今の日韓関係:日本の天下をとったIZ*ONE、韓国を占領したユニクロ

 

昨年末から日韓関係は墜落中。

徴用工訴訟では、国際法に違反してまで日本企業に賠償を命じる。
韓国政府は慰安婦財団の解散を発表して、日韓合意を守る気ゼロを宣言した。
2018年はこれで終わると思ったら、12月20日、韓国海軍が自衛隊機に射撃用レーダーを照射する。
最悪になった日韓関係は今年2月、韓国国会議長による「天皇謝罪要求」でほぼ息の根を止められた。

ちなみにこれらは全て、「韓国発」という特徴がある。

日韓関係に比例して、両国民の印象もヒドイことになっている。
最近行われた世論調査では、韓国を「信頼できない」と答えた日本人は77・2%に上った。
くわしいことはこの記事をどうぞ。

いまの日本人は韓国をどう思う?77%以上が「信用できない国」

中央日報の記事(2019-02-26)によると、韓国では国民の69.4%が「日本に好感を持てない」と答えている。
たがいに同意できることがあるとすれば、「相手を嫌っている」ということぐらいか?

でもこれは、日韓関係の一側面でしかない。
政治的には最低最悪だけど、文化の面を見ると日韓関係はけっこう良好だ。
これからそんな一面を紹介しようと思う。

 

芸能界を見てみると、いまや韓流アイドルグループの「IZ*ONE(アイズワン)」が日本の天下をとったらしい。

中央日報にそんな記事(2019年02月19日)がある。

韓経:日本は今「IZ*ONE天下」…K-POPの歴史を書き直す

IZ*ONEの日本デビューシングルが1日で19万枚以上を売り上げた。
これはそれまでの韓国ガールズグループの売上記録、TWICEの約9万4000枚の倍以上。
アルバムの売り上げも22万枚を超え、日本デビューシングル最高記録を樹立。
一曲も知らないけど、とりあえずおめでとう。

これが「IZ*ONE天下」の具体的な中身。
「韓国ガールズグループでは」という条件付きの天下だ。
そもそも日本人アイドルが3人もいるのだから、正確には「KJ-POP」だろう。

純粋なK-POPグループでは、BTS(防弾少年団)が東京・大阪・名古屋・福岡のツアーを成功させている。

中央日報の記事(2019年02月18日)

BTS、観客38万人と日本で初めてのドーム・ツアー「忘れられない思い出」

BTSといえば、昨年「原爆Tシャツ」で日本人を怒らせたグループだ。
そんなことがあって、さらに最悪と言われる日韓関係の中にあっても、ドーム・ツアーをしたら約40万人を動員できるのだから、「最悪」といってもその程度のもの。

このへんに関係する日本人は10代・20代の女性が圧倒的に多い。
日韓の政治問題には無縁の人たちで、「過去の直視」や「謝罪要求」なんてことがなかったら、日韓はうまくいきそうな可能性を感じさせる。

 

 

韓流アイドルだけではなくて、韓国産の野菜も絶好調だ。

聯合ニュース(2019年2月18日)

日本向けの輸出は1億2600万ドルで、パプリカ、キムチなど農産物が好調だったことで前年同月比14.7%増加した。

1月の食品輸出が過去最高額 日本でキムチ販売好調=韓国

 

とくに日本では韓国のキムチが売れている。
マスコミの宣伝やデパートの販売促進イベントなどの効果で、前年同月比30.2%増という結果。
こりゃ笑いが止まらない。

 

 

では、韓国の方はどうか?

IZ*ONEが日本の天下をとったと思えば、韓国ではユニクロが市場を占領してしまった。

韓国メディア「マネートゥデイ」にそんな記事(2019-02-26)がある。
*以下の日本語は機械翻訳を修正したもの。

유니클로 입는 이유 ‘비싸지고, 욱일기 논란 싫지만…’
ユニクロ着る理由「高くなって、旭日旗論議嫌い…」

 

この記事には「ユニクロが国内のファッション市場を占領した」とある。

ZARAやH&Mというライバルがいて、 「韓国市場での日本企業という致命的なハンディキャップ」があるにもかかわらずユニクロは売れ行きを伸ばし、いまでは「国民のアイテム」と呼ばれるほどになった。
ヒートテックやフリースなどのアイテムが、年代や性別を問わず韓国人の心をとらえたことが成功の理由らしい。
さらに、流行に乗らない無難なデザインも受けたという。

でも、日本の企業ならではの苦しみもある。
「旭日旗模様のTシャツをデザインした」と韓国でたたかれたり、日韓関係が悪化するとユニクロは不買運動の標的にされたりした。
「ユニクロは戦犯企業だ」と悪口を言われながらも、韓国のファッション市場を占領できたのだから大したものだ。

 

おまけに書けば、朝鮮日報が公開したデータ(2/18)では、旅行先でも日本は韓国人に大人気。

気になるデータ:韓国人に人気の冬の海外旅行先1位は?

2018年~2019年の冬シーズンに、韓国人に人気のあった旅行先ランキングは以下のとおり。

1位:大阪
2位:タイ・バンコク
3位:福岡、東京
5位:ベトナム・ダナン

以下、札幌、フィリピン・セブ、台湾・台北、香港、沖縄の順で続く。
トップ10のうち、日本の都市が5つという人気っぷりだ。

これで日韓関係が「過去最悪」というのなら、いままでが異常に良すぎただけのこと。
何か問題が起こるたびに「日韓関係のさらなる悪化が懸念される」と聞いてきたけれど、なんだかんだ言って今でもこんなに仲が良い。
いろんなダメージをあたえられても、日韓関係のヒットポイントはなくならない。
だから政治では安心してケンカをしてほしい。

 

本当に仲の悪い隣国とはインドとパキスタンのような関係をいう。

ロイター通信の記事(2019/02/26)

パキスタンを拠点とする過激派組織がインドの治安部隊を乗せたバスを攻撃し、隊員約40人が死亡。それ以降、緊張が高まっている。

インド軍機がカシミール地方で領空侵犯、爆弾投下=パキスタン軍

こんな事態が起きても、印パ関係はまだ「過去最悪」というほどではない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。