【次は日本の番】譲歩を求める韓国と、国際社会の眼

 

そこにいるとストレスや不安を感じることがなく、リラックスできて落ち着いていられる。
そんな快適空間を 「コンフォートゾーン」という。
でも一方で、緊張を感じないコンフォートゾーンは「ぬるま湯」と同じで、そこにいるとチャレンジ精神がなくなって、新しい人間関係や可能性を広げる機会を失う可能性がある。

そんな個人的なことから離れて、韓国の政治・外交分野でのコンフォートゾーンは「反日感情」だと朝鮮日報が指摘した。(2023/04/02)

韓国では反日感情がそうだ。反日は不幸な歴史に根差した正当な情緒だが、いつからか、韓国の地平を自ら狭めるコンフォートゾーンと化した。(中略)反日は政治的・道徳的優位という面で、依然として楽かつ安全な選択だ。

韓日関係、先に「コンフォートゾーン」から抜け出した韓国

 

最近の東アジアでは北朝鮮による核・ミサイルの脅威が高まっているし、経済・軍事的に大国となった中国との付き合い方で、韓国はむずかしい状況に立たされている。
国際情勢の変化に対応するにはアメリカとの連携強化が超重要なのに、韓国は「100年前の弱小国植民地の悲哀と鬱憤(うっぷん)に閉じこもる」というコンフォートゾーンにいて、それが韓国の選択肢を少なくしているという。

そして「問題は日本だ」と、コラムはこちらに視線を向ける。
文政権下の韓国で、最高裁判所が日本企業に賠償を命じて日韓は大荒れになった。
この問題は1965年の請求権協定で日韓政府がすでに解決を確認したから、いまになってこの合意をひっくり返す判決を日本は認めることができない。
お互いに一歩も引かず、日韓関係は「戦後最悪」に追いやられた。
そんな元徴用工問題で韓国側が先月、とりあえず韓国企業からお金を集めて、原告側にわたすという解決案を提示すると、これは合意に矛盾していないから日本も受け入れて解決のメドが立つ。

このことをもって、「コンフォートゾーンを先に抜け出した」と主張する朝鮮日報は日本にもそれを求めてくる。
韓国のこうした措置に日本が応えないでいると、日本が国連安全保障理事会の常任理事国になることはむずかしく、日本の望む「国際的な認定」は得られなくなるとほのめかす。
韓国的視点では、いま日本は過去の歴史問題は終わったと考えて、もう何もしないという「コンフォートゾーン」にいる。そんな態度では、日本が国際社会に認められることはないらしい。

日韓関係で韓国が先に「コンフォートゾーン」から抜け出したという朝鮮日報と、同じ主張を中央日報もしている。(2023.03.26)

植民支配責任絡まる徴用賠償、今度は日本が「譲歩」する番

なるほど。
だがマテ。
韓国の動きを受けて、岸田首相が「痛切な反省と心からのおわび」をふくめた歴代内閣の立場を引き継いでいると表明した。
韓国に対して行っていた輸出管理の厳格化もゆるめたし、日韓で「未来パートナーシップ基金」を創設をすることも発表した。
これ以上の誠意ある呼応(譲歩)は現実的ではないし、さすがに欲張り過ぎ。

「国際的な認定」については、かつて敵国だったアメリカはいま日本の常任理事国入りに賛成しているし、きょねん開催された国連総会の会合で、日本は184カ国の支持を得て非常任理事国に選ばれた。
これは12回目のことで、国連加盟国の中では日本がもっとも多いと外務省ホームページにある。

日本の国連安保理非常任理事国への選出について(外務大臣談話)

そもそも新しく常任理事国になった国なんてない。
これだけ国際社会から高く評価されていれば、日本国民のほとんどは満足だろう。
日本がさらに韓国へ譲歩するかどうかは2か国の問題で、世界にとってはどーでもいい。ウクライナ戦争とか米中の対立とか、関心を向けるべきところは他に山ほどあるのだから。
これまでの「反日感情」が薄らぎつつあっても(実際は不明)、韓国は”道徳的優位”の立場から、日本を諭して導くというコンフォートゾーンからは抜け出せていないらしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。