あした土曜日、ボクは花見に行く予定だ。
「だから?」と言われると、返すことばに困るのだけど。
でも、春の神々も祝福してくれているらしく、あしたの降水確率は、2日まえの30%から70%に跳ね上がった。
日本人だけでなく、花見を心待ちにしている外国人もたくさんいる。
外国人にとって花見は、桜のほかにも日本人を観察する機会にもなる。
たとえば明治時代、ドイツ人のベルツは花見客を見てこんな印象を持った。
(花見を見て)入り乱れて行きかうすべてが、何という静粛で整然としていることだろう。乱暴な行為もなければ、酔漢の怒鳴り声もしない — 行儀の良さが骨の髄までしみこんでいる国民だ
「逝きし日の面影 (平凡社)」
まわりに外国人がいたらきいてほしい。
平成の日本人に対しても、きっと同じ感想をもっているから。
さて、いまJリーグのジュビロ磐田でルクセンブルク代表のロドリゲス選手がプレーしている。
ちなみに、ルクセンブルク国籍のJリーグプレーヤーはこの選手がはじめて。
ポルトガルで生まれた彼はルクセンブルクへ移住し、オランダやモルドバでの生活経験もある。
そんな広い視野を持つロドリゲス選手が、サッカーメディアの「フットボールゾーン」の記事(3/29)で日本人の印象を話している。
「こんな国は見たことない」 Jリーグ外国人FWが日本人を絶賛、“驚いたこと”は?
「こんな国」ってどんな国だ?
というまえに、「ルクセンブルクってどんな国だ?」という人も多いと思うから、まずはこの国について簡単に知っておこう。
ルクセンブルクはドイツとフランスの間にある小さな国
面積:2,586平方キロメートル
人口:602,005人(2018年)
首都:ルクセンブルク
言語:ルクセンブルク語,フランス語,ドイツ語
宗教:国民の大多数はカトリック
以上の数字は、外務省の ルクセンブルク大公国基礎データ から。
日本との関係でいえば、皇室とルクセンブルク大公家との親交が深いこともあって全体的には良好だ。
こんな国から来た人の目に、日本人はどう映ったのか。
先ほどの記事から、その部分を抜き出してみよう。
日本人の礼儀正しさに驚きを隠せないようだ。1月下旬に来日し、新天地で2カ月余りが経過したなか、「人々は僕に“ありがとうございます”と何百回も言ってくれるんだ」と対応の良さに目を見張っている。
言っていることは、「行儀の良さが骨の髄までしみこんでいる国民だ」という明治のアメリカ人と同じだろう。
スタジアムでジュビロ磐田の試合を見たイギリス人は、試合に負けたにもかかわらず、ジュビロサポーターがゴミを持って静かにスタジアムをあとにしていたことに驚いていた。
イギリスのサッカーファンだったら、こんなに紳士的にはいかないらしい。
静粛で整然としていて、乱暴な行為もなければ怒鳴り声もしないというのは、いまの日本人もかわらない。
でも、ネットをみると、ロドリゲス選手のことばを素直に受け取っていない人が多い。
・その「ありがとう」には何も意味がないぞ
ただ言ってるだけ
・そろそろ財布を落して無事に交番に届けられてビックリって記事出そう
・表向きはほんとに謙虚で礼儀正しいよな
その分裏では陰湿で陰口ばっかりなのがジャポンだよ
・外国人Jリーガーて必ず日本を褒めるが、サッカーのレベルが高いとは言わないよな
・ネットで炎上が頻繁におこる国だぞ
・マウスサービスやで
話半分に聞いとかなあかん
「そろそろ財布を落して~」というのはこの記事をどうぞ。
外国人にほめられると、「でも~」と否定から入る日本人はむかしから多い。
それをふくめて「謙虚」なのかも。
でも、こういう外国人の「日本人すげー」を聞いてホルホルするだけじゃなくて、100年後の日本人も「行儀の良さが骨の髄までしみこんでいる国民だ」と言われるよう、いまの日本人が礼儀正しさを意識して行動することが大事ですね。
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