「最悪」という表現がもはや枕詞になった現在の日韓関係。
でも現象や結果にはそれなりの原因があるから、それを探る日本人はたくさんいる。
日本と韓国がうまくいかない最大の原因は歴史問題だ。
関係良好のシンボルとして、韓流にはまっている日本人たちがよく取り上げられる。
でも、そういう人たちはBTSや食べ物、化粧なんかには興味があるけど、慰安婦問題や徴用工問題なんてほとんど知らない。
以前、そんなブログ読者の女子高生とメッセージのやり取りをしたときに、そのことを痛感した。
日韓の歴史問題についてはまわりの女子高生も、「自分と関係ないところで大人がバトルしている」という認識で眼中にない。
「真の反省」や「心からの謝罪」と無縁のところでは、日本と韓国はわりとうまくいっているのだ。
いまの関係が最悪という見方は韓国側も同じで、その原因や対策を考える動きは向こうにもある。むしろ韓国のほうが熱心だ。
でも韓国は歴史問題を重視していて、これを無視しての関係改善はありえないという雰囲気。
つい先日も中央日報のコラム(2019年09月06日)で元駐日大使のシン・ガクス氏が、日本に対しては絶対にゆずれない原則があると主張していた。
韓日の過去の問題は原則を守るものの国益を考慮して解決すべき
このコラムを読むと、日韓関係が悪化している原因や改善しない理由もよくわかる。
「日本=加害者、韓国=被害者」という設定でしか、韓日関係を見ようとしないのだから。
相手を自分と対等には見ない。
そんな一方的な枠組みを強いるから関係は悪くなるのに、「原則を守るもの」と自分で自分を縛って悪状況を固定化してしまう。
上のコラムを書いたのは元駐日大使だから、韓日の事情に精通しているはずだ。
この人の言う原則をいくつか見てみよう。
こんな相手と友だちになりたいと思うだろうか?
「過去の問題の解決は被害者と加害者である韓国・日本の協力で実現しなければいけない。加害者の真の反省・謝罪が被害者の寛容と結びついてこそ持続性のある解決をもたらす。」
「過去の問題において我々の道徳的優位を堅持しなければいけない。(中略)日本に正しい歴史認識と歴史教育を要求することが重要だ。」
「不幸だった過去が繰り返さないよう加害者に正しい歴史認識を抱かせることに重点を置かなければいかない。」
被害者である韓国は日本に対して、道徳的優位を持ち続けなればならない。
具体的には、日本に真の反省・謝罪をさせて、正しい歴史認識を持たせるということ。
こちらを「道徳的に劣っている」と見る相手と友だちになりたい人間は、特殊な事情のある人かただのマゾ。
上下関係を「守らなければならない原則」と主張する相手と対等な関係を築けるはずがない。
日本は不幸な過去を直視したから、1965年に日韓請求権協定を結んで、韓国側にばく大な経済協力金をわたしたのだ。韓国はこれを受け入れて国交を正常化させたのだから、「加害者と被害者の関係」と呼べるのはこの前まで。
韓国と同じように日本の統治をうけた台湾は、対等な関係を求めているからうまくいく。
でも、韓国社会ではそんな「原則」が常識だ。
日本政府が8月2日に、輸出管理上の「ホワイト国リスト」から韓国を除外すると、韓国のムン大統領は「とても無謀な決定であり、深い遺憾を表明する」と言った。
でも、まあこれは分かる。
例え原因が自分にあるとしても、韓国側としては確かにこれは遺憾な事態だ。
でも、「人類の普遍的な価値と国際法の大原則に違反する」というのは飛躍がはなはだしくて、理解も共感も無理。
徴用工訴訟問題で、いま現在進行形で国際法に違反しているのはどこの韓国なのか。
国家間の約束を守るのが人類普遍の価値で、いまの韓国に欠けているのがまさにそれ。
日本に対して、「我々の道徳的優位を堅持しなければいけない」という原則を大統領もきっちり守っている。
韓日は「加害者と被害者の関係」という原則も。
朝日新聞の記事(2019年8月2日)
「加害者である日本が、盗っ人たけだけしく、むしろ大きな声で騒ぐ状況は絶対に座視しない」と強い言葉で非難した。
