日本語と英語 「大野雄大」が米国人に衝撃と恐怖を与えたワケ

 

野球の国際大会・WBCで投打にわたって大活躍して、日本の世界一に貢献した大谷翔平選手。
大谷選手は大会MVPだけではなく、アメリカのスポーツ専門局ESPNが発表した「メジャーリーガーのトップ100」でも1位に選ばれた。
「野球の歴史の中で最もユニークな才能を持つ選手」と評価された大谷サンは間違いなく、いま世界最高の野球選手だ。

さて、話は日本人の名前によくある「大谷」だ。
WBCで大谷選手が着ていたユニフォームには「Ohtani」と書いてあったけど、米メディアでは「Otani」の表記が一般的で、「Ohtani」はたまにあるていど。
「オオタニ」の英語表記は「Ohtani」も「Otani」も正解だから、好きなほうを選べばいい。
でも、「Ootani」はマズい。

そのヒントはこれだ。

 

サントリーを「三得利」と表現するのは漢字ならでは。

 

英語で「Oolong」は「オオロン」ではなくて「ウーロン」と読むから、烏龍茶を英語にすると「Oolong tea」になる。
だから「Ootani」だと、外国人が「ウータニ」と誤読する可能性があるから、「Ohtani」か「Otani」が最適解になる。
となると、「大野」も「Oono」だと「ウーノ」になりかねない。
だから2021年に行われた東京オリンピックの野球で、準々決勝のアメリカ戦に出てきた大野雄大選手の背中には「OHNO」の文字があった。

アメリカ人からすると、こんな名前のクローサー(試合を締めくくる投手)は「不吉(unfortunate)」らしい。

 

アメリカで「OH,NO」は、「なんということだ!」という驚きや衝撃を表す。
さらに「ユウダイ(雄大)」の響きが「you die(おまえは死ぬ)」に似ていることから、アメリカのSNSでは「あいつは死神か!」とちょっとした話題になった。

・It should actually strike fear into the batters…
YOU DIE!…. OH NO! 😱
あの名前は打者に恐怖を与えるはずだ…。
おまえは死ぬ!・・・・・・。ああ、もうだめだ!

・There is an Argentinian volleyball player named Loser.
The irony is that Mr. Loser won against Team USA yesterday.
アルゼンチンのバレーボールに「ルーザー(負け犬)」という選手がいる。
皮肉なことに、そのルーザーさんはきのうアメリカチームに勝ったよ。

・Or is it actually the best name for a closer?
クローザーとしては最高の名前では?

・A name made for Tik tok
Tik tok のために作られた名前だね。

・I dunno if any name for a pitcher is worse than “Balfour”
「バルフォア」より、悪い投手の名前なんてないだろう。
*Balfourと「Ball four(四球)」をかけたと思われる。
「フォアボール」は和製英語で英語では「walk」になる。

実際、大野選手はこの回を無失点に抑えて、日本はアメリカに勝利して、最終的には五輪で金メダルを獲得した。
「OHNO」はアメリカにとっては不幸フラグだった。
スポーツ選手で「オオノユウダイ」ほど、英語圏に衝撃や恐怖を与えられる日本人の名前はたぶんない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。