アフリカで日本型教育が広がる理由|自主性や協調性を育む活動が魅力

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日本が世界に与えたもの

「日本が世界にあたえた良いことを一つだけ挙げていけ」

ある外国人がSNSでそんな投稿をしたところ、世界中からさまざまな回答が寄せられた。
以下はそんな回答の氷山の一角。

悟空、すし、ポケモン、ハンター・ハンター、ウォッシュレット、ニンテンドー、QRコード、トヨタ、セップク、ニンジャ…

なかには「一つだけなんて不可能だ!」とうれしい悲鳴を上げる人もいれば、日本の道徳観や教育といった「精神的な価値観」を高く評価する人もいた。
たとえばこんな感じに。

「それは教育だ。なぜなら、彼らがスポーツイベントに出席すれば、その場所は以前よりも清潔になるからだ。その文化は称賛に値する」

「日本人は正直で礼儀正しい。間違いなく、わたしたちの模範となる」

「この時代に、市民の振る舞いを見るだけで『そこは素晴らしい国だ』と分かる国は本当に少ない。素晴らしい道徳的・文化的価値観を持つ国のひとつが日本だ」

日本から世界へ広がったものといえば、昭和の時代は家電製品で、平成に入ると『ドラゴンボール』『セーラームーン』『ポケットモンスター』といったアニメが外国人の心をとらえた。
そして最近、海外で注目されているのが「教育」だ。
それは「日本人らしさ」と言い換えてもいい。

アフリカで広がる日本式教育

ことし5月、松本文科相がユネスコのアナニ事務局長と会談したとき、アフリカやアジアなどの国で日本型教育を普及させたいという要請を受け、松本氏は協力を約束した。

今、とくにアフリカで日本式の教育を採用する動きが進んでいる。

日本型教育の特長としては、掃除や日直、それと学級会などの「特別活動」を通じて、自主性や協調性を育むことができることがある。
これまでアフリカで行われていた教育では、こうした活動がなかったという。

そんな流れをリードしているのがエジプト。
エジプトは以前から日本の教育を高く評価していて、それを取り入れた「エジプト日本学校」を2018年に設置した。
そうした学校が現在までに約70校にまで増加し、来年には100校を超えるという。
エジプトに行かなくても、日本式の教育が現地でどれだけ好評を得ているかがわかる。

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また、西アフリカのガーナも日本式の教育を導入することを決めた。
今後、日本・エジプト・ユネスコの3者が連携し、「アフリカ開発会議」の機会などを利用して、アフリカ各国へ日本型教育を展開していく見通しだ。

※くわしいことは読売新聞の記事(2026/08/02)を見てほしい。

学級会・掃除・日直などの「日本型教育」、アフリカ普及でユネスコと連携へ…エジプトでは既に70校が実践

しかし、日本のネット民の反応を見ると、冷めた見方をする人が多かった。

・すぐにぐだぐだになる
・帰りの会とかいう公開処刑もやれよ?
・大学生になると掃除しなくなるって、教育の成果がないな
・身の回りを掃除することは自分の心を整えることという、禅仏教の理論的背景なしにうまくいくかな
・行き着く先は従順なイエスマンなのに

アフリカと日本の教育の違い

ナイジェリア人とタンザニア人に話を聞くと、彼らの国はかつてイギリスの植民地だったから、近代教育のシステムはイギリスによって築かれたという。

マダガスカル人やセネガル人も、フランスが支配していた時代に教育制度が確立されたと話していた。
大ざっぱに言えば、アフリカの近代教育のベースはヨーロッパ式にある。

では、アフリカの人たちは日本式教育のどんなところに母国との違いを感じ、魅力を感じているのか?

それについては、日本に住んでいる(または住んでいた)アフリカ人から話を聞いたことがある。
日本の事情を知るタンザニア人、ナイジェリア人、南アフリカ人、ルワンダ人から聞いた話をまとめると、日本人の素晴らしいところは、自主性や協調性、そして責任感があることだ。

彼らの国の学校では、数学、外国語、歴史といった科目が教えられ、生徒に具体的な知識を身につけさせることが重点に置かれている。
いっぽう、日本では勉強だけではなく、学校生活そのものを通して社会性を身につけることが重視されている。

学級会、学校内の掃除、日直なども大切な教育活動とされていて、それらを通して、子どもたちの自主性や協調性、責任感などが育まれていく。
これは外国の学校ではなかなか見られないもので、日本式教育の最大の特長だろう。

