【祝・世界一】外国人よ、これが日本の新幹線だ

 

10月の秋空を見て一句。

「なれるなら なってみたいな 世界一」

そんな個人なら、10回ぐらい転生しないと不可能なことでも日本ならできる。
ことし5月、世界経済フォーラム(WEF)が発表した2021年版の『旅行・観光開発指数』で、日本は世界117の国・地域の頂点に立った。(Travel &Tourism Development Index
2位はアメリカで3位はスペイン、以下フランス、ドイツ、スイス、オーストラリア、イギリス、シンガポール、イタリアと続く。
韓国は過去最高の15位に輝いたし、中国はランクを3つ上げたし東アジアの善戦が目立つ。

 

 

で、日本がナンバーワンに選ばれた理由はなにか?
あえて言おう、“民度”であると。
…そんなワケはなく、今回の調査では「鉄道サービスの正確さ」と、それを含めた「公共交通機関の本数」の項目で日本は世界1位と高く評価された。

ただ新幹線(のぞみ)を使うと、東京から京都まで1万4千円ぐらいとかなりお高い。
でもそのぶん新幹線は世界一か、控えめにいっても地球最高レベルの正確さで走っている。
日本人にとってはアタリマエのこの時間厳守は、海外から来た外国人には奇跡で、「別の惑星に着いたかと思った」と驚くブラジル人もいた。
日本鉄道の歴史は1872(明治5)年に、新橋~横浜間でハジマタ。
鉄道は西洋文明の象徴で、その知識や技術のなかった日本はイギリス人の鉄道技師エドモンド・モレルを招き、彼の指導で鉄道建設が進められた。

【鉄道開通】明治の横浜はこれほど多文化、国際的だった

その功績から、いまではモレルは「日本の鉄道の恩人」と言われていて、桜木町駅(旧横浜駅)には彼のレリーフがある。
この時点では鉄道の発展において、日本とイギリスには銀河系レベルの開きがあって比較は無意味。
でも、20世紀になると逆転する。
昭和50年に来日したエリザベス女王は初めて乗る時、「新幹線がホームに入ってくるところを見たい」という理由で予定より早くホームへ向かったという。
女王陛下を待たせる鉄道車両なんて、世界でもきっと日本しかない。

知人のイギリス人女性が日本で英語を教えていて、あるとき娘に会うためにイギリスから母親がやってきた。
成田空港から東京まで電車で移動して、そこで新幹線に乗り換えて浜松へ到着する。
浜松駅に迎えに行くと、

「ここまですべて完璧、1分の遅れもなかった。イギリスならこれは事件よ!」

と驚く母に、知人は「日本へようこそ」とニッコリ。

日本の新幹線については、それを紹介するユーチューブ動画とコメントを見れば外国人の反応がよく分かる。
これはその氷山の一角。

・1945 : nuclear attack
1964 : world’s fastest train
Biggest comeback in the history of the world

日本は1945年に原爆を投下されて、64年には世界最速の電車をつくった。
世界の歴史のなかでも最高の復興だ。

・So basically Japanese businessmen ride on a train going as fas as F1 cars.
What a country.

日本のビジネスマンはF1並みの電車に乗っているのか。なんて国だ。

 

知人のポーランド人は「これを見るためにきた」とSNSにカキコ。

 

日本に住んでいるバングラデシュ人も新幹線を絶賛した。
浜松市で働いていて、たまに東京へ日帰り出張をするその人はこんなことを言う。

「新幹線は信じられないほど時間に正確だから、こんなことが可能なんだ。バングラデシュの電車なんて2時間3時間遅れるのはアタリマエだから、正確な予定を立てられない。250㎞も離れたていたら、行きで1日、仕事で1日、帰りで1日の3日はかかるよ」

社会全体がこんな感じで時間にルーズだから、国の発展でも、日本や先進国とますます差がついてしまうと嘆く彼。

最近、ドイツ人の友人日本へやってきた。
羽田空港に着いて東京へ移動して、浅草観光をして一泊したあと、彼は新幹線で京都へ向かった。
ドイツで日本の聖地・伊勢神宮を知って、どうしてもそこへ寄りたいと思った彼は、名古屋で電車を乗り換えてお伊勢さんへ行って、また名古屋で新幹線に乗り換えて京都へ夜に到着した。
彼の話では、ドイツの鉄道なら遅延は多々あるから、東京→名古屋→伊勢観光→名古屋→京都なんて計画は「チャレンジ」で、うまくいくかどうかはその日の運しだい。
「それでも日本なら…、日本の鉄道ならきっと何とかしてくれる…」と思ってやってみたら、まったく問題なくできた。

日本人には当ったり前で、そうじゃないと困るような鉄道の運行も、別の惑星の出来事のように思う外国人もいる。
『旅行・観光開発指数』で日本を世界1位にさせた理由もこれだ。
この秋から旅行が解禁されたから、これからたくさんの外国人がやってくる予感しかない。
“運賃”というエベレスト山を乗り越えて、日本の誇る新幹線をぜひ体験してほしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。