北海道・十勝川温泉の旅館組合と観光協会がつくった「自虐ポスター」が話題になっている。
9月6日に起きた大地震のせいで、旅行を取りやめる人が続出。
約1万泊のキャンセルがあって、被害総額は1億円を超えるという。
何とかして旅行客を呼び戻したい、と観光協会などの関係者が頭をひねる。
でも、「北海道は元気です!」というキャンペーンは他でもやっているし、ぶっちゃけ元気とは言えない気分だった。
そこで開き直って”自虐路線”に走り、「ヒマ過ぎちゃって、サービス向上」なんてアピールをすることにしたという。
捨て身のPR作戦にネットの反応は?
・どんなサービスがあるのか具体例をはよ(ゲス顔)
・(ヒグマの)若い女の子が全身フルパワーでマッサージしてくれます。
・これは逆効果
仕事は真面目にやれ
・真面目にやった果てでは?
・早速十津川温泉予約した
・面白いけど効果はどうだろう?w
・ちょっと面白そうだと思った
・空いてる観光地ほどいいものはない
・ちょっと上品に仕上げられなかったんか
・ここ行ったことあるけどコスパ的には最高だった
東京とかの連中的には一番北海道らしい地域ではあると思うよ
この地震で、北海道の観光業が受けたダメージはすさまじい。
地震発生から1週間で宿泊キャンセルは50万人、被害額は100億円を超えたといわれる。
そこで立ち上がったのが北海道のシンボル(?)、まりもっこりだ。
ツイッターでこんなつぶやきをしていた。
「残念なことに、宿泊施設のキャンセルが増えております。温泉地や観光地に人がいない…飲食店にも人がいない…こうなることは予想はできてましたが、予想以上かもしれません」
でも、なげいていても始まらない。
同情するなら金をくれ。
いまこそ北海道観光のチャンス!と呼びかけていた。
「宿泊するなら今ですよ!!」
「この機会に、有名すぎて行ったことない場所、いつも混雑して避けていた場所 そういうところへ是非行ってみてください」
「北海道は美味しい物がいっぱい!!正直、ボクも食べたことない物がいっぱいw」
今年2018年は、明治誕生150周年の記念年。
つーことで、10月23日には記念式典がおこなわれた。
そこに出席した安倍首相は、明治の日本人についてこう話している。
独立を守らなければならない。当時の人々は、文字通り命懸けで、情報を集め、策を練り、そして、果敢に行動しました。内外旺盛な交流により、学びに学んで、最先端の知を貪欲なまでに求め、それにとどまらず、日本の良さや伝統をいかしたものにまで高めていきました。
インドがイギリスの植民地になってしもた。
中国もヨーロッパの半植民地状態になってしもた。
ということで、「日本の独立を守らなければならない」という思いは明治の日本人が共通して持っていたのだ。
ミスター1万円・福沢諭吉はこう言っている。
自分は何とかして禍いを避けるとしても、行く末の永い子供は可愛そうだ、一命に掛けても外国人の奴隷にはしたくない
「福翁自伝 (福沢諭吉)」
こういう日本人がいたから、いまの日本人がいる。
こんな明治の日本に、モースというアメリカの動物学者がやって来た。
モースと申す。
モースは高校の日本史でならう重要人物だから、知らなかったらここで覚えておこう。
東京大学のお雇い教授を2年務め、大学の社会的・国際的姿勢の確立に尽力した。大森貝塚を発掘し、日本の人類学、考古学の基礎をつくった。日本に初めて、ダーウィンの進化論を体系的に紹介した。
このモースの記録には、大火事に見舞われた後の日本人の「復興力」について書いてある。
焼け出された人々も必ず幸福そうにニコニコしているといった。大火事がまだ蔓延している最中に、焼けた跡に板でかこいをし、看板を出し、燃えさしを掃除している人々を見たといった。
「日本その日その日 03 (モース エドワード・シルヴェスター)」
まだ燃えているところもあるのに、看板を出して商売を始めてしまう。
たくましいぞ、明治の日本人。
また、その後に見られた日本人の思いやりについても記されている。
見聞によれば、人々は非常に思いやりが深く親切で、態々火事のあった場所へ買物に行く結果、焼け出された所で大した苦にはならぬ。
「日本その日その日 03 (モース エドワード・シルヴェスター)」
明治の日本人は国家の独立も、国内の被災者も守っていた。
周囲の思いやりがあるから、自分はたくましくなれたのだろう。
平成の日本人も続かなきゃ。
ということで、今年の秋冬は北海道旅行だっ。
こちらの記事もいかがですか?
新幹線の始まり「あじあ号」、明治(満州鉄道)から平成(JR)へ
明治の文明開化についていけません!ポストや電線を見た日本人の反応は?
コメントを残す