4月12日アメリカのスターバックスで、黒人への人種差別騒動が起きた。
これはアメリカの国内ニュースだけではすまなかった。
イギリスBBCをはじめ、世界中のメディアがこの出来事を伝えている。
日本でもテレビや新聞で、大きく報道していた。
店長の対応ミスから、世界的な事件に発展してしまった。
事件を知らない人のために言っておくと、米フィラデルフィアにあるスタバで、2人の黒人男性が知人と待ち合わせをしていた。
すると店長は、何も注文していなかった2人を不法侵入とみなして警察に通報する。
かけつけた警官は2人に手錠をかけて警察署に連行した。
Melissa DePinoという女性がそのときの様子をツイッターに投稿している。
@Starbucks The police were called because these men hadn’t ordered anything. They were waiting for a friend to show up, who did as they were taken out in handcuffs for doing nothing. All the other white ppl are wondering why it’s never happened to us when we do the same thing. pic.twitter.com/0U4Pzs55Ci
— Melissa DePino (@missydepino) 2018年4月12日
事態を知ったスターバックスはすぐに謝罪する。
さらにアメリカ中の店を閉めて、関係者に研修を受けさせることを決めた。
BBCの記事(2018年04月18日)から。
米国内のスターバックスの全直営店とオフィスが、5月29日の午後に閉鎖される予定。17万5000人近くのスタッフに加え、内定者もトレーニングを受ける。
店舗閉鎖による売り上げへの影響は、2000万ドル(2億1500万円)に上るとみられている。
警察に通報した店長はすでに退社している。
謝罪と再発防止の取り組みがすごく速いと思う。
しかもかなり思い切ったことをしている。
17万5000人以上を対象に研修をおこなった場合、どれほどの費用がかかるのか?
企業の不祥事への対応についてはよく分からないけど、スピーディーでドラスティック(思い切った、徹底的な)な方法が有効なんだろうと思う。
この事件では、日本でも大きな関心を呼んだ。
BBCではもっとも読まれた記事になっている。
5位も気になるんだが?
スターバックスが迅速に動いた理由のひとつに、この人種差別に対するボイコット(不買)運動の激しさがある。
下の動画では、店の外で拡声器を使って抗議されている。
こんな雰囲気で店に入る勇者はいるのだろうか?
in a place called Philly yesterday…the PEOPLE…came together for…the PEOPLE. it was powerfully and peacefully beautiful. ✊🏽👊🏽 1❤ pic.twitter.com/CUYHy37vkE
— ursula rucker (@urucker) 2018年4月16日
事件後のこの店の売り上げを知りたい。
元店長の再就職先も。
店の中でも抗議活動。
W. Kamau Bell: I know what it’s like to get kicked out for being black @CNN https://t.co/hurvJs9Ulz
— Melissa DePino (@missydepino) 2018年4月19日
事件を伝えるアメリカのテレビ。
.@hmcghee: This is a teachable moment for the country, for other corporations who are watching, as well as for nearly 180,000 employees. Is it just about diversity, or is it about the structural racism that exists in our society? #AMJoy #Starbucks pic.twitter.com/3Brgn6MuY1
— AM Joy w/Joy Reid (@amjoyshow) 2018年4月21日
ちょいと話はそれまっせ。
前に黒人のことを「ブラック」と言ったら、意識高い系の人から怒られた。
「『ブラック』は差別語だ。そんな言葉を使ってはいけない。『アフリカン・アメリカン(アフリカ系アメリカ人)』と言うべきだ」と。
でもこのテレビでは、「ブラックマン」と書いてある。
おい!あのときの意識高い系!アメリカのテレビ局にも注意しろよ。
ちなみに友人のイギリス人は、「黒人をブラックと呼んでもいい。イギリスのテレビではそう言っている」と話していた。
そもそもイギリスにいる黒人が「アフリカン」とは限らない。
で、この報道に日本のネットの反応は?
アメリカでの非難と抗議の嵐とはちがって、日本のネットでは「人種は関係ない。注文してないのに店にいたことが問題じゃないか?追い出されても仕方なくね?」という意見がすごく多かった。
このことは次回書きます。
ただこの場合、「白人が同じことをしても、店はスルーしていたはず。相手が黒人だから警察を呼んだ」と見なされて、アメリカではこれが人種差別と認識された。
スタバ側も全面的に非を認めたから、謝罪と研修の合わせ技を発表したはず。
動画を投稿した人はこう書いていた。
All the other white ppl are wondering why it’s never happened to us when we do the same thing
同じことをしても、白人の私たちにはこんなこと起こらないのに。なんで?
この騒動は別の店に飛び火した。
これとは違うスタバでも、「人種差別があった!」という報告が上がっている。
ある黒人男性が撮った下の動画もそのひとつ。
トイレから出てきた白人男性をつかまえる。
そして彼が何も買っていないけど、トイレを使ったことを確認する。
同じように、黒人の彼が何も注文しないでトイレを使おうとすると、店に断られてしまう。
店員はトイレのcode(暗証番号)を教えてくれなかった。
*トイレを使うために暗証番号が必要なことは、韓国のカフェでもある。
そこで彼が店員に抗議した。
「オレがトイレを使えなかったのは、この肌の色のためか?白人の彼は使えたじゃないか!」
トイレから出てきた白人男性はとまどっていて、顔には「巻きこまれた感」が浮かんでいる。
その様子がShaun Kingさんの動画にある。
Here we go again.
Meet Brandon Ward. He was @Starbucks – about to make a purchase – and needed to use the restroom.
They denied him the code.
He then finds a white man, Weston, who came out of the restroom.
He had not made a purchase but they gave HIM the code.
RACISM. pic.twitter.com/2UGZ20aOtF
— Shaun King (@ShaunKing) 2018年4月16日
この動画は、先ほどのイギリスBBCの記事でも紹介されている。
BBCの影響力は世界中におよぶ。
人種差別は絶対に許されないのはわかる。
でも、アメリカ人の抗議の仕方は徹底的だなあ、と思う。
この店員さんが気の毒な気もする。
そんなことを言うと、意識高い系の人に「人種差別への考え方が甘い!だからジャップはダメなんだよ!」と怒られるかもしれないけど。
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