ヒグマの恐怖!日本史上最悪の被害「三毛別羆事件」とは?

 

きのうの記事で、マムシに噛まれた不幸な外国人のことを書いた。
下の「ALT」とは、英語を教える外国人のこと。

 

「There’s been an incident with a Shizuoka ALT being bitten by one this weekend and they’ll be hospitalized for at least 2 weeks.」

少なくても2週間の入院が必要らしい。

ボクは静岡県に40年近く住んでいるけど、まわりでマムシに噛まれた人はいない。
だから、この外国人はおそろしく運が悪かった。
退院したら、即帰国するかもしれない。

でも、このとき書きたかったことは、蛇じゃなくて熊のこと。
日本に生息している生き物で、一番強くておそろしいのはやっぱり熊でしょ。

ということで今回は、「三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)」のことを書こうと思う。
クマによる被害としては日本史上最悪の事件だ。

 

こういう熊ならいい。

 

日本にいる最強にして最恐の動物は、北海道のヒグマだろう。

最近も、北海道の島牧村で「クマが出た!」ということがニュースになっていた。
でも、今回は様子がちがう。

いつもならクマが発見されると、猟友会のメンバーがたくさん集まって来るのだけど、今回はだれも来ない。
駆けつけたのは警察官だけ。
猟友会のメンバーはいるけど、そこには来なかった。
これには理由がある。

猟友会の人たちに働いてもらう場合、1人1回3万円の報償費が支払われることになっている。
でも、7月からの報償費などの合計が1156万円になってしまった。
それで、村議会が「高すぎる!無理」と支払いを拒否。
報償費の支払いが拒否されたことで、猟友会のメンバーは出動を拒否。

 

そのことが北海道文化放送のニュース(2018/9/22)にある。

1か月ぶりクマ出没 なのに猟友会がいない…理由は1156万円の”報償費” 議会で否決 北海道島牧村

村の議員の主張はこうだ。

「努力は認めるが、緊急時と普段のパトロールで、差をつけて補正予算を出してくださいということ」

猟友会メンバーはこう反論する。

「私たちがしてきたことを、夜でも日中でも議員さんたちは現場に来てみたのかなという思いはある。自分の命がかかってますんで」

こんな状況に、住民には不安しかない。

「クマ出たってパトカーは来るけど、(猟友会は)誰も来ないしょ。夜だって見回りしないしょ、もう」

 

ネットの反応を見たら、猟友会の意見を支持する人が多かった。

・議員が自腹で狩猟免許とって猟銃や弾も用意して無料でパトロールやって熊を狩れば問題ない
・議会で決まったなら仕方ないね。
・猟友会「じゃあ、お前らで勝手にしろよ」ってことだ
・ヒグマが議員宅の周りに現れるようになったら満額回答で即決されるんじゃね?
・村長「通りすがりのハンター様が現れるまで…耐えるのじゃ…村人たちよ」
・自分の命を値切られたら、そりゃ参加しないわ。
・仕留めたら、じゃなくて出動してもお金払ってるんだ。知らなかった。
・ちなみに3万円はむちゃくちゃ高い
浦河町なんて
ヒグマ駆除 1万円
ヒグマ出動 5000円

静岡県に住んでいるボクには、解決策がまったく分からない。
きのう放送していた「進撃の巨人」みたいに、ドでかい壁をつくってその中で暮らすとか?
そんないい加減なことしか思い浮かばない。

 

 

静岡にいるボクには実感がないのだけど、北海道の人たちにとって、ヒグマの恐怖は相当なものだろう。

いまから約100年前、1915年(大正4年)に北海道の苫前(とままえ)村三毛別で、村人がヒグマに襲われた。
クマによる被害としては日本史上最悪の事件で、「三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)」と呼ばれている。

この年の12月、巨大なエゾヒグマが苫前村に現れて民家に侵入し、中にいた人たちを喰い殺す。
これによって7名が死亡し、3名が重傷を負った。

 

再現された三毛別羆事件のヒグマ
手前のヘルメットから、この熊の大きさと村人の恐怖を感じとってほしい。
まるでゴジラ。

 

「これによって7名が死亡し」と文字で読んでも、その恐ろしさは伝わらない。
ウィキペディアの三毛別羆事件に、このとき家にいて、ヒグマに襲われた「マユ」という女性について書いてある。

家の床や壁に鮮血を残して、マユは姿を消した。

翌日、村人が熊の足跡をたどってマユを探す。
するとこんな光景が目の前に広がっていた。

血に染まった雪の一画があることに気付いた。その下にあったのは、黒い足袋を履き、ぶどう色の脚絆が絡まる膝下の脚と、頭蓋の一部しか残されていないマユの遺体だった。

このヒグマはマユの肉を「保存食」にするために、遺体を雪に隠そうとしたのだ。

 

人間の肉の味を覚えたヒグマは、「次」を探す。
今度は別の家で、「タケ」という女性が犠牲になった。

そのとき赤ん坊を身ごもっていたタケは、その子だけは守ろうとする。
「腹破らんでくれ!」「のど喰って殺して!」と叫ぶ。
でも、ヒグマはタケを上半身から喰い始めた。

これが直後の様子。

家に入った者の眼に飛び込んできたのは、飛沫で天井裏まで濡れるほどの血の海、そして無残に食い裂かれたタケ、春義、金蔵の遺体であった。上半身を食われたタケの腹は破られ胎児が引きずり出されていた

 

この事件が終わったのは、発生から5日後のこと。
山本兵吉という熊撃ちがこのヒグマを撃ち殺して、村人は恐怖から解放された。

ちなみに、アニメ「ゴールデンカムイ」に出てくる二瓶鉄造のモデルは、この山本兵吉と言われている。

再現された当時の開拓村の家

 

この日本史上最悪の事件、三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)を忘れてはいけない。
ということで、北海道の苫前町はこのときの事件を再現している。

くわしい情報は苫前町のホームページで確認してください。

今にもヒグマが出現しそうな雰囲気があり、訪れる人々にとってスリルを感じる隠れた人気の観光スポットとなっています。

三毛別羆事件復元地

画像は上のホームページから
これは怖すぎる。

村議会と猟友会の対立は早く終わってほしい。

 

でも、苫前町イメージキャラクター「くまだ とまお」には、三毛別羆事件の面影はない。

 

おまけ

スリランカで見た巨大トカゲ。
これにビビったのはボクだけで、住民にとってはペットのようなものだった。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。