日本を知るナイジェリア人の意見

ナイジェリアではサッカーが大人気で、多くの人がワールドカップに熱中する。
W杯の影響力は絶大だ。

日本に住んでいたナイジェリア人女性の話では、W杯の中継で日本のサポーターがスタジアムのゴミ拾いをしている姿を見て、「信じられない…」と驚いた人がとても多かったという。
彼女自身は日本に住んでいるから、そうした光景を見ても驚かない。

でも、最初は違った。
ナイジェリアから日本に来たころに最も感動したのは「街のキレイさ」だったという。
多くの人が行き交う都市にゴミが落ちていないし、壊れたり破れたりして放置されている場所もない。

残念ながら、ナイジェリアの街中はその反対で「カオス」らしい。
彼女がナイジェリアにいたころはそんな環境に慣れていたから、日本に来て、ナイジェリアの街がどれだけ汚いか気づいたという。

日本では環境がとてもキレイだから、気持ちよく生活することができる。
その快適さを実感すると、自分も環境を守ろうと思うようになり、彼女はゴミのポイ捨てをしなくなり、しっかりゴミの分別をするようになった。

だからこそ彼女は、ナイジェリアも日本式の教育を取り入れ、国民の環境に対する意識を高めたほうがいいと考えていた。

日本を知るタンザニア人の意見

以前、タンザニア人と浜松市内にあるスーパーのイートインスペースで、簡単な飲食をしながら話をした。
まわりにいた人はみんな休憩したあと、ゴミ箱にゴミを捨てて店を出ていく。

彼はその様子を見て、「これが日本人の素晴らしいところで、タンザニア人ならこうはいかない」と苦笑いを浮かべた。
タンザニアなら、「ゴミはゴミ箱に捨てろ」と書いてあっても、人びとは「俺は金を払ったんだぞ? 客がなんで捨てないといけないんだ?」と反発して、ゴミをテーブルに置いたまま出ていく人がほとんどだという。

日本人はルールが明示されていなくても、常識としてゴミを捨てるし、イートインスペースにあった布巾を水でぬらし、テーブルをきれいに拭いていく人もいる。
西洋には「神は細部に宿る」という言葉がある。その国の常識や感覚は、日常生活の小さな場面でこそ表れる。

彼の意見では、「自分のゴミに責任をもち、自分で処理する」という感覚がタンザニア人にはない。学校では清掃員が掃除をするから、自然と「誰かがやってくれる」と考えてしまう。

日本の学校では、児童生徒が教室や廊下、トイレまで掃除するから、子どもたちは自然と「自分たちも環境をつくる一員だ」という意識や責任感を身につける。
日本人は自分のゴミを自分で捨てるし、使った場所は片付けてキレイにする。もちろん例外もいるけれど、自然にそうする人がほとんどだ。

教育|日本の新しい魅力

「日本の常識は世界の非常識」ともいわれる。

日本人にとっては当然のことでも、海外ではとてもめずらしく、新鮮に見えることもある。だからこそ、こう感じる外国人がいるのだ。

「この時代に、市民の振る舞いを見るだけで『そこは素晴らしい国だ』と分かる国は本当に少ない。偉大な道徳的・文化的価値観を持つ国のひとつが日本だ」

この称賛の根本には「教育」がある。

日直や掃除、学級会など、教科外のさまざまな「特別活動」を通じて、子どもたちの自主性や協調性が育てられる。そうした日本式教育を受ければ、自分でゴミを片付け、使った場所をキレイにすることが自然とできるようになる。
それは、海外にあるワールドカップの会場でも、市内にあるスーパーのイートインスペースでも同じだ。
アフリカの人たちから見れば、その行動は「驚き」で手本にもなる。

自分たちの環境に責任を持つ、周りの人と協力する、ルールを守るといった「日本人らしさ」が魅力的に感じるから、日本式教育が海を越えて、アフリカでも導入される動きが進んでいるのだろう。
これは、世界に誇れる日本の新しい「輸出物」で、「日本が世界にあたえた良いこと」の一つでもある。

 

 

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日本とパキスタンの3つの違い 宗教・女性の立場・教育

海外に広がる日本の教育|外国人が注目した”日本人の精神”

「ありがとう日本」 外国人にも“掃除”文化が広がり、称賛と感謝の声

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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