韓国の次の大統領にユン・ソギョル氏がきまって、あと１か月ほどでユン政権が発足する。
そこでいま期待されているのが、ブン政権下で「戦後最悪」となった日韓関係の改善だ。
これは「どっちどっち」ではなくて、日本との合意を破って国際法違反の状態を生んだ韓国側に解決の責任がある。
さいわい国民が選んだユン次期大統領には、間違いを間違いと認めて両国関係を前進させる意思があるようだ。
朝日新聞（2022年3月10日）
「文政権は間違い」日韓関係の改善めざす新大統領 それでも大きい溝
記者会見で日韓関係について語ったユン氏は「未来」をキーワードにする。
「未来志向の韓日関係を築いていきたい。未来に向けてどうすれば両国の利益になるのか。よく探していくことが重要だ」
「韓日の未来世代のために何をすべきかに重点を置き、韓日関係を考えていきたい」
感情ではなく利益を重視する。
過去に固執するのではなく、未来を切り開いていくことを次期大統領は強調している（と願いたい）。
「ブンからユン」への政権交代で韓国内には、歴史問題で悪化した関係が改善へ向かうという期待があり、日本政府もこの変化を肯定的に受け止めているようだ。
でも、「日韓の立場の隔たりは依然大きい。「解」を見いだすのは簡単ではない」と記事が指摘するように、新政権はすでに課題山積だ。
では日本国民の見方はどうなのか？
世論調査を行った結果、大統領が変わったとしても、72.2%の人は今後の日韓関係は「変わらない」と考えていて、「良くなる」は18.9%、「悪くなる」は3.8%だった。
日本経済新聞（2022年3月20日）
内閣支持60% 共同通信世論調査
好感度についての項目はなかったが、来日したユン新大統領が記者会見で、「我が名はゆんゆん！アークウィザードにして上級魔法を操る者！」とか言ってくれると2.8％は上がると思う。
まあこれはそのときのお楽しみにしておこう。
岸田内閣への支持率は60.1%で、不支持率は21.9%だからいまのところは安定している。
そんな岸田首相は当選したユン氏にすぐ祝意を伝えて、日韓関係の重要性を訴えたうえでこう強調した。
「日韓関係というものは、ルールに基づく国際秩序を守り、そして地域や世界の平和・安定・繁栄を確保する上で不可欠である」
「１９６５年の国交正常化以来、築いてきた日韓の友好協力関係を基盤としながら、日韓関係を発展させていく必要（がある）」
ユン氏のリーダーシップに期待し、関係改善のために共に協力をしていきたいと岸田首相は言う。
対してユン氏からも、日韓関係を重視していて、関係改善に向けて協力していきたいという発言があったとか。
政治的には最悪でも民間レベルではそうでもない。
最近は日本でも、韓国の食材を売ってる店が増えて文化的な理解や交流は進んでいる。
韓国メディアもそれに注目してこんな記事を載せた。
朝鮮日報（2022/03/22）
春風が吹く韓日貿易、最近日本でKフードなど人気復活
韓国的に言うと「厚い氷の下でも水は流れている」みたいな。
日韓関係は「ルールに基づく国際秩序」を守ることが基礎になっていると、岸田首相が釘をさす。
それは2015年の慰安婦合意や1965年の請求権協定が、文政権下の韓国で破られたことを意味していて、日本政府はユン氏にその解決を求めているとみて間違いない。
大事な基盤が壊されて戦後最悪の関係になってしまったのだから、原因をつくった韓国側にその修復を要求するのは当然。
対韓外交については国民もそんな岸田政権の姿勢を支持しているはずで、政権が変わったからといって、すぐに関係が立て直せるなんて思っていない。
「ルールに基づく国際秩序」より「日韓関係の改善」を優先してはいけないのだ。
そう言いたいのは、新大統領の誕生で前のめりになって早急な「日韓友好」が最優先事項になってしまい、約束の順守をスルーして、「岸田首相はそんな硬直した態度をとってはいけない」という人が日本のネットを見るとけっこういて不安になるから。
ルールに基づくことと、関係改善はまったく矛盾してない。
自分の言ったことは必ず実行するという信義や信頼に基づいて、関係が成立しているのはどこの国や社会でも同じだ。
韓国で新大統領が誕生して政権が変わったとしても、日本は安易な妥協は禁物で、約束重視で関係を構築していってくれ。
関係がすぐに変わることはなく、時間がかかるのは国民も分かっている。
韓国大統領選：「文政権を捜査する！ vs 反日頼み」の低劣さ
日本の新聞が文大統領に「”反日”体質・歴史のわい曲」と批判。
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