日本の蛮行暴露には勲章、韓国軍の蛮行暴露に文大統領は？

ハワイに行った韓国の文大統領がそこで何をするかと思ったら、こんなことをしていたのか。

中央日報の記事（2021.09.23）

米国で日本の蛮行暴露した独立活動家…文大統領が海外で初の勲章授与

記事によると、「日本が女性に加えた残虐な行為を暴露し女性教育のために努力」した功績が認められ、キム・ノディに韓国政府から建国勲章愛国章が贈られた。

これは韓国発・韓国着の話だから部外者が口をはさむことじゃない。としても、もし立場が逆になったら、蛮行を暴露される側になったら、文大統領はどう対応するのか。

１９６０～７０年代に行われたベトナム戦争の狂気を知りたかったら、ホーチミン市にある戦争博物館に行けばいい。

このベトナム人は生きたまま米軍のヘリから投げ落とされたという。

この戦争では、韓国軍も米軍と一緒に北ベトナムと戦ったことが戦争博物館に紹介されている。

たしかこれが韓国軍の青龍部隊。

ベトナム人ガイドの話では、このときやって来た韓国軍もベトナム人に対して、言葉では言い表せないようなムゴイことをした。
そのひとつが、1968年に青龍部隊が80人近くの民間人を殺害した「フォンニィ・フォンニャットの虐殺」だ。

フォンニィ・フォンニャット村を訪れた韓国海兵隊第2海兵旅団（青龍部隊）第1大隊は婦女子を集めると至近距離から銃殺、刺殺し火を付け立ち去った。

フォンニィ・フォンニャットの虐殺

その日のうちに米兵が現地に到着し、生存者を見つけると手当をして病院へ搬送した。
生き残った人たちが犠牲者の遺体を道に並べて抗議の意思を示して、米兵が地面にころがる遺体を撮影したことでこの事件が明らかになる。

これを含め韓国軍が行ったベトナム人への虐殺・女性凌辱に対して、クォン・キヒョン大韓民国国防部スポークスマンは2013年に「虐殺と歴史が誇張している」、「ベトナム市民の勘違い」などと全否定した。

でもこれと反対の人もいる。
都合の悪い歴史を隠すことは自国の恥になる。やったことは素直に認めることが正義につながると考える韓国人もいて、韓国の弁護士や市民団体らが中心となり、ベトナム市民平和法廷（模擬法廷）が2018年に開かれた。
そこでフォンニィ・フォンニャット虐殺の生存者が原告となって韓国政府を訴えた結果、「重大な人権侵害であり、戦争犯罪の性格を帯びる事件」として政府の責任が認められた。

フォンニィ・フォンニャットの虐殺はまだ終わっていない。
この事件で家族５人を殺されたグエンさんが、韓国政府を相手に国家賠償訴訟を起こした。
すると勇者が現れる。
青龍部隊に所属してベトナムにいた韓国人が法廷で証言することになって、いま韓国社会が揺れている。

ハンギョレ新聞の記事（2021/9/15）

ベトナム戦争当時韓国軍による民間人虐殺裁判で参戦軍人が証言台に

韓国軍の（たぶん元）軍人がベトナム戦争での民間人虐殺に関する裁判に出席するのはこれが初めて。
この人はことし７月に国会で開かれた懇談会で、「身を隠せなかった女性や高齢者を全員田んぼの中に集め、その過程で現場で射殺した民間人もいた」と言っているから、早ければ11月に開かれる裁判でも同じような内容の証言をするのだろう。

日本の蛮行を暴露した人なら勲章を授与するけど、自分がそれをされると周章狼狽するのが文政権。
この事態に韓国政府側は、「あまりにも古い事件なので証人が高齢であり、その過程で記憶が歪曲されたり…」ととにかく困っている。

被害者中心の原則は譲らないと日本に反省や謝罪を要求する文大統領は、韓国軍によるベトナム人への虐殺・女性凌辱をいまも認めていない。
日本の蛮行を暴露した人には勲章を授与するけれど、自国の蛮行暴露には客観性や真実性を要求する。または「ベトナム市民の勘違い」か。
だから韓国はこの二重基準をよく日本人からつっ込まれるのだ。
日本には関係ないけれど、11月に行われる裁判での証言と、韓国政府が示す歴史観と正義には注目させてもらおう。