日本の処理水放出で分かれる韓国社会過激な抗議と冷静な意見

福島の原子力発電所にある放射能に汚染された水を、健康に問題ないレベルにまで処理して、日本は年内に海へ放出する予定だ。
これは韓国を含めて海外の国もしていることで、福島の処理水排出については国際原子力機関（IAEA）が「問題ない」と太鼓判を押している。

にもかかわらず、福島の水産物について韓国では「放射能で汚染されている」という偏見が広がっていて、韓国政府は「輸入は絶対にあり得ない」と公式に宣言した。
すると、そんな言葉は信用できない！と反発した最大野党「共に民主党」の議員は国会の前で糾弾集会を開く。
一般の日本人の感覚だと、ついていけるのは多分ここまでで、政府への怒りから国会議員が丸刈りをするというのは日本人の発想にはない。

これに対して政府は「うその扇動をしている」、「北朝鮮発のデマをばらまいている」と反発している。
つい最近、韓国にある団体が北朝鮮から、「福島の水産物に関するデマを流して、反日感情をあおれ」と指令を受けていたことが発覚して大問題になった。

朝鮮日報の記事（2023/03/24）

【独自】北朝鮮「福島沖に怪魚出現、奇形児出生デマを流せ」…韓国内のスパイ組織に反日感情刺激を指示

ボクも福島原発の放射能汚染が原因で、異形の魚や奇形児が生まれたという日本語の投稿をネットで見たことがある。
あれも大本は北朝鮮の指示だったかも。

野党と同じ立場で、韓国左派の主張を代弁するハンギョレ新聞はこんな感じに、過激なことを書いて国民の不安をあおる。（2023-03-01）

「福島第一原発の汚染水で済州の海は死ぬ」…ずたずたに引き裂かれた旭日旗

これと反対なのが保守派の朝鮮日報で、IAEAがチェックして「問題ない」と結論を出している事実を指摘して、信頼できる国際検証から冷静に判断するよう国民に訴えた。（2023/03/27）

現在さまざまな声が上がっているが、感情的要素が付随している。冷静な立場による計量的評価が重要だ。非論理的な主張はしばらく視野を曇らせるかもしれないが、後々それがとんでもない誇張であることが判明すれば、われわれの立場は困難に直面するほかない。

日本の汚染処理水、国際検証結果を見て判断すべき

「福島第一原発の汚染水で済州の海は死ぬ」なんて声はホントにとんでもない誇張、さらに非論理的＆感情的な主張で、韓国の人たちには客観的な数値を見て冷静に判断してほしい。
朝鮮日報もそんな立場で、福島の処理水放出については「特に国際的な手続きに従って問題が処理されている」と強調する。
IAEAの検証結果 VS 国会議員の「丸刈りパフォーマンス」という異種格闘技戦で、どっちが勝つかは韓国にまかせるとして、日本は世界に認められた方法で予定どおり処理水を流せばいい。