朝鮮日報に「三種の神器」というタイトルのコラムがあって、天皇について書いている。(2019/05/02)
そこには、「(天皇は)神道という国家宗教の最高の祭祀(さいし)長だ」とあるがこれは間違いだろう。
神道が日本の国教(国家宗教)というのは戦前戦中の話で、いまの日本に国家宗教なんてないのだから。
サウジアラビアにとってはイスラム教が国教なんだが、政教分離を原則とする日本にそんな宗教があわるわけない。
でもまあ、韓国人の目にはそう見えるかもしれない。
この「三種の神器」というのは、天照大神が授けたといわれる「剣・勾玉(まがたま)・鏡」のこと。
未来学者のアルビン・トフラーはこれを「暴力・富・知識と解釈したこともある」といったとコラムにあるが、これは暴力ではなくて「力」ではなかったっけ?
いまの韓国人には「日本全体が天皇を中心に回っている」と見えるというこのコラムには、日本で嫌韓が広がった原因をこう指摘する。
天皇に対する日本人の忠誠心を想像するのは難しい。日本人の嫌韓感情が触発されたのも、韓国で天皇に対する謝罪要求が出てきてからだというのが定説だ。この秩序整然としながらも、内面が複雑で不思議な国とうまくやっていくのは決して容易なことではない。
いまの日本人が天皇に対して持っている感情は敬意や好感で、「想像できないほどの忠誠心」なんて戦前の話だろう。
そして最後の部分はお互い様だ。
天皇に対する謝罪要求で、日本人の嫌韓感情が生まれたという指摘は正しい。
それは外務省ホームページ「大韓民国 最近の韓国情勢と日韓関係」を見れば一目瞭然。
それまで韓国への好感度が上がっていたのに、2012年を境に急落している。
韓国に「親しみを感じる」と「感じない」が逆転してしまった。
このときから日本では韓国への熱が冷めて、嫌韓が熱くなっていく。
これは当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が悪い。
竹島上陸を強行した李氏は天皇を「日王」と呼び、謝罪を要求した。
「痛惜の念などという単語ひとつを言いに来るのなら、訪韓の必要はない」「(日王が)『痛惜の念』などという良く分からない単語を持ってくるだけなら、来る必要はない。韓国に来たいのであれば、独立運動家を回って跪(ひざまづ)いて謝るべきだ」と謝罪を要求する発言を行った。
大阪生まれの李大統領は、日本には「謝罪や反省は求めない」と言っていたのに結局はこうなる。
日本人を「韓国嫌い」にさせた原因は竹島上陸より、天皇への無礼発言だろう。
嫌韓の発生原因を「韓国で天皇に対する謝罪要求が出てきてからだというのが定説だ」というのは全方面で正しい。
でも残念なことにそんなことが分かららず、「戦犯の主犯の息子」と呼ぶ政治家がいるから困る。
中央日報の記事(2019年02月12日)
「天皇、慰安婦に謝罪」文喜相氏の発言に日本ネットユーザー「逆鱗に触れた」
こんな騒ぎになっても忘れたころに、天皇への謝罪要求が出てくる予感しかない。
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