「アジアはひとつ」と言ったのは戦前の日本を代表するキックボクサー、那須川天心だ。
じゃなくて、思想家の岡倉天心だった。
たしかにそういう視点もあるけど、アジアをひとつにまとめることはむずかしい。
日中韓北の東アジアでさえ、ひとつにすることは「無理っ」と言うほど困難なのだから。
前回、台湾人もおどろくような韓国の反日っぷりについて書いた。
でも、それも韓国社会の一側面でしかない。
「韓国は反日一色」「韓国人はすべてが反日」ということは現実的にはなくて、実際に韓国へ旅行したら、反日というダークサイドを感じることはほとんどないはず。
ただしゼロとは言えない。
前世で何をしたのかわからないけど、反日的韓国人と出くわして、過去の歴史問題を突きつけられた日本人もいた。
だから100%大丈夫とは言えない。
それに韓国語がわかるから、「反日を聞き取ってしまった」という日本人旅行者にも会ったことがある。
まあいまの韓国は、全国紙も国民の「反日」を不安視するほどだから、日本人がそういう目で見てしまうこともわかる。
中央日報のコラム(2019年04月08日)
右傾化した日本の嫌韓も問題だが、過去の枠から抜け出せない韓国政府の反日基調は国益を脅かしている。
日本の不法植民支配は厳然たる事実であり、堂々と直視しなければいけない。
まだ日本は敵なのか=韓国
いや、日韓併合は不法じゃないから。
韓国社会には、どれだけ反日感情が根付いているのか?
2018年に開かれた平昌オリンピックでの一騒動を紹介しようと思う。
日本人選手が金メダルをとって表彰式にのぞんだとき、韓国の地上波SBSが日本の国歌「君が代」を流した。
これは世界的には常識なのだけど、「そんなものを流すな!」と韓国では批判が殺到。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
世界中の参加国をむかえるホスト国がこれだ。
だから、ダメだコリア、なんていわれてしまう。
でも、「韓国=反日」という見方はあまりに単純で正確性に欠く。
アジアはひとつだけではないように、韓国もまた反日だけではない。
韓国社会にある反日感情は否定できないけど、同時に、韓国の人たちは柔軟性も持ち合わせている。
日本に関するものであっても「好きなものは好き、良いものは良い」と認めて、日本へ旅行する韓国人はいま爆発的に増えている。
きょねんの訪日韓国人の数は過去最高を記録した。
日本については過去の歴史問題で許せない部分もあるけど、良いものは良いしすごいところはたしかにすごい。だから日本のすべてを排除するわけではない。
こんな柔軟性を政治家も持っていて、韓国政府は過去の歴史問題と経済協力を切り離して、日本にアプローチしている。
この「ツートラック戦略」が韓国政府の日本に対する基本的な外交姿勢だ。
でもその「ツートラック」とやらは、反日と経済協力を両立させるという韓国にとって都合のいい考え方だから、日本での受けはかなり悪い。
だからいまの日本政府は、韓国が求める「韓日通貨スワップ協定」を放置している。
これは自国の利益にもとづいて日本を利用する「用日」という考え方だから、「ツートラック」を主張する韓国を、冷え切った目で見る日本人は野にあふれている
韓国のツートラック戦略と日本の戦略的無視は正反対の立場だから、この2つはよく衝突する。
ということはなくて、日本はそんな韓国をスルーしているから「かみ合わない」と言った方が正確だ。
このロゴは韓国を代表する世界的企業「サムスン電子」のもの。
昔は東南アジア各国の空港で、パナソニックやソニーの看板を見たのだけど、いまではすっかりそれがサムソンやLGなどの韓国企業に取って代わられている。
勢いのある韓国企業を見ると「陽はまた昇るのだろうか」と、沈みゆく夕日が日本企業と重なってしまう。
ネガティブなことはこのぐらいにして、このサムソン電子もまた、日本をライバル視しているけど、いいものは良いと認めるし、必要であれば積極的に取り入れる。
日本製品に対する世界の評価が高かったころ、サムソンはアメリカやヨーロッパで忍者・相撲の横綱・富士山(に見せかけた山)を宣伝で使っていた。
日本側ではこの理由を、「日本製品に見せかけるため」とする見方がほとんどだ。
というのは当時は、韓国製を売りにすると不利になる時代だったから。
中央日報の記事(2006.01.31)
韓国製品の品質が良いとの回答は12%にとどまった。「まあまあ」、「悪い」はそれぞれ36%、55%。中国製品への評価もそれほど変わらなかった。(中略)半面、日本製品については「良い」50%、「まあまあ」32%、「悪い」18%だった。
先進国消費者の88%「韓国産の品質劣る」
このときサムソンがしたことはいまでも日本人の反感を買っている。
経験的にわかるけど、日本人が嫌うのは韓国の反日より「用日」という発想だ。
韓国人が日本を嫌うことより、嫌いな日本を利用するという考え方に抵抗を感じる人は本当に多い。
でもそれは当然。
五輪ホスト国なのに君が代を流すと怒るけど、国を代表する企業が自社製品を宣伝するときには日本のアイコンを積極的に利用する。
こういう韓国の柔軟性や積極性を日本人は「厚顔無恥」と呼ぶ。
そしてこれは日本人の価値観とは合わない。
事実を「堂々と直視しなければいけない」というのはどっちなのか。
そういえば最近、明治大学の教授が「MEIJI.net(2019/6/14)」で、韓国人と日本人についてこんなことを言っていた。
日本に対する複雑な感情、意識の両面性があるのです。
それに対して、島国育ちの日本人は、いわゆるムラ意識が強く、一面的な見方に偏りがちです。「日韓併合」に口をつぐむ日本人でいたくはないvol.4
反日と用日の両面性なんていらない。
それを否定する一面性ならけっこうなことだ。
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