親日カナダ人の話 日本が好きなわけ・衝撃的な東京の地下鉄

SNSを見ていたら、日本を旅行で訪れたカナダ人が感想を投稿していた。旅は全体的には楽しかったけれど、ウンザリしたことがあったという。彼が食事をしようとレストランに行くと、列ができていて、かなり待たされることが多かった。
場所によって違うだろうけど、カナダではスムーズに店へ入りやすいらしい。

さて、これから紹介するのは、カナダのトロントからやってきたアレクサ(Alexa)から聞いた話。彼女は日本が好きで、今は静岡の大学で学んでいる。カナダの基本情報を確認してから、アレクサの体験を書いていこう。

 

面積:998.5万平方キロメートル(ロシアに次ぐ世界第2位、日本の約27倍)
人口:約4,154万人(2025年)
首都:オタワ
言語:英語、フランス語が公用語
宗教:国民の半数以上(53.3%)がキリスト教徒(約29.9%がローマ・カトリック)、約3割(34.6%)が無宗教(2021年)
国祭日:7月1日 Canada Day(建国記念日)

外務省HP「カナダ(Canada)基礎データ

日本の27倍も大きいのに、人口は約3分の1しかいない。だから、行列に並ぶことが苦痛だったのかもしれない。

 

ーーアレクサが日本に興味を持ったきっかけはなに?

子どものころ、トロントの日本料理店で食べたラーメンがきっかけです。それが、びっくりするほどおいしかったんです。日本とハッピーな出会いをして、私の人生は変わりました!

ーー1杯のラーメンにそんな破壊力があったんだ。ちなみに、その店のオーナーは日本人?

中国人ですけど、それが何か?

ーー多分そうだろうなと思ったら、やっぱりそうだった。その中国人の店がきっかけでアレクサが日本に興味をもったというのは、多民族国家のカナダらしい偶然だね。

昔、私はアレルギーがあったけど、日本食とは相性が良かったんです。だから、両親にその店へよく連れて行ってもらって、ラーメンのほかにも、かき揚げうどん、そば、すし、たこ焼きなどを食べました。

ーー日本だと、それだけのメニューに手を出す店はなかなか無い。1つ1つの料理のクオリティが低くなって、店として戦えなくなる。そういう無分別なところは、「中国人オーナーの日本料理店」って気がするな。まぁカナダでは、そうしたほうが戦いやすいんだろうけど。

そうですね、普通の人はいろんな種類の日本食を求めていると思います。

ーー食べ物のほかに、アレクサが好きな日本文化はある?

中学生になると、アニメにハマって、今もその世界から抜け出せません。出る気もありませんけど。『フェアリーテイル』、『暗殺教室』、『黒子のバスケ』などが好きです。アニメを通じて日本への興味がどんどん深まって、本物の日本文化を知りたくなり、今は静岡の大学に通っています。

ーーラーメンからすごい物語が始まった! 

 

 

ーー話は変わって、アレクサの日本の第一印象はどんなものだった?

日本に来たのはこれで3回目です。高校生だったとき、両親と一緒に初めて日本に来て、東京の地下鉄の複雑さに衝撃を受けました。それが私の第一印象ですね。

ーーでも、トロントはカナダ最大の都市で、「人口、商業、エンターテイメントなど、すべてにおいてカナダを代表する大都市」と AIも言っている。カナダでの地位は東京と同じと思うけど、地下鉄はそんなに発達していないの?

「そんなに」と言うレベルじゃないです。トロントの地下鉄は路線が4つしかなくて、路線図はとてもシンプルで、間違いようがないほどわかりやすいです。

 

東京の地下鉄路線図(東京メトロから)

 

トロントの地下鉄路線図(TTC.ca – Torontoから)

 

ーーホントだ。比較すると、その差は一目瞭然だ。トロントの地下鉄は1954年にカナダ初の地下鉄として開業したわりには、路線が少ない。トロント市も住民もこれで問題ないと思っているの? それとも何か問題があって路線を拡大できない?

正解は後者です。十分な資金が無かったり、計画に一貫性が無かったりして路線が広がらないんです。路線を建設中に計画が中止されて、工事した地面を埋め戻したこともありました。日本は何でも計画的で、責任感もあるから、きっとそんなことはないですよね。

ーーその建設費用は税金だろうし、そんな壮大な無駄をしたら市民が許さない。カナダって思っていたよりもテキトーなのかな?

私はそのような路線に慣れていたので、東京で「クモの巣」のように複雑に絡み合った地下鉄の路線図を見たときは、言葉を失いました。

ーーだろうね。今、初めてトロントの路線図を見て、空白の部分が多くて「ナスカの地上絵」のようだと思った。でも、トロントには地下鉄のほかに移動手段はあるんでしょ?

もちろんです。列車とバスを運行している「GOトランジット」っていう公共交通機関があります。2階建の車両もあるんですよ。
それでも、日本はすごいですね。今回、羽田空港から日本に入って、東京に3日間いたんですが、どこでも簡単に移動できて、アクセスが本当に良かったです。日本の公共交通機関は発展しています。

ーー日本のそういうところを褒めてくれる外国人は多い。アレクサもこれからたくさんの場所へ行って、いろんな経験をしてよ。ラーメンから始まった物語は、今がクライマックスだろうから。

 

おまけ

カナダの「GOトランジット」では、日本式の「指さし確認」が採用されている。関係者が休みに日本を訪れて、「指さし確認」の様子を見て、「これはいいシステムだ」と思い、「GOトランジット」での導入が決まったという。
日本の支援で建設された韓国の地下鉄でも、「指さし確認」がおこなわれている。

 

 

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

アメリカ人から聞いた話 カナダ人との違い・メキシコの印象

親日カナダ人の話 日本で感激したこと・アメリカへの複雑な感情

日本の夏を経験したカナダ・ドイツ・アフリカ人の感想

日本通のアメリカ人の話 日米の朝食・コーヒーの違い

親日アメリカ人の話:日本との歴史や文化の違い、驚いた食べ

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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