ちょっと前にインターネット上で「謝ったら死ぬ病」という言葉が流行った。
例えば街を歩いていて、後ろから「ドンっ」とぶつかったにもかかわらず、その人間は何も言わずに歩き去ってしまう。
「360度どこから見てもおまえが悪い」、「全員一致でおまえが悪い」という場面でも、プライドやメンツのために「ごめんなさい」や「すみません」が言えない。
何を言われてもへ理屈で返したり、都合のいい解釈をすることによって、絶対に頭を下げることを拒否する。
そんなふうに自分に非があっても、絶対に謝罪しようとしない人や組織をインターネット上で「謝ったら死ぬ病(病気)」とやゆされていた。
「はてなキーワード」にその項目がある。
2010年代の日本で思想信条問わず猛威を振るった流行病として知られる。
さていま、韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すると発表して日米韓の間で大騒ぎになっている。
どうやらこの理由のひとつにも、この“病”があったようだ。
韓国政府がGSOMIA破棄を宣告した日、与党「共に民主党」の報道官は「安倍政権が経済報復を撤回し、韓国を尊重する姿勢で対話と協力の場に戻ることを期待する」と言った。
そうか、期待しているのか。
だが日本は断る。
それは無理な相談だから。
日本は文政権に対して、「国際法に違反しないでほしい」「日本との約束を守ってほしい」と求め続けてきた。
法や約束を守らない相手と対話やしても意味がない。協力を約束しても、2,3年後にひっくり返されてしまうかもしれない。
大事なことは、まずは韓国側がうしなった信頼を回復すること。
だから「対話と協力の場に戻ることを期待する」と言われても、「おまえがな」としか言えない。
話し合いの前提となる信頼関係の構築が先決なのだ。
でも韓国は日本に対しては、謝罪はおろか自らの非を認めない。
とくに文政権は絶望的と言っていいほどかたくなだ。
「安倍政権が経済報復を撤回し、韓国を尊重する姿勢で~」と日本に言った理由が日本経済新聞の記事にある。(2019/8/23)
韓国メディアは「文政権が日本にひざまずく姿は見せられない」とする党幹部の発言を報じた。
日韓軍事協定破棄、割れる韓国世論
国際法や国家間の合意を守ることは、韓国の解釈では、日本にひざまずくことになってしまう。
そんな姿だけは国民に見せられない。
これだけはないけど、これも大きな理由となって文政権はGSOMIA破棄を決めた。
日本の対応について韓国政府は、「我々の国家的な自尊心まで傷つけるほど無視を続け、外交的な礼儀を欠いた」と怒る。
だからといって、これは愚行。
韓国の野党「自由韓国党」は、「文政権は安保の基礎を再び学ばなければならないアマチュアであることを世界に宣言した」と声明をだす。
また韓国の全国紙・中央日報は「日韓関係が最悪の奈落に落ちるのは火を見るより明らか」と頭をかかえる。
「こうしたら自分がヤバくなる」と分かっていても、そうせざるを得ない。
震えながら拳を握る文政権の韓国を見ていると、どうしても先ほどの病名が頭に浮かぶ。
文政権は国民の反日感情を味方にして、中央突破をはかるつもりだ。
日本経済新聞は以前の記事でもそれを批判していた。(2019/8/22)
文政権、米国の説得聞かず 総選挙へ反日世論あおる
同盟国の期待を無視して、一方的に期待するな。
中央日報の記事も文政権の決断の背景に、国民の強い感情があったと指摘する。(2019年08月24日)
国民感情=国内で反日世論が高まった状況でGSOMIA終了決定に支持層が結集する可能性も考慮されたとみられる。
青瓦台がGSOMIA終了を決めた4つの理由
韓国大統領府(青瓦台)は国民の意思を知るために、何度も世論調査をおこなってきた。
その結果、GSOMIA破棄に賛成する意見のほうが多かった。
でもそれは当たり前だ。
こんな扇情的な言葉で、国民の反日感情をあおりにあおったのは文大統領なのだから。
「我々は二度と日本に負けない。今日の韓国は、過去の韓国ではない」
「(日本の)挑戦に屈服すれば、歴史は再び繰り返される。我々は十分、日本に打ち勝つことができる」
来年の選挙に向けていま文政権は必死だ。
読売新聞の記事(2019/08/03)
国家的な危機を盛んにアピールする姿からは、対日強硬姿勢をとることで求心力を向上させようとの狙いがうかがえる。
求心力向上狙う文大統領「二度と日本に負けない」
日本は韓国に「国際法と日本との約束を守ってほしい」と求めてきた。
でもそれが文政権には「日本の挑戦」に映り、「屈服すれば、歴史は再び繰り返される。我々は十分、日本に打ち勝つことができる」、「文政権が日本にひざまずく姿は見せられない」となってしまう。
その不退転の決意はまるで聖帝サウザー。
「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」の結果は滅亡だったけど。
文大統領はことし1月の演説でも、徴用工訴訟で韓国を批判する日本に向かって「日本政府がもう少し謙虚な態度を示すべきだ」と言った。
慰安婦問題の解決には「天皇の謝罪が必要」と言って日本を激怒させた韓国のムン・ヒサン国会議長は、「謝罪する側が謝罪せず、私に謝罪しろとは何事か。盗っ人たけだけしい」とまさかの逆ギレ。
日本に謝罪したら、韓国の政治家は死んでしまうのか。
ちなみに日本が韓国を「ホワイト国」から除外したことについて、文大統領も「盗っ人猛々しい」とののしった。
もう十分だろう。
いま日本と韓国が話をしても違いがわかるだけ。
韓国は違いのわかる国なのだ。
文政権の韓国は日本に対して、誤っても過っても絶対に謝らない。
約束や法を守ることは屈服でも謝罪でもないのだけど、文政権には無理。
「謝ったら死ぬ病」にかかったようなもの。
だからといって、日本も韓国に絶対にゆずってはいけない。
でも韓国側が信頼回復のために具体的な努力をしめしたら、日本も対話に応じるべき。
「ゆずったら死ぬ病」にかかったわけではないのだから。
こちらの記事もどうぞ。
>日本に謝罪したら、韓国の政治家は死んでしまうのか
政治的、社会的には死んでしまいますね(笑)
そして国際法や国家間協定は破っても死なないから韓国の政治家はそっちを選ぶ。
>でも韓国側が信頼回復のために具体的な努力をしめしたら、日本も対話に応じるべき。
それは当然そうなのですが。ただし、日本が、そのように待機していられる締切は半永久的ではないと思いますよ。なぜなら、2国間問題と言えども、国際情勢という環境条件によって結果が左右されるのを避けられないからです。もしかすると、そのうちに、「やむを得ず日本が韓国を切り捨てねばならない」時がやって来るかもしれない。
そうならない前に解決することを願います。