最近、もうすぐ旅行で日本へやってくるドイツ人と話をしたから、今回はその内容をシェアしようと思う。
ーーえっと、4月に日本へ来るんだっけ?
そうそう。
最近、そのためにいろんな情報を集めていて、嬉しいニュースと残念なニュースを知ったんだ。
ーーなにそのアメリカンジョークみたいなフリは。
A「君に良い知らせと悪い知らせがある。じつはさっき、君の妻が交通事故で亡くなったんだ」
B「そうか…。で、悪い知らせって何?」
みたいな展開?
ちがうわっ。
良いニュースというのは今年は桜の開花が遅いから、ボクが日本で桜を見ることができるかもしれないってこと。
悪いニュースってのは、京都へ行こうと考えているんだけど、祇園でとても雰囲気の良い道が「通行禁止」になったということ。
ーーああ、それね。
ボクもニュースで見た。
*祇園にある「小袖小路」は風情ある路地として有名で、ドラマの舞台になったこともある。
それが今月中にも観光客の通行が禁止され、違反した人には罰金1万円が科される予定。
数年前、祇園で見かけた看板
ーー君はそれをドイツ人のユーチューブ動画で知ったと。
で、外国人、主にドイツ人の反応はどうだった?
コメント欄には、「外国人のマナーが悪いのは事実だから仕方ない」っていう意見もあれば、「外国人差別だ!」と怒る人も多かったね。
ーー差別?
いや、日本人の通行も禁止されるでしょ。
外国人も含めて、一般の観光客が一斉に“BAN”されるって話だったはず。
そうなの?
外国人だけ禁止にした、って思っている人が多かったけど。
こう言っちゃ何だけど、ヨーロッパには、日本は閉鎖的な国だというイメージがあるから、ボクもつい信じてしまったよ。
それこそちがうわ。
その道はもともと私道で、所有者が厚意で誰にでも通行できるようにしていたら、トラブルが続出して、ガマンの限界を超えたから禁止される運びになったはず。
祇園では、いろんな迷惑行為があったみたいだね。
たくさんの外国人観光客が舞妓さんを取り囲んで動けなくしたり、勝手に写真を撮ったり、店に入ってきたりとか。
ーー「舞妓パパラッチ」って言葉もあって、かなり悪質な観光客もいたみたい。
舞妓パパラッチwww。
でも、それに怒る人もたくさんいた。
マナーを無視して好き勝手なことをするのは、主にアジア人の観光客なのに、自分たちも巻き込まれたって。
祇園の店にアジア人の観光客がトイレだけを借りに来て、店員が断ったら逆ギレされたという話も聞いた。
そんなことをする西洋人なんてまずいないよ。
ーーたしかに「外国人観光客」とまとめて言っても、マナーの良さは国や地域によって違いがあると思う。でも、禁止事項の基準は、悪いところに合わせて設定されるのは仕方ない。
動画のコメント欄を見ていると、京都の祇園をテーマパークみたいなところと考える人が多かった。
舞妓さんや浴衣を着て歩く観光客が多いしね。
ボクも祇園には普通の街じゃなくて、テーマパークのようなイメージがあった。
ーーなるほど。
ボクにはその発想はなかった。
じゃあ、良い情報を教えよう。
今回の通行禁止は“はじめの一歩”で、祇園ではこれから、ほかの道も観光客の通り抜けを禁止していく方針だから、早めに行って歩き回ったほうがいい。
ところで、ドイツにはオーバーツーリズム(観光公害)の問題はないの?
あるよ。
観光客には「いると困るけど、いないともっと困る」みたいな面があるから、対応がむずかしい。
地域住民が怒って苦情を言ったから、観光客の数ではなくて、「質」を高めることを目指した場所もある。
マナーの良い富裕層の観光客の誘致に努力し、ゴミを出したり、夜中まで騒いだりする迷惑な観光客を減らしていこうとする考え方。
ーーそれはいい。
祇園に必要なのはそれだと思うわ。
ドイツ人はバウムクーヘンを食べるのか? 日本の物とはどう違う?
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