1549年、日本にこの男がやって来た。
ご存じ、フランスコ・ザビエルさん。
ザビエルはスペイン(バスク)出身で、日本に初めてキリスト教を伝えた人。
ザビエルは、日本人の印象をこう書いている。
「彼等の名誉心は、特別に強烈で、彼等に取っては、名誉が凡(すべ)てである。日本人は大抵貧乏である。しかし、武士たると平民たるとを問わず、貧乏を恥辱だと思っている者は、一人もいない」
「(日本では)名誉は富よりずっと大切なものとされています 」
日本人は「名誉」というものに、とても高い価値を持っていた。
最近、サンスポにこんな記事(2017.10.26)があった。
「日本人は嘘をつかない」乾貴士の“武士道”をスペイン人記者が称賛
サッカーの試合中、乾選手がペナルティーエリア内で相手選手に倒されたように見えるシーンがあった。
外国人選手はこんな場面、反則がなくても「自分は倒された!」と審判にアピールしてPKをもらいにいくことが多いらしい。
でも乾選手は違った。
「あれはPKではない」と正直に話す。
これを聞いた監督が、「乾選手は審判や相手を欺くということを知らない」と賞賛したことをスペインのメディアが記事にで紹介していた。
このスペインのメディアは、「ウソをつかない」というのは乾選手だけでなく、日本人に広く通用することだと指摘する。
それは”武士道”によるものだと。
彼らは、日本の社会に浸透する”武士道”に、そして侍に着想を得ている。
それは勇気、礼儀、哀れみ、正義、誠実、正直と、七つの事柄に要約されるものだ
武士について語るなら、「名誉」も入れほしかった。
乾選手がウソをつかなかった理由には、名誉というものもあったと思う。
とにかく21世紀の今も、ザビエルと同じスペインの人が日本人の精神に驚いている。
でも今日(2017.11.09)の「football-zone」の記事を読むと、そうした日本人の礼儀や誠実といった美点が”欠点”にも見えてくる。
元日本代表の中村俊輔選手がインタビューで、日本人のサッカー選手と外国人のサッカー選手との違いを話している。
日本人選手が世界でたたかうには、「良い子や紳士であってはいけない」という。
中村選手はヨーロッパのクラブチームでプレーをしていたから、日本と外国の練習の違いを肌で知っている。
日本では、練習のとき、ケガをしないように「激しく行くな」と言われる。
でも、海外は違う。
ミニゲームでも、ガンガン相手に体をぶつけていく。
激しく練習をおこなうから、選手がケンカをしたり激怒して練習場から出て行ったりすることもある。
日本の練習では、そんなことはない。
日本人の選手は相手に配慮してプレーをするから、練習中にケガやケンカがないということだろう。
そんな海外でのプレー経験から、中村選手は日本人の欠点をこう指摘する。
欧州に限らないけど、海外で戦うならばガチガチやり合わないと対等にやっていけない。良い子や紳士では、海外の激しい競争を生き抜けないと思います
日本人選手は「良い子や紳士」的にプレーをする。
だから、外国人選手は「日本人はおとなしい」と言うらしい。
日本と世界との違いをよく知っている中村選手からすると、「勝負の世界だし、精神的なタフさが必要になるけど、それはまだ日本人選手に足りない」となる。
日本にいる外国人に日本人の印象をたずねると、「日本人はとてもマナーがいい」とか「礼儀正しい」とよく聞く。
外国人のサッカー選手に比べると、日本のサッカー選手のプレーも同じだと思う。
でもそれは、裏返すと「良い子や紳士では生き抜けない」という欠点にもなる。
個人的に日本のサッカー選手は、もう少しずるがしこいプレーをしてもいいと思う。
21世紀のサムライは、紳士的なプレーよりも、貪欲に勝ちにいってほしい。
10日14日のブラジル代表とベルギー代表との試合で、日本代表がどんなプレーをしてくれるのか、楽しみですね。
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