2022年の3月に、地獄の門が開かれた。
それまでは「1ドル≒約115円」で推移していたのに、この時期から円安がはじまり、その後も円の価値がどんどん下がっていき、底なしとなる。
この間、メディアには「1ドル140円も?」なんて記事もあったけど、現実はそのはるか上を行き、 今週ついに160円の壁を突破し、34年ぶりという記録的な円安となった。
SNSからは、海外旅行に行った日本人の悲鳴が聞こえてくる。
・2週間前に韓国で¥10000をウォンに両替すると₩88,600だったのに、今日は₩85,500です。(T_T)
・1ユーロでおよそ170円。
GWの海外旅行にこれはキツイ。
ヨーロッパには何度も行ってるけど、110円ぐらいが妥当。
・みどりのたぬきが850円
牛乳1パツク1,200円
水500ミリリットル800円
ハワイの物価です。
ビーチの景色だけは無料です。
・どんどんお金が溶けていく〜
・ヘルシンキのアジア料理店で食事をしました。
カニ(ソフトシェルクラブ)の唐揚げとサラダとご飯で5500円を超えました。
・ニューヨークに行ってきましたが、食事がしんどかったです。
ちょっとしたものでもすぐに5000円になります。
チップが最低でも15%で、さらに州税がありますからね。
カードの支払額を見る勇気が出ません…。
外国人旅行者は日本人とは反対で、「控えめに言って最高デス」という状態にいる。
先月、知人のドイツ人が久しぶりに日本へやって来て、浜松を拠点にあちこちへ足を伸ばした。
ドイツに比べると、もともと日本の物価は全体的に安く、特にレストランでの食事はリーズナブル。
それに加えてこの記録的円安だから、日本人にとっては地獄でも、彼にとってはまさにボーナスステージだ。
だから、一緒にマクドナルドへ行くと、
「えっ、こんなに安いの? ドイツでマクドナルドに行くことはめったにないけど、この値段はドイツの半額以下じゃないかな?」
と驚いた。
想像してみよう。
ビッグマックセットの価格が300円台になった世界を。
ラーメン屋では、彼はトップ画像のつけ麺を注文した。
店員が「お待ちたせしましたー」とテーブルに置くと、彼はしばしそれを見つめ、「これが900円か。ドイツなら、3000円くらいするんじゃないかな」とつぶやく。
日本のラーメン界には「千円の壁」が存在する。
ラーメンが1000円を超えると「たかっ」と感じる人が多いから、店側もそれ以上の値段アップに踏み切れない。
でも、ベルリンの壁を崩したドイツ人には、そんなモノは壁でも何でもないようだ。
ラーメン屋で話を聞いていると、彼は最近、秋葉原でゲームソフトを買うのが主な目的で、東京へ行ってきたらしい。
現地では、予想以上に大量のゲームソフトのほか、新品のタブレットまで買ってしまい、帰りの新幹線でやや後悔したという。
京都の天神市に行った時も、お目当ての着物以外にも、茶道具や書道の硯(すずり)といったアンティークを大人買いした。
これは衝動買いだったから、目的や用途を聞かれると困るらしい。
「こんな円安はもう二度とない」と思えば、すべての買い物が正当化される。
「どんどんお金が溶けていく〜」はドイツ人も同じだ。
訪日外国人はすべて溶かして帰国してほしい。
ドイツ人はバウムクーヘンを食べるのか? 日本の物とはどう違う?
観光客なら食べ過ぎる遊び過ぎるお土産を買いすぎるくらいが精々でしょうが
企業も株も国債も不動産も、日本国はバーゲンセールです、外国の金融機関や企業にとって
こんな円安はもう二度とない
ないと思いますよ。下がり続けますから
メディアの報道では、これから円高に転じるという見方が多いです。
そうなってもらわないと困りますけど。
コロナ禍を耐えた観光業者にとっては今がボーナスタイムですから、しっかり稼いでもらいたい。
円高に転じた時、困るか困らないかは、日本国内でも立場によって違います。
円高になればダイレクトに恩恵を受けるのは、(ドル建て調達価格が下がる)輸入産業ですね。つまり日本ではエネルギーと工業原料、及び食料や製品などの資源を輸入している人々です。
それと、日本へ移住を希望する外国人労働者も、実質的に賃金UPになるので増えるでしょう。
その逆、つまり円高で困る人は、(オーバーツーリズムで被害にあっている観光地の住民を除いて)現在インバウンド消費で潤っている観光業者でしょう。外国人観光客が当然減るだろうから。と言っても円高の程度にもよりますが。
また、自動車産業など一部の輸出産業に従事している企業も、円安の方が輸出売上業績が伸びるから円高になると困る側です。自動車メーカーのような最終組立産業は、海外から資源を直接輸入するのではないから円安でもさほど困りません。円安で困るのはメーカーへ一次産品を供給している産業です。
またさらに、もしも円高へ誘導するために「政策金利を上げて米国ドルに近づける」方法を取るのであれば、その効果は景気を冷やすだろうことは必然ですから、下手するとまたデフレに陥ることになるかもしれない。デフレは国内物価安につながるだろうが、仕事が減り、失業率が高まります。最悪なのはスタグフレーション(景気が悪化しながら物価安にならずインフレ状態が続く)です。もしそうなったら国民全体が困ることになる。