きょうは2月28日だから、あしたは3月1日だ。
人類にとってあたり前のことだけど、この日を前にいま韓国では緊張が(少し)高まっている。
その理由はシンプルで、韓国が日本の統治下にあった1919年に「三・一独立運動(三・一運動)」が起こった日だから。
百科事典マイペディアの解説には、「朝鮮近代史上最大の反日独立運動」とある。
このとき民衆が「朝鮮独立万歳」を叫んだことから、「万歳事件」ともいわれる。
第1次世界大戦が終わった後、植民地だった国の間で、独立を求める気運が世界中で高まった。この独立運動もそのひとつ。
三・一独立運動は単に過去の出来事ということではなくて、その精神はいまの韓国にも引き継がれている。
そのことは韓国の憲法を見れば分かる。
悠久な歴史と伝統に輝く我々大韓国民は、3・1運動で建立された大韓民国臨時政府の法統と、不義に抗拒した4・19民主理念を継承し、
いまの韓国で3月1日は祝日だ。
三・一独立運動は「朝鮮近代史上最大の反日独立運動」ということで毎年この日が近づくと、韓国では“反日ムード”が高まる。
とくに今年2019年は100周年という記念の年だから、その雰囲気が一層高まると予想される。このところ徴用工問題や慰安婦問題などで、いま日韓関係は最低最悪の状態にあるから、なおのこと2019年の3月1日は“危険”だ。
河野外務大臣は2月15日にドイツで開かれた外相会談で、「三一独立運動100周年が日韓関係に悪影響にならないようにしてほしい」と韓国の康(カン)外交長官(外務大臣)に懸念を伝えている。
韓国に関心がある人は、この中にある「柳寛順(ユ・グァンスン)」という独立運動家をおぼえておこう。
三・一独立運動に参加したこの女性は逮捕されたあと、西大門刑務所に送られそこで亡くなったという。国ために命を失った柳寛順は韓国で「ジャンヌダルク」と呼ばれるほどの英雄になっている。
しかし、神聖視されたことで、事実から離れた報道もあるという。
2002年には当時の学友が見た実際の遺体状態や史実と経歴内容や刑務所の待遇が異なり、柳に関する主流報道に誇張が多いとの研究結果がある。
柳寛順
くり返しになるけど、いまの日韓関係はかなり悪い。
日本で行われた世論調では韓国を「信頼できない」と答えた人は77・2%、韓国で行われた調査では「日本に好感を持てない」と回答した人が69.4%に上っている。
想像してほしい。
こんな最悪の関係のなか、万が一にも韓国にいる日本人に被害が出るようなことが起きたら、日韓関係はどうなってしまうのか?
日本大使館の前で「謝罪しろー」と叫んでいるだけならまだいいけど、民間人に暴行を加えらる事件が起きたら、これはもう別次元の問題になる。
ということで最近、自民党が開いた外交関係の会議では、「韓国で日本人がデモに巻き込まれて傷つけられるようなことがあれば、悪化している日韓関係は破滅状態になる」といった不安の声が上がっていた。
そんなことが背景にあって、外務省は韓国へ行く日本人に対して注意を呼びかけるという。
朝鮮日報の記事(2019/02/27)
三・一節:「デモに近づくな」 日本政府が韓国渡航者に注意喚起へ
ちなみに2月22日の「竹島の日」にも、注意喚起を行っている。
「韓国に滞在している邦人の皆様は、外出の際、集会が行われている場所を避けて行動するなど、無用のトラブルに巻き込まれることのないようご注意願います」と言っている。
要するに、「この日は集会やデモには近づくな。いいか、絶対だぞ」ってこと。ダチョウ倶楽部とちがって、これはフリではない。
でも、これは世界の常識で、大声を上げて歩いている集団に近づいたらどこの国でも危ない。
ボクは日本にいるからいまの韓国の様子が実感として分からないけど、これさえ守っていれば3月1日は問題ないと思う。
ふつうに街を歩いて、写真を撮ったり食事をしたりすることは自由にできるはず。
ただ、柳寛順のような韓国にとっての英雄を否定するようなことを言ったら、どうなるかは分からない。
日本人にとって韓国は好き嫌いの分かれる国だ。
それで韓国の治安については、「日本と同じぐらい安全だ」とか「犯罪大国だ」とか極端な意見が出てきやすい。
参考までに、外務省が出した「2018平昌冬季オリンピック・パラリンピック安全の手引き」を見てみよう。
「好き/嫌い」といった個人の感情や主観を抜きにして、日韓の治安の違いを正確にあらわしたのがこれだ。あとは自分が判断するしかない。
自分から危険を求めなかったら、3月1日はきっと問題ない。
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