マジかよ!
日本、IWGPから抜けるのかよ?
IWGPとは言うまでもなく、「プロレス界における世界最強の男を決める」というアントニオ猪木の提唱によってできた「インターナショナル・レスリング・グラン・プリ(国際レスリング大賞)」って、なんの話だおい。
日本が脱退するというのは、IWC(国際捕鯨委員会)。
毎日新聞にこんな記事(2018/12/20)がある。
政府、国際捕鯨委脱退へ 商業捕鯨再開に向け
日本にはむかしからクジラを食べる食文化がある。
だから捕鯨をしているのだけど、欧米を中心にこれに反対する国も多い。
IWCには日本やノルウェーなどの捕鯨国もあれば、オーストラリアやアメリカのように「クジラをとるんじゃねえ!」と怒る国もある。
でも、どちらかが少数ということではない。
いまのIWCでは、捕鯨国・反捕鯨国ともに4分の3の多数には達していないから。
どちらも無視できない勢力があって、対立している状態だ。
商業捕鯨については、「モラトリアム(一時停止)」が30年以上続いている。
日本は条件付きで商業捕鯨の再開を提案したのだけど、反捕鯨国の反対にあって却下。
こういう状況に嫌気がさした日本は、IWGPの王座から転落してしまった。というプロレスねたはもうおしまい。
日本はついにIWC(国際捕鯨委員会)を抜けるという。
こんな決定は本当にマレ。
「日本が国際機関から脱退するのは極めて異例」と毎日新聞の記事にある。
でもこれは、いますぐにというわけではない。
来年の1月1日までに脱退をIWCに知らせれば、6月30日に脱退することになる。
本当に脱退すれば、外国からの批判はまぬがれない。
日本に勝算はあるのだろうか?
称賛が少ないだけに。
日本が国際機関から抜けるといえば、不吉な過去がある。
1933年(昭和8年)の国際連盟脱退だ。
これは中学生もならう歴史の1ページだから、ここで確認しておこう。
国際連盟脱退
1932年10月、国際連盟理事会は13:1で満州国からの日本の撤兵を勧告。国際連盟総会も1933年2月、リットン報告書に基づく対日勧告案を42:1で採択。日本は3月に連盟脱退を通告した
「日本史用語集 (山川出版)」
日本の全権・松岡洋右はこのとき、「もはや日本政府は連盟と協力する努力の限界に達した」と言って総会会場を後にした。
後にしたのはいいけど、日本はどこに向かうのか?
これは終わりの始まりだった。
このあと日本は世界から孤立し、同じくハブにされたドイツと手を組んで戦争へと進んでいく。
国連脱退は日本没落の始まりになったのだ。
「NHK 映像の世紀」のキャプチャー
でもいまは時代が違う。
国際機関は当時と比較にならないぐらいたくさんあるし、国際連合と国際捕鯨委員会はまったく違う。
国際連合の脱退はあり得ないけど、IWCなら十分ありだ。
去年、アメリカとイスラエルがユネスコ(国連教育科学文化機関)からの脱退を発表した。
くわしいことはイギリスBBCの記事(2017年10月13日)をどうぞ。
米国とイスラエル、相次ぎユネスコ脱退発表
ユネスコが特定の国に利用されていると批判して、アメリカやイスラエルは「脱ユネスコ」を宣言したのだけど、これを批判する国は多かった。
でも、一番衝撃を受けたのはユネスコ。
新しくユネスコ事務局長に選ばれたオードレ・アズレ氏は加盟国間の対立は極力避けて、団結を図らなければならないと組織の刷新に取り組んでいる。
IWCの反捕鯨国には、「何を言っても日本が抜けることはない」という甘い見方があっただろう。
さて、これで困るのは日本かIWCか?
1933年の記憶があって不安もあるけれど、すべてはこれからわかる。
国内では脱退を支持する人が圧倒的
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