来週の月曜日、平成に代わる新しい元号が発表される。
ということで、マーケティングリサーチ会社のアイ・エヌ・ジーが渋谷にいた女子高生に新しい元号をきいてみた。
その結果、渋谷JKによる新元号の予想ランキングトップ10がこれ。
１位 安久
２位 平和
３位 嵐・安政・大成
６位 桜華・永安・希望・朝日・和平
「平和」を中国語にすると「和平」になるのだけど、なんで女子高生は和平にしたんだろう。
嵐は「荒し」よりはマシだけど、元号は漢字２文字と決まっているからこれは無理。
さすがは渋谷の女子高生！と思ったのは、11位の「タピオカ」と「卍」だ。
３位の「安政」だと、吉田松陰らを処刑した安政の大獄を連想するからノーサンキュー。
かといって、タピオカは…。
くわしいことはデイリースポーツの記事（2019.03.26）を検索されたし。
渋谷女子高生が新元号予想 ３位に「嵐」１１位に「タピオカ」
女子高生の発想は新鮮で非常識で楽しいのだけど、この共同通信の記事（2019/3/27）はまったく笑えない。
「元号改定は違憲」と提訴
天皇が即位すると元号を変更するというのは「違憲行為」と、３人の弁護士がさし止めを求めて国を提訴した。
この３人の頭の中では、元号の改定は「国民主権を基本原理とする憲法の精神に反する」ということになっている。
もう少しくわしく書くと、こういうことだ。
訴状では、国民が個々に持っている時間の連続性の意識を破壊し、憲法13条が保障する個人の尊厳を侵害すると主張している。
つまりこの人たちは「天皇」という存在が嫌いらしい。
それをなくす、遥かな道のりの一歩として、まずは元号を廃止したいのだろう。
１億3000万もの国民がいれば、「時間の連続性の意識を破壊し、個人の尊厳を侵害する」と国を訴える人が３人ぐらいいてもおかしくないか。
日本は本当に多様性を認める国だ。
平成が終わろうとするいま、この時代を改めて振り返るイベントがよくおこなわれている。
共同通信が平成という時代についてどう思うか世論調査をおこない、その結果を記事（2019/3/27）にしている。
平成は「良い時代」7割超が評価
「良い時代」「どちらかといえば良い」が73％と、国民の多くは平成に良い印象を持っていた。
平成は戦争のない平和な時代だったことから、「多くの人が日々の暮らしに一定の充足を感じていたといえそうだ」と記事にある。
ところで、平成の由来をご存じだろうか。
これは、中国の古典「史記」にある「内平外成（内平かに外成る）」ということばと、「書経」の「地平天成（地平かに天成る）」ということばが由来で、「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味。
７割以上の国民が「良い時代」と評価しているのだら、日本国内では、平成はちゃんと平成になったのだ。
こういう国民の声をきくと、「国民は世界史の中の時間を生きている。元号は必要ない」と話す人たちが別世界の住民のような気がしてくる。
ちなみにマイナス面では、他者に「不寛容になった」と回答した人が57％、女性の地位について「ほとんど向上していない」と「まだ不十分」を合わせると86％という結果が判明。
次の時代への課題ですね。
以前、ベトナムの南部ホーチミン市で働いている日本人から変な話を聞いた。
その人はベトナムに来てから、人の顔と名前を覚えられなくなったと言う。
もちろんゼロではない。
彼の頭の中には脳みそがある。
日本にはハッキリした四季があるから、彼が日本にいたころは、出会った人と季節を無意識にセットにして覚えていた。
この人は冬に会ったからコートを着ていた、この人と会ったのは夏で半袖だった、という具合に。
でも、ベトナムは一年中夏で四季なんてものはない。
だからみんないつも同じような格好をしているし、桜や紅葉と結びつけて人を覚えることもできない。
そんなワケでその日本人は、ベトナムでは人を覚えるのが大変になってしまった。
いまの世界で元号があるのは日本だけ。
むかしは中国、ベトナム、韓国にもあったけど、すべての国で廃止してしまった。
だから新しい元号をまえに、今までの時代を振り返ることができるのも日本人だけの特権だ。
昭和の時代にはファミコンがあって、平成にはスマホゲームが登場した。
こんなふうに、時代と出来事をセットでなつかしむことができるのはこの国の住民だけ。
次の元号を予想する楽しみがあるのも日本だけ。
元号があって天皇のいる民主主義国家が日本という国なのだから、今の世代で、世界で無二の特徴をなくしてはいけない。
元号を廃止するくらいなら、漢字２文字という原則を破ってでも「タピオカ元年」でいい。
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