【罠にかかる日本】慰安婦資料阻止 → 佐渡金山のブーメラン

 

相手を攻撃しようと武器を放ったら、それで自分がダメージを負ってしまった。
韓国でよく見られるそんな「ブーメラン現象」はたまには日本でも起こる。

中央日報(2022.01.20)

自分の罠にかかる日本…「佐渡金山のユネスコ推薦見送りか」

自分が仕掛けたワナに、自分が引っかかるのも一つのブーメラン。
新潟の「佐渡島の金山」をユネスコの世界文化遺産に登録するため、日本は推薦書を出すべきかどうか?
2月1日の期限を目前にして、いま政府はハムレット状態におちいっている。

本来ならこれは国内事情だから日本だけで判断するべきことで、それなら何の抵抗も葛藤もなく、「お願いしまーす」とユネスコに推薦して登録の判断をしてもらうことができる。
でも、かつて日本はこの金山で多くの朝鮮人に強制労働をさせたと韓国が主張し、世界遺産登録に「待った!」をかけて推薦の撤回を迫ったから、日本はそのケアをしないといけないこととなった。
*新潟県の調べによると、ここで朝鮮半島出身者が働いていた事実はあるものの、強制労働を示す資料や記録は一切見つかっていない。

歴史認識については銀河系レベルでかけ離れている日韓が、「強制労働」で意見が一致するはずもなく、この件で日本が韓国を納得させることは不可能だ。たとえ客観的な根拠がないとしても。
かといって日本が、「(中国)国民政府を相手とせず」と近衛声明みたいなを言って、韓国を無視してユネスコに佐渡の金山を推薦するワケにもいかない。

 

そのワケは、ハンギョレ新聞の報道を見れば一目瞭然だ。(2022-01-20)

「慰安婦」記録登録への圧力が身から出た錆に…佐渡金山の世界遺産登録めぐり悩む日本

ユネスコは昨年から、世界記憶遺産の登録について、他の加盟国から異議申し立てがあったら、審査を中止する制度を導入した。
これは日本が提案し、加盟国内での争いや対立を嫌ったユネスコが同意して実現したもの。
この新制度によって日本の同意が必要になったから、韓国側が“悲願”としていた慰安婦資料の「世界の記憶」(世界記憶遺産)への登録は不可能になった。
ただ、これを阻止したことと同じ理論を「佐渡島の金山」に当てはめると、今度は日本が苦しい立場になる。

世界文化遺産には世界記憶遺産のこのルールはないから、「韓国政府を相手とせず」として日本はユネスコに推薦することはできる。
でも外務省内では、「韓国の反発がある中で推薦すれば国際社会の信用を失いかねない」という空気があるし、韓国との合意なしに金山をユネスコに推薦すると「せっかくの制度がダメになってしまう」と話す外務省幹部もいる。
「韓国の反対にもかかわらず登録を強行すれば、日本が自分の主張を自ら否定することになる」というハンギョレ新聞の指摘はまぁ合ってる。

「ユネスコのなかできちんと、事実に基づいて議論を行えば良い」と新潟県の知事は提言するし、木原誠二官房副長官も「韓国側の主張は全く受け入れられないと、韓国側に強く申し入れた。韓国内での事実に反する報道も極めて遺憾だ」と言う。
でも、韓国の主張に反論することはできても、新制度を提案した立場からすると、国際社会の理解を得るのはホントにむずかしい。
そんなことで日本政府は推薦を見送る方向だ。

ということで今回は、ブーメランが日本に戻ってきたカッコウになる。
それは仕方ないとしても、慰安婦資料の恨みなんだろうが、「自分の罠にかかる日本」という韓国式表現がイヤらしい。
全国紙なんだから、もう少し客観的で格調高い言葉にしてほしかった。

 

 

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6 件のコメント

  • ハンギョレ新聞は韓国の右派たちは “ハンクラエ(雑巾)新聞”と呼びます。
    余りにも左翼的すぎる色彩が強く、反対のために反対する新聞だからです。全国紙と言うには左派独自一色の新聞です。反日関連は右派左派が区分されない韓国だが、特にハンギョレがひどいです。
    真実と事実の前に扇動と嘘は簡単に崩れ落ちます。 日本は真実と事実を根拠に、韓国の新聞の情緒的反日扇動に反ばくするのが正道です。

  • >日本は真実と事実を根拠に、韓国の新聞の情緒的反日扇動に反ばくするのが正道です。
    そう言ってもらえると嬉しいです。
    ですが、佐渡金山の推薦は見送られる方向です。
    そうなるとハンギョレ新聞は「日本が自ら間違いを認めた」と書きそうですが。

  • > 真実と事実の前に扇動と嘘は簡単に崩れ落ちます。

    ははは、そんなはずはないでしょう。こと韓国内と、韓国の宣伝が行き渡っている国際社会においては。
    少なくとも相手の主張に反論できない(しない?したくない?)という点では、韓国側の勝ちです。
    日本の外務省および行政当局は何をやってんだか。

  • > ハンギョレ新聞は(中略)余りにも左翼的すぎる色彩が強く、反対のために反対する新聞だからです。全国紙と言うには左派独自一色の新聞です。

    まあ、ハンギョレ(意味:一つの民族)の成立過程を見れば、左翼系・民族(≒反日)系メディアであるのも当然と言えば当然でしょう。問題は、自由民主資本主義国家においては様々な傾向のメディアが存在するが、そのうちどれが世の中で支持を集めているかという点です。
    日本でもかつては左翼系メディアの力が言論界においては大多数派でした。戦後70年以上もかかって、ようやく現在の状態です。

  • 今、日本政府が世界遺産登録への推奨へ向けて正式に動き出すとのニュースが流れました。
    やはり韓国メディアの流すニュースは、反日感情に基づく希望的虚言でしたね。
    ブログ主さんもあまり簡単に引っ掛からない方がいいですよ。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。