙が平気で”「東京株」登場”と見出しに書いて、それが許容される社会もオソロシイ。
読売新聞あたりが”「ソウル株」登場”なんて書くと、日本ならきっと「韓国の人の差別につながる」「変な造語はやめろ」とぶっ叩かれる。

もっとも朝鮮日報はそんな表現を使っていないから、これがすべてではないけれど、それでも全国紙の報道なら韓国人の価値観や考え方が表れているとみていい。
すでにその株は韓国にありました、というオチも含めて、見出しで読者の注意を引くためとはいえ今回の報道はかなり悪意でヒドイ。
そしてこういう表現が韓国社会の基準や常識をつくっていくと思うと悲しい。