数年前の安倍政権と文政権の時代、日韓関係は戦後最悪と呼ばれるほど悪化したが、「春の来ない冬はない」と言うように、トップが代わって岸田首相と尹大統領の時代になると、一気に好転した。
最近、韓国の「東アジア研究院」が発表した世論調査によると、日本に対して「良い印象」や「概して良い印象」を持っていると答えた人は41.7%で、「悪い印象」や「概して悪い印象」を持っていると答えた人は42.7%だったことが判明。
調査が始まった2013年以降、今回の結果は日本を好意的に思っている人の割合が最も高く、否定的に見る人が最も少なかった。
「日本好き」の韓国人が増加した理由には、日本文化を楽しんだり、日本人との交流を経験したことが挙げられる。
特に観光旅行の影響が大きい。
日本を訪問したという人は昨年の37.3%から、今年は60.8%と急上昇している。日本を訪れた後、日本に対する印象が良くなったという人は22.4%、良い印象がそのまま続いたという人は55.1%いた。
その一方で、佐渡金山や元徴用工問題などの歴史問題に対しては、やはりネガティブに考えている人が多かった。
この調査の日本側の発表はまだない。
相変わらず韓国はやることがパリパリ(早く、早く)だ。
しかし、日本の傾向も同じで、きょねん同じ調査をしたときは、日韓関係が「良い」と答えた人の割合は両国ともに過去最高を記録した。
読売新聞社と韓国日報社がことし5月に行った世論調査の結果も、日本で韓国に親しみを「感じる」という人の割合は48%、日本に親しみを感じるという人は33%で、どちらも過去最高だった。
日韓は明るい方向へ進んでいるのに、ハンギョレ新聞のコラムによると、両国の未来を心配している人もいる。(2024-10-03)
韓日市民の連帯の過去と現在、「オレの心は負けてない」
ハンギョレ新聞のキル論説委員は、過去の歴史について日本人と韓国人が誠実な態度で話し合い、「東アジア人」という共通のアイデンティティを培い、真の和解を実現できるだろうという期待が2000年代の初めごろにはあった。
しかし、最近ではそんな期待がしぼんできている。
その大きな原因は、2015年に当時の安倍首相が韓国政府と慰安婦問題について「最終的、不可逆的な解決」を確認し、この問題を終わらせた後でこんな発言をしたことだという。
「私たちの子や孫、その先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない。」
「この問題を次の世代に決して引き継がせてはならない。最終的、不可逆的な解決を70年目の節目にすることができた。今を生きる世代の責任を果たすことができたと考えています。」
「今後、日韓は新しい時代を迎えます。日韓両国が力を合わせて新しい時代を切り開いていくきっかけにしたいと思います。」
キル氏の感覚ではこの発言が日本の「右傾化」の象徴で、歴史問題で韓国に謝罪する姿勢が弱まってきた。実際、これ以降、日本の首相は謝罪をしていない。
日本が韓国に謝らないことを「右傾化」というが、上の安倍氏の考え方には多くの日本人が賛同し、今では日本の常識のゾーンにある。
そんな空気もあって、両国の市民が会って語り合っても、「溝は大きくなるばかりだった」とキル氏は嘆く。
さらに、「右傾化」に抵抗してきた日本の市民団体は高齢化が進み、「跡を継ぐ世代がおらず、5年後も見通せない状況に追い込まれている」という状態だ。
しかし、それでもキル氏は「オレの心は負けてない」と力強く語る。
こうした価値観を持っている人たちにとって、理想的な人物に鳩山元首相がいる。鳩山さんはソウルを訪れ、黒いネクタイに白い手袋をした姿で、ひざまずいて日本の植民地支配の謝罪を行った。ほかにも韓国での講演で、「相手が『もういい』と言うまでは真の謝罪が行われたと見なすことはできない」という無限責任論を提示したりして、韓国の人たちを歓喜させた。
「日本は常に謝罪の心を持っていなければならない」と訴える鳩山氏の立場は、「謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない」という安倍氏とまさに正反対。
そんな鳩山さんについて、10年ほど前、中央日報がコラムでこんな希望を語った。(2015.08.17)
こうした良心的な日本人の勇気ある行動には熱い拍手で応えよう。我々が鳩山元首相を積極的に称賛してこそ、より多くの「第2の鳩山」が出てくるだろう。ひざまずいた鳩山元首相の写真をネットユーザーは世界に広めよう。
我々が手を握るべき日本人たち=韓国
こういう観点の人からすると、日本には「安倍首相と右翼」だけでなく、「常識が通じる良心勢力が少なくない」ということに希望を感じるらしい。
それから10年が過ぎようとしている今、「第2の鳩山」は現れていない。元首相クラスの大物で、ひざまずいて謝罪する日本人が出てくるとは思えない。そんな「良心的な日本人」は彼で終わりだ。
それに、韓国も「脱・謝罪要求」へ向かっている。
新しく大統領になった尹氏は、「韓国社会には排他的民族主義と反日を叫びながら政治的な利益を得ようとする勢力が存在する」と反日感情を刺激しようとする勢力を非難した。そして、日本は歴史問題について、もう数十回も反省と謝罪を行ったと語った。
たしかにそのとおりで、無限責任論を言い出したら、時間をかけて話し合って最終的な解決をしても意味がありません。過去を正しく記憶することは重要でも、それによって両国が未来へ進むことを妨げてはいけないという。
確かにそのとおりで、無限責任論を言い出したら、時間をかけて話し合って最終的な解決をしても意味はない。「我々が手を握るべき日本人」が少なくなっていることは、つい最近、キル論説委員が実感した。
「オレの心は負けてない」と闘志を燃やすまえに、「良心的な日本人」が減り、日韓で「もう謝罪は必要ない」と考える人たちが増えて、お互いの好印象が過去最高になったという現実と向き合ったほうがいい。
確かに、現在韓国では日本に対する好感度が高まっています。
上の本文で述べたように、日本に旅行に行って来た韓国人の好感度の増加もあるでしょう。
しかし、私が判断する好感度増加の理由は、大谷翔平のためです。去年、彼がwbcで見せた行動に続き、今年のソウルでのMLB開幕戦で大谷がした親しげな行動、そして彼の行動一つ一つに韓国人の日本に対する考え方が変わりました。韓国人が日本に対して持っているイメージは”切腹をする残忍性”、”性に執着しすぎる性格”、そして日帝時代に朝鮮人を弾圧した姦悪な性格(これは誤解ですが,,)などです。しかし、大谷の礼儀正しい行動、親韓派的な笑顔、絶対に相手を騙しそうにない正直な性格などは、韓国人の日本人に対する印象を非常に大きく変えました。
しかし、このような現象もすぐに変わる可能性があります。
誰かが感性を刺激して反日扇動をすれば、再び韓国は「反日の国」に変わることになります。
そうですね。期待は失望の原因になります。
政権が変わったり何かが起こると、また関係は悪化する可能性は十分あります。
でも、日韓関係は基本的には安定していて、その嵐をすぎればまた良くなると思います。
謝罪や補償はこれからどうするかは置いておいて、歴史認識に関する問題(慰安婦、徴用工)については事実と認めなくては、本当の友好にはならない