日本で迷惑行為をした強気なタイ人、批判が殺到し、最後は降伏

去年、ある台湾人が日本を旅行して SNSにこんな感想を書き込んだ。

「這幾天不管在高野山還是京都 路上幾乎都是歐美人」

「歐美人ってどんな美人?」と思ったら、これは中国語で欧州と美国(アメリカ)を合わせた言葉で、欧米人のことだった。「ここ数日、高野山でも京都でも道行く人は歐美人ばかりだ」といった意味らしい。

マナーを守って日本を楽しんで、お金をたくさん使って帰国してくれる外国人はウェルカム。でも、そもそも日本に来るべきではなかった外国人もいる。

 

先日、富士山をバックにして写真が撮れる山梨のコンビニで、タイ人のした行為が物議をかもした。
彼はSNSで600万人以上のフォロワーを持つトラブルメーカー、おっとインフルエンサーで、駐車場に停めてあった車に登り、上半身裸で踊る動画を投稿。そこには、「俺を見下すヤツの言葉なんて気にしない」といった挑発的なキャプションもあって、善良な日本人、外国人、タイ人と広範囲に怒らせた。
くわしい内容はバンコク・ポストの記事を読んでほしい(18 Nov 2025)。

Thai influencer sparks backlash dancing shirtless on car roof in Japan

彼の罪の大きさは車の所有者によって大きく変わる。
友人の車で彼にOKを出していたらまだいいが、たまたま停めていた日本人客の車やレンタカーだったら、今年のクリスマスは警察で過ごすべき。
ただ、タイで裸になって迷惑行為をした日本人の集団が日本人を代表していないように、このユーチューバーも例外的なタイ人ではある。

低下する日本人観光客のマナー その悪さから立ち入り禁止も

 

この「迷惑ダンス」には外国人から、

「Respect the places you visit.Why is that so difficult?」
(訪れた場所を尊重しろよ。なんでそれがそんなに難しいんだ?)

という非難の声もあれば、

「Relax guys, he’s just chilling and having a good time.Let him enjoy !!」
(落ち着けよ、彼はただくつろいで楽しんでるだけだ。楽しませてやれよ!!)

という擁護までさまざまな意見が寄せられたが、全体的には批判コメントのほうが圧倒的に多かった。以下、そんな声を紹介しよう。

・こうした許しがたい行為を黙って見過ごしてはいけない。声を上げるべきだ。
・説明は不要です。日本人が失礼だと感じるなら、それは失礼なのです。
・このタイ人観光客は、タイで多くの観光客が同じことをしているのを見て、海外ではこう振る舞うのが普通だと思ったんだろう。
・もし私があの車の所有者だったら、アイツは今ごろ集中治療室にいる!
・日本で規制が増え続けるのは、まさにこうした行為のためです。ほとんどの観光客はマナーを守っていても、注目を集めるための1人の行為が地元住民のガマンの限界を超えるのです。
・これは単なるパフォーマンスではない。金銭を目的にした犯罪的なビジネスだ。彼らがこういう動画で利益を生み出すシステムをなくさない限り、同じ行為が世界中の国で繰り返される。

外国人が怒る理由は、このタイ人が日本を侮辱したから、だけではない。最近、日本は外国人観光客に対する規制を強めているため、結果的に、自分に悪影響を与える可能性があるからだ。

以下は、タイ人のものと思われるコメント。

・この馬鹿な行為が2300万ビューって…。
・ファラン(外国人)インフルエンサーがプーケットで問題を起こし、タイ人インフルエンサーが日本で問題を起こす。
・これをサウジアラビアでやってみろよ。
・こいつはタイ人全員を屈辱した。彼を拘束しろ!
・この許しがたい行為について、すべての日本国民に謝罪いたします。

 

このユーチューバーが2300万ビューでどれくらい稼いだか分からないが、動画が与えた余波は大きかった。
タイの公共放送局「Thai PBS」などさまざまなメディアがこの「車上ダンス」を取り上げ、シハサック外相が渡航先では現地の慣習を守る必要があると訴えた。
タイにある日本国大使館も“事故”に巻き込まれた。大使館がSNSで、奨学金や留学に関する投稿をしたところ、「あのタイ人を二度と入国させるな」「ビザを取り消して、ブラックリストに入れろ」などと、内容とまったく関係ないコメントが殺到する事態に発展。

迷惑行為を動画で公開し、「俺を見下すヤツの言葉なんて気にしない」と豪語したユーチューバーも十字砲火を受けて、「全ての批判を受け入れます…」「皆様にお詫び申し上げます」と公式に謝罪した。つまり、全面降伏だ。
微力だけど無力ではないから、ネットで声を上げることは重要だ。

 

 

多文化共生社会 目次

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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