文大統領「日本、盗っ人猛々しい」 ホワイト国除外で
韓国との合意や国際法を完璧に守っている日本を「泥棒」呼ばわりして、逆説教をおこなう。
この前提には、「日本に正しい歴史認識と歴史教育を要求することが重要だ」「加害者に正しい歴史認識を抱かせることに重点を置かなければいかない」といった、上から下への意識がある。
日本を悪・間違い、自分たちを絶対正義と思いこんでいるから、「日本、盗っ人猛々しい」なんて言葉が大統領の口から飛び出して、社会もそれを自然に受け入れる。
日韓関係が悪化した原因は明らかだ。
相手との優劣や上下関係を当然のように見ていて、それを前提にした関係を要求する。
すでに解決した問題を持ち出し、日本を「加害者」と呼んで自分の正義を押しつける。
韓国は70年以上前の歴史を持ち出すけど、それから現在までの日本が行ってきた協力についてはきれいに無視。
日韓関係の悪化は韓国側の身勝手な態度が大きな原因となっている。
慰安婦合意や請求権協定を破って日本から非難されると、「道徳的優位」を失いたくない韓国は一方的な態度にますます固執する。
関係悪化の原因をより強固にするのだから、日韓関係は悪化するしかない。
これで改善されたらミラクルだ。
「戦後最悪」といわれる日韓関係も「当たり前」になったら、誰もその原因を探らなくなる。
でも、「我々の道徳的優位」だけは守りたい韓国に対日認識を変える気配はない。
この最悪はっきっと長引く。
こちらの記事もどうぞ。
私はもともと、韓国が嫌いではありませんでした
息子も、日韓台なんたら交流で両国行って友人作ってきてます
でも上からの物言いは受け入れられない、そんなん上司だけでいいです
やっぱり小中華思想と儒教、両班の亡霊がまんま生きてるのでは…
ん〜と、戦争で韓国は自らの力で日本を打倒できなかったし、今後その機会もとりあえず無いんでしたよね
同様に、中世的妄信思想から、民衆の力で脱却する機会も永遠に来ないのではないかな
日韓関係にこだわるメディアや左翼は、世界の隣国同士は日韓関係が子供の喧嘩と思うくらい、仲が悪いことに興味がありません。
例えば、インド・パキスタン、イスラエル・中東は武力衝突まで起こり、日韓は流石に武力衝突はないと思います。これに関しては日中関係も同様です。
日中韓はネットのいがみ合いなら勝手にしろとしか言えませんが、武力衝突は無関係の人も狙われるので迷惑極まりないです。
若者を中心とした日中韓文化交流イベントを開催した方が良いと思います。ゲストに中川家・礼二を呼び中国語・韓国語モノマネを披露して欲しいです。
子どもの交流なら、キムチつくりとか折り紙製作とかの楽しい体験で終わると思います。
政治的イデオロギー抜きの交流はまったく問題ないですし、外国人との交流はいい経験ですよ。
「道徳的優位」という変な上下関係にこだわるから面倒くさくなります。
台湾人からそんな言葉を聞いたことがありません。
インドーパキスタンの関係からいまの日韓を見たら、「これで戦後最悪?」と驚くかもしれません。
私がパキスタンに行ったとき、カシミールのあるインダス川上流からインド人かパキスタン人の死体が流れてくるという話を聞きました。
いま日韓関係が悪くなったと言っても、武力衝突とそれにともなう犠牲者は出ていません。
政治色を一切抜いた交流イベントはやったほうがいいですね。
ただ自治体のイベントでは、韓国側から中止を申し入れている状況ですけど。
息子は大学交流なので、キムチや折り紙はしないで、ただただ仲良く拙い英会話を楽しんできたようです
普通、は私の嫌いな単語ですが、韓国台湾の学生に対する息子の感想は、普通、でした
普通に仲良くなって、その後に相互訪問
北朝鮮を除けば、案外、東アジアは平和なのかもしれません
大学生ならキムチ・折り紙以上の体験をしますね。
政治を持ち出さない交流ならきっと楽しく過ごせます。
私が旅先で会った韓国人はそうでした。
韓国の歴史や文化を通じて日本の理解を深めることもできますし、交流自体はいいことですよ。