「日本は不買運動を直視せよ」の結果、韓国の航空会社が大打撃

先月、日本政府が対韓輸出の管理強化を発表すると、韓国では反日の嵐が巻き起こって、日本製品の不買運動が広がった。
すぐに、国民の半数以上が参加する全国的イベントに発展。

知らないうちに日本製品を使うことがないよう、身近にある日本製品とそれに代わる韓国商品を教える反日情報サイト「ノーノ―ジャパン」を開設したところ、閲覧が殺到してアクセス障害がおきた。

日本旅行に行かせない動きも活発だ。
韓国最大の日本旅行ネットサークル「ネイルドン」（会員数133万人以上）は、７月17日から活動を中止。
スーパーやコンビニでは日本のビールやタバコなどが撤去された。

こうしたジャパン・ボイコットについて韓国人はどう見ているかというと、「感情的で行き過ぎた行為だ」とまゆをひそめる人は少数で、これを日本政府への「抵抗運動」として賞賛する人が圧倒的だ。

たとえばハンギョレ新聞は下の社説で、「輸出規制という稚拙な対応をした」安倍政権は、大規模な不買運動から「韓国人の“真の民心”を重く受け止めなければならない」と書いている。（2019-07-20）

安倍政府は「日本製品不買運動」の拡散の意味を直視せよ

韓国人の“真の民心”のひとつがこれ。

いま韓国のSNSでこんなものが爆発的にシェアされている。
でもこれは「安倍政府の不当な経済報復に対する市民の怒り」であって、「稚拙な対応」にはならないのがあちらの価値観。

「韓国人の“真の民心”を重く受け止めなければならない」と言われた日本のほうでは、日本製品の不買運動をどう受け止めたのか？
安倍首相の側近である甘利明元経産相の場合は、日本への影響は「ない」と断じたうえで、「必ず韓国企業に跳ね返る。静観していればいいい」と力を込めて言う。
ちなみに日本政府が８月２日に韓国を「ホワイト国」から除外する方針については、100％そうなると強調した。
ジャパン・ボイコットはこの動きを後押している。

甘利議員は「必ず韓国企業に跳ね返る」と予言のように言ったけど、すでにそれは具体的に表れていた。
朝鮮日報の記事（2019/08/01）

大韓航空も日本路線縮小へ　使用機材変更で座席減

韓国最大の日本旅行情報サイトが閉鎖（おそらく一時的）されたように、韓国では社会全体で国民を日本に行かせないような圧力をかけている。
SNSに日本旅行の写真を投稿すると、「帰ってくるな」「売国」といったコメントが寄せられる状況だ。
日本旅行をした韓国人を探して見つけ、ネットでさらす人もいる。

当然、訪日韓国人は激減。
その影響は韓国の航空会社を直撃。

大韓航空はすでに先月29日に釜山―札幌線の運休を決めた。
さらに今月からは、仁川と札幌、大阪、福岡、名古屋の各路線で座席数の少ない機体へ変更するという。
アシアナ航空も日本と韓国を結ぶ路線で座席数の調整をせざるを得なくなっている。

大韓・アシアナの大手２社でさえ苦戦しているのだ。
体力のないティーウェイ航空やエアプサン、イースター航空などLCC（格安航空会社）はボイコットジャパンは息も絶え絶え。

中央日報の記事によると、こうしたLCCの場合は座席調整だけでは対応できない。（2019年07月30日）

ティーウェイ航空は今月２４日から務安（ムアン）－大分路線の運航を全面的に中断した。８～９月には▼釜山－佐賀▼務安－北九州▼大邱（テグ）－熊本▼釜山－大分路線の運航も中断する予定だ。
エアプサンは９月から大邱－成田路線を、イースター航空は釜山－札幌、釜山－大阪路線運航を中断する計画だ。

日本製品不買運動の余波…韓国航空会社、日本路線を相次いで縮小

韓国の航空会社としては路線の運航中断というのは大きなダメージだろうけど、「韓国人の“真の民心”を重く受け止めなければならない」と言うのだから仕方ない。
韓国から日本へ向かう旅客船でも運航中断が出ている。
でもこれも、“真の民心”の結果だからどうしようもない。

日本は静観していればいいのだ。
「共倒れ」が続けば、そのうち韓国内部から自省や自制をもとめる声が上がってくるだろう。
といっても、８月２日に日本が韓国を輸出で優遇する「ホワイト国」から除外したら、ジャパン・ボイコットは長引きそうだけど。