国名を後金から清(水)へ変えたのは、明(火)を倒すため

「今年の夏休み、あなたが行きたい国は、SwazilandかSwitzerlandのどっちですか?」

そう聞かれたら、「分かりづらいわっ!」とツッコみたくなるだろう。前者はアフリカのスワジランドで、後者はヨーロッパのスイスだ。
前者がアフリカのスワジランドで、後者がヨーロッパのスイスだ。これでは混乱しやすいし、イギリスに植民地支配された経験から、英語の「ランド」があることが気に入らない国民もいたため、スワジランドは2018年に「エスワティニ」へ国名を変更した。
エスワティニは現地語で「スワジ人の地」という意味。

国名変更は日本にもある。古代、中国人がつけた「倭」という言葉には、上から目線の侮辱的な意味があり、日本人は不満を感じたため、「日本」という新しい国名を考案したとされる。

なんで国名変えたん? エスワティニ・日本・ジョージアの理由

 

5月15日は、1636年に中国で後金が国名を「」に変更した日。この理由として指摘されるのが五行説だ。
古代中国思想の五行説(五行思想)によると、この世には木・火・土・金・水の五つの元素があり、それによって万物が成り立っている。
そして、「水剋火(水は火にうち克つ)」と考えられた。
明の初代皇帝・朱元璋は紅巾賊の出身で、「紅」や「明」は五行でいう「火」を表す。
五行説では「火剋金」とされているため、後金という名前のままだと明には勝てない。「水剋火(水は火にうち克つ)」とされているので、国名に水に関係する字を入れることにした。それで「氵(さんずい)」がついた漢字が選ばれたという説がある。
*「青」は東を意味するらしい。

結果的に、明の軍が清と戦っているスキをついて、李自成が1644年に北京を占領し、皇帝・崇禎帝を自殺に追い込んで明を滅ぼした。しかし、同じ年、清軍が李自成を駆逐して北京を制圧し、清の時代が始まった。五行説にもとづくこの国名変更が、勝利につながったのかもしれない。
そして、清は中国大陸の覇者となり、1912年の辛亥革命で滅ぼされるまでその支配が続いた。

 

参照:中国文学者・加藤徹氏の「四つの発想でわかる中国史

 

 

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韓国 「目次」

韓国・日本に影響を与えた中国文化:ビビンバにみる五行思想

【日本と中国】歴史の法則や皇帝(天皇)の権威の違い

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