【戦争と買い物】日露戦争の最中に、日本初のデパートが開業

 

明治37年12月20日、東京・日本橋の三井呉服店が「三越呉服店」と名前を変えて、日本で初めてデパートの営業をスタートさせた。
*三井家の「三井」と創業時の「越後屋」をくっつけて「三越」。
そんな「デパート開業の日」のきのう12月20日、SNSでこんなお得情報が流れてきましたよ。

 

 

始まりがあれば、終わりも必ずやってくる。
むかし何度もお世話になった大丸に、チョットでも恩返しができれば…と、この「閉店セール」を見てビックリ。

 

 

約220万円の超高級時計が36800円と、「お掃除ルンバ」のレベルになっている!!
いくら何でもこの価格設定はアヤシイ。
「あなたをよりよく支援するために、私たちにメッセージを送ってください。」という不自然な日本語もあって、これは詐欺サイトであることが判明。
お金を払った後に中を確認すると、注文とまったく違うゴミ商品が入っているらしい。

 

一度サイトへ飛んだら、SNSには別の詐欺サイトが浮上するようになったござる。

 

「畅销商品」って、もう正体隠さなくなったな。

 

いまでは世界中にあるデパートメントストアの起源は、1796年にロンドンでオープンした「Harding, Howell & Co」にあるという。

the first reliably dated department store to be established, was Harding, Howell & Co., which opened in 1796 on Pall Mall, London.

Department store 

米シカゴのデパートメントストア(1910年ごろ)
日本語のデパート(depart)は「department store」を省略したものだから、外国人に通じるか不明。
「百(たくさん)の貨(商品)を取りあつかう」ということから、デパート=百貨店となった。

 

日本の社会や制度を西洋化しようと頑張っていた明治の日本人は、欧米のデパートを参考にして、明治37年12月20日に日本初のデパートをオープンさせて、三越は「デパートメントストア」宣言を行った。
このタイミングで「何でもそろうアメリカ式の百貨店(デパート)を目指す!」という宣言を出したのは、日本が豊かで平和になって購買意欲も上がり、いろんなモノを買い求める国民が増えてきたからだ。
なんて思ったのだけど、…明治37年…だと?

明治37年は西暦では1904年になる。
この年は、南下してくるロシアに対して、独立と安全を守るために日本が宣戦布告して日露戦争が始まった年だ。
その年の12月には、中国東北部(旧満州)にあったロシアの要塞を落とすために、乃木希典の率いる日本軍が全身全霊で戦って、なんとか成功した「旅順攻囲戦」が行われていた。
日露両軍で3万人以上の死者を出す戦いがあったと同時に、日本初のデパートが誕生して大々的に「デパートメントストア」宣言が行われた。

何度も爆撃をくらった太平洋戦争と違って、日露戦争では本土への攻撃も無く、国民はそれまでとあまり変わらない生活を過ごすことができていたのだろう。
だとしても同じ日本人なのに、命がけで敵にツッコんでいく兵士がいる一方、デパートで買い物や食事を楽しむ人がいて、国の内外で起きていることのギャップがすごすぎ。
でも、戦いと発展の時代だった明治の日本を象徴しているようでもある。

 

ところで、こんなサギ広告が止まんなくて困る。

 

 

 

日本 「目次」

【日露戦争】日本とロシアの開戦理由・韓国に冷酷だった世界

イギリス人が見た日本・日本が世界の歴史で初めてした誇っていいこと

世界よ、これが明治日本の正義感だ! マリアルス号事件・人種差別撤廃

明治天皇がみた日本と日本人の姿・昭和天皇と戦争責任

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。