きょう11月7日は1598年に、約20日にわたって続いた順天城の戦いが終わった日。
これは豊臣秀吉による朝鮮出兵(慶長の役)で起きた戦いのひとつで、日本軍が築いた順天城を攻略すべく、明・朝鮮の連合軍が攻撃をしかけるも返り討ちにあい、大打撃を受けて撤退した。
これを含め、第二次蔚山城の戦い、泗川の戦いの3つすべてに負けたことで、明・朝鮮軍の戦意は無くなり、日本軍に恐怖し、逃げ出す準備をしたと朝鮮王朝実録にある。
(順天城の戦い)
さてきのう6日、日本で20年ぶりとなる観艦式が行われた。
日本のメディアはこのイベントについて、日本の防衛力強化や各国との友好に注目したが、韓国メディアのポイントはそこじゃない。
韓国では「朝鮮侵略」と呼ばれる2度の朝鮮出兵と、20世紀初めの「韓国併合」はいまでもトラウマになっていて、“侵略国”としての日本のネガティブなイメージを形成している。
旭日旗を「戦犯旗」と呼ぶこともその表れのひとつ。
“日本と軍隊”には鋭く反応するから、韓国ではこの観艦式で海上自衛隊の掲げる旭日旗に注目が集中した。
こうした国際観艦式では、参加した国が開催国の艦船へ敬礼するのがマナー。
相互主義の原則から日本も韓国の観艦式ではそうした。
でも、韓国にはそんな国際常識が通じない人もいて、これを大問題にしようと過剰に騒ぎ立てるする人もいる。
中央日報(2022.11.07)
韓国野党「尹政権、韓国海軍が旭日旗に敬礼するようにさせた…どこの国の政府なのか」
いま日韓関係が政治的には「戦後最悪」と自信をもって言えるほど悪化していても、両国の政治家にとって、国民の安全と財産を守ることが最優先事項なのは変わらない。
最近は北朝鮮が何度もミサイルをぶっ放していて、それは両国の脅威になっているのだから、安全保障面で日韓は協力する必要がある。
だから、日本の観艦式に参加した韓国政府の判断は現実&合理的だ。
でも、野党は前政権の“反日扇動”のクセが抜けないから、これを与党政権への攻撃材料にする。
野党の報道官は「日本の韓半島再進出の野心をあおり立てる韓日安保協力は妥当でない」と、ラーメン二郎もビックリのマシマシの拡大解釈をする。
*韓国語の元記事では“侵略”だと思う。
ダレがどうあおり立てようと、日本がまた朝鮮出兵や韓国併合をすることはない。
同盟国へ敬意を示すことを悪意でねじ曲げて、国民の不満や怒りを政府へ向けさせる。
いまの日本がロシアのように他国へ侵攻することは考えられないのに、とにかく誇張してあおる。
旭日模様の一例
でも野党は、自分が巨大ブーメランを投げたことに気づいていない。
自分たちが政権を担当していた2018年、韓国が国際観艦式を開催することになり、海上自衛隊の旭日旗をめぐって論議になった時、防衛大臣が国会でこう発言した。
中央日報(2018.10.02)
韓国国防部長官、旭日旗問題に「国際慣例に従うほかない事案」
「旭日旗に敬礼するようにさせた」のは尹政権ではなくて国際慣例だ。
数年前に自分たちは「国際慣例に従うほかない」と言っておきながら、立場が変わると「どこの国の政府なのか」、「日本の韓半島再進出の野心をあおり立てる」と国民をあおり立てる。
でも極めて困ったことに、こうした「反日扇動」は韓国社会では有効だ。
2019年に当時の与党政権(いまの野党)が国民感情を刺激して不買運動を引き起こす。
いまになって騒動をふり返り、内科医師がそのバカバカしさを非難する。
中央日報(2022.10.21)
【私は告発する】韓国野代表の低級な反日扇動…「日本製99%」内視鏡の真実を知っているのか
一般の韓国人は知らないが、国民の健康を守る消化器内視鏡機器の99%は日本製だ。
「二度と日本に負けない」と反日をあおった与党政権について、「いったい不買運動をどのようにすれば勝つことで、どのようにすれば負けることなのか」と医師は疑問を投げかける。
もし本当にそう思うのなら、逆に日本との交流を深めて、韓国より進んだ技術を学ぶべきと主張する。
何という圧倒的な正論。
でもいまの韓国で、こんな意見がどのぐらい受け入れられるかはナゾ。
反日を利用する政治家がいれば、国益にならないとそれを批判する勢力もある。
保守派の朝鮮日報も現実を無視して刺激的なワードを連発し、韓国を危機的状況に追い込みかねない野党「共に民主党」のトップを非難した。(2022/10/23)
旭日旗、自衛隊、独島といった揮発性の高い単語を動員した。近いうちに韓国の領土で日本の軍靴の音が大きく聞こえるかのように脅かした。日本の軍国主義の亡霊がよみがえっているという意味だ。
【コラム】共に民主・李在明代表の「親日国防」扇動、道理をわきまえない安全保障観を自白
400年前の「順天城」のように、いまの日本が韓国に軍事拠点をつくる可能性はゼロだ。
観艦式を拒否したり反日不買運動をして、韓国に具体的にどんなメリットがあるのか?
それで北朝鮮の核とミサイルの脅威にどうやって対抗するのか?
韓国が日本の観艦式に参加して、日米韓が安全保障では協力体制にあることを世界に示すのはメリットしかない。
といっても、自国民の健康や安全保障について冷静に考えるのではなく、政治家の「低級な反日扇動」はやっぱり効果的だから、ブーメランがブーメランにならない。
自分はほぼ無傷で、ちゃんと政権にダメージをあたえてしまう。
玄界灘を挟んで見ているだけしかできない日本としては、理性の光が闇に打ち勝つことを願うばかり。
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