「謝罪訪韓」で好転？日韓の埋められない価値観の違い

ことし６月に読売新聞が発表した日本・韓国で行われた世論調査を見ると、日韓関係を「悪い」と考えている人が日本で81％、韓国では89％となっている。
「取り付く島もない」というのはこういうことか。
韓国（日本）を信頼できるかという質問に「できない」が日本で69％、韓国では80％と相互不信も相当なモノだ。
詳細はここで確認されたし。

２０２１年５月　日韓共同世論調査　質問と回答

2019年の共同世論調査では、「韓国を信頼できない」という日本の回答は過去最高の74％（前年度60％）だったから、だいたい今も最悪の水準をキープしていることが分かる。
その要因は何と言っても韓国の不誠実にある。
元徴用工問題で韓国最高裁が1965年の日韓請求権協定をひっくり返したこと、韓国政府が2015年の慰安婦合意を実質的に破ったことで日本の韓国不信は頂点に達した。

読売新聞が「対韓感情の悪化　「歴史蒸し返し」への苛立ちだ」の社説（2019/06/12）で、

「国家間の約束を守らず、国際常識に反する行動をとる国が、信頼を落とすのはやむを得まい。」

と韓国を非難したのは当然で、これには日本中が納得＆同意するしかない。

このとき日韓で大きな認識の差があったのが「謝罪」に対する考え方だ。

慰安婦問題で日本が謝罪すべきかについて日本では「必要はない」が80％、韓国では「必要がある」が87％とと正反対というほど見方がかけ離れていた。
日本人と韓国人の価値観や意識の違いとしては、この「過去の反省・謝罪」が最も大きい。

韓国人で「日本を信頼できない」が75％もいた原因を読売新聞は、「90年代から一貫して70％を超えている。反日色の強い教育」に求めている。
15年の慰安婦合意で安倍首相から「心からのおわび」、それに10億円の支援金を受け取って韓国政府は「最終的な解決」を約束した。にもかかわらず、いまでもほとんどの韓国人は日本の謝罪を必要と考えている。
教育の力は本当に大きい。

歴史認識について日本と韓国には、絶対に埋められない価値観の違いがあることは知ってた。
でも、ハンギョレ新聞の記事にはビックリしたわ。（2021-10-26）

日本の元外交官「明仁上皇の訪韓で韓日関係を好転させよう」

「戦後最悪」のままで出口の見えない日韓関係について、日本の外交官だった天木直人氏が「明仁上皇の韓国訪問」が現状打破のきっかけになると提案したという。

といってもこれは、あくまでも韓国メディアの報道だ。
あとから当人が「そんな話はしていない」と否定することがよくあるから、これは韓国人の価値観・考え方に合った内容として紹介しよう。
この記事には「明仁上皇は、在位期間中に韓国訪問を望んだにもかかわらず、希望を叶えることができなかった」と書いてあるけど、一体何のことかわからない日本人が続出するはずだ。
上皇さまが天皇だったころ、「過去の侵略戦争を反省」したという話も韓国側の想像か創造だろう。
上皇さまがいつ「侵略戦争」という表現をされたのか。
韓国紙はときどき、自分の話を誰かにさせる「イタコ」のようなことをする。

さて、この記事の最重要ポイントはココだ。

今からでも上皇の訪韓が実現すれば、韓日関係の重要性を強調することになると、天木元大使は見通した。あわせて、上皇の訪韓自体が、過去の歴史に対する謝罪を意味するものだと付け加えた。

「最終的な解決」を確認して両外相が握手をしたのに、韓国はまた反省や謝罪を要求するから、いまでは多くの日本人が苛立ちや疲労を感じている。
自分たちが約束を守って最悪の関係の打破をするのではなく、上皇さまを動かして「韓日関係を好転させよう」という発想には「正気ですか？」という言葉しかない。

日韓の政治問題で日本の首相ならまだしも、天皇や上皇には触れてはいけない。
そんなことをすれば「歴史の蒸し返し」以上の対韓感情の悪化は避けられないのに、なんで「好転」すると考えられるのか。「崩壊」する未来しか見えないゾ。

最悪といわれる関係を改善したいのなら、韓国側が日本との合意を守るのが筋。
それなのにいまの切羽詰まった状況で、上皇さまに“謝罪の訪韓”を求める発想はあり得ない。
「過去の反省・謝罪」について、日韓には絶望的な価値観の違いがあるのは分かってたけど、ここまで日本に謝らせたい気持ちが強いとは思わなかった。
日本の「韓国を信頼できない」を過去最高にさせたいのか。
こういう認識を生んだのは「反日色の強い教育」だろう。