まずは、下の画像を見てほしい。
この白く光る物の正体は?
答えはコイン。
これは富士山の忍野八海(おしのはっかい)にある池。
ここに来る観光客がコインを池に投げ入れてしまう。
このマナー違反に地元の人たちが頭を悩ませている。
忍野八海は「富士山とその構成資産の一部」として、世界遺産にもなっているところ。
しかもこの池はけっこう深いから、コインの回収作業はなかなか大変らしい。
くわしいことは忍野村のホームページを見てください。
ただ、この池にコインを投げこんでいるのは中国人だ。
中国人観光客はいろいろなものにコインを投げる。
このマナー違反で困っているのは日本だけじゃない。
実は中国でもこれが問題になっている。
レコードチャイナの記事(2017年2月19日)から。
博物館の仏像、動物園の亀の背中、史跡の墓室、特に由縁のない巨石などなど、中国人観光客はありとあらゆる場所にコインを投げ込んでいるのだ。
この「コイン投げ」には、中国の伝統的な考え方があるらしい。
中国では、神仙に願いごとかなえてもらいたい時にお金を贈る風習がある。
神仙とは、人間の力を超える不思議な力(神通力)をもつ仙人のこと。
この考え方が背景にあって、中国人観光客はいろいろなところでコインを投げてしまう。
記事によると、中国ではまだまだ「環境を守る」という意識が育っていないらしい。
動物園のカメや考古学に価値の高い物にコインを投げつけても、本人は「悪いことをしている」という意識がない。
だからそんな中国人に、中国も困っている。
「世界遺産の池や貴重な史跡にコインを投げてはいけない!」
というのはあたり前。
中国人の「コイン投げ」もこのレベルになったら、「迷惑行為」や「マナー違反」ではすまない。
2017年10月19日のレコードチャイナにこんな記事がある。
2017年10月19日、北京青年報によると、中国安徽省の空港で18日、乗客が航空機のエンジンに向かってコインを投げ、同便のフライトが取り消されるという騒ぎがあった。
ここに書いてあるように、乗客の1人がエンジンにコインを投げ入れてしまった。
そのまま飛行機を飛ばしてしまったら、最悪、墜落する可能性がある。
結局、これが原因となって飛行機は飛ばなくなってしまう。
この客は公安(警察)に捕まった。
「また起きた!」というように、今年6月にも同じことが起きていた。
「安全祈願のため」と80歳の女性がエンジンにコインを投げ入れた。
この時は、飛行が中止されることまではならなかったけど、離陸が5時間以上遅れてしまう。
「飛行機が無事に飛びますように」という願いと「エンジンにコインを投げこむ」という行為は、現代社会では完全に矛盾している。
「ちゃんと列に並ぶ」
「みんながいるところでは走らない」
中国でも、人びとを「文明的」にさせようと取り組んでいる。
しかし、「文明いまだならず」という状態。
ちなみに、この言葉の元は孫文(1866~1925)の「革命いまだならず」という言葉。
孫文は辛亥革命(1919年)で清朝を倒し、中国の「皇帝による支配」を終わらせた英雄。
中国では、孫文よりも「孫中山」で呼ばれることが一般的だ。
この「中山」は「中山樵(きこり)」という、孫文の日本人名からつけられている。
しかし、ほとんどの中国人はこのことを知らないのだった。
中国国内で、「コインの投げ入れ撲滅キャンペーン」を積極的にやって文明化を進めてほしい。
忍野村がホームページや看板で注意をうながしても、中国人にはほとんど通じない。
日本人が日本人に対しておこなうような方法は、たぶん中国人には効かない。
中国人のことは中国にまかせることが一番。
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