日本人は韓国をどう思う?親しみと日韓関係は過去最低

 

2年まえ、韓国紙からこう評価された日本人がいる。

「彼はかつて日本の代表的な知韓派外交官に挙げられた」
「日本人全員が罵っても最後までこの国をかばう人物」

その人は韓国人にとってもっとも好ましく、頼りにできる人物だった。
でも韓国に関する本を出版したところ、その内容が韓国人の国民感情を刺激するものだったため、「こういう言葉が色あせるように武藤氏は韓国と韓国人に泥を塗った」と猛批判されてしまう。

その日本人とは元駐韓日本大使の武藤正敏(むとう まさとし)氏。

完璧な韓国語を話し、日本の顔として日韓の関係改善に努力してきた人物だけど、『韓国人に生まれなくてよかった』という本を出版して韓国人を激怒させた。
*何かのインタビューで、ご本人もこのタイトルは過激すぎたと後悔めいたことを言っていた。

韓国側が反発するのは分かるとしても、その一事を拡大解釈して、自分を被害者にして日本全体を非難するのはフェアじゃない。

中央日報のコラム(2017.06.06)

日本の知性に問いたい。誰よりも韓国をかばうべき元大使が背後から刃物で刺す行動をはばからなければ、どのように日本人を信じて事を進めることができるのかと。

ある知韓派日本外交官の背信

 

武藤正敏氏のいった言葉をネットで調べてほしい。
本気で日韓関係を良くしようとがんばってきたけど、韓国の反日的言動によってその努力を無駄にされている。
そんな自身の経験をふり返り、「今まで通りでは日韓関係は良くならない。ルールを変えて韓国の反日はもうやめてもらわないといけない」と主張する。
『韓国人に生まれなくてよかった』の中でも、敵視しているのは韓国ではなくて反日だった。
韓国が反日を手放さない限り、日韓関係は前に進まない。
でもそれを厳しく指摘したら、「裏切者」の烙印を押されてしまった気の毒な人。

 

でもこのとき韓国は、「日本人全員が罵っても最後までこの国をかばう人物」と思っていた人物が”裏切った”理由について真剣に受け止めるべきだった。
いまもそうだけど、韓国側は反日を批判する日本人には「嫌韓」のレッテルをはって攻撃するだけ。
このときすこしでも反省して行動を改めていれば、きっとこんなことにはならなかった。

NHKニュース(2019年12月20日)

内閣府の世論調査で、韓国に「親しみを感じる」と答えた人は26.7%で、これまでで最も低くなりました。

世論調査 韓国に「親しみ感じる」過去最低

 

このほど内閣府が 外交に関する世論調査 を発表した。
それによると「日韓関係を良好だと思わない」と答えた人は87.9%と過去最低。
去年の調査から22.2%も上がっている。
日韓関係については「良好だ」という回答はわずか7.5%だった。
去年に比べて、30.4%と驚異的に下がっている。

そして韓国について「親しみを感じる」というは26.7%とこれも過去最低。(去年から12.4%減)
一方で、「親しみを感じない」と答えた人は71.5%とこれまでの調査で最も高かった。

韓国に親しみを感じる人の割合は女性に多く、親しみを感じない人は男性に多かった。
また、親しみを感じる人は18~29歳の若者、感じない人は70歳以上のお年寄りでそれぞれ高くなっている。
いまの日本では、韓国に対する見方は若い女性と高齢の男性で正反対の状態だ。

韓国への印象は全体的にいえば「最低最悪」の一言に尽きる。
日韓関係や韓国に対して日本人がもつイメージはいま過去最低で、しかもここ一年間での減少幅がそれぞれとても大きい。

韓国は2年まえ、「日本の知性に問いたい。どのように日本人を信じて事を進めることができるのか」と舞台俳優のようなことを言っていた。
でもこのときムン政権は慰安婦合意を否定して、破棄する方向で動いていたのだ。
武藤氏が批判していたのも、まさにこの約束破り。
結局、韓国はきょねん日韓請求権協定をひっくり返し、ことしは慰安婦合意を実質的に破棄してしまった。
日本人にとってこれが背信行為で、「どのように韓国人を信じて事を進めることができるのか」という韓国不信がすっかり定着してしい、もうすぐ定義になりそう。
今回の調査結果もそれを裏付けている。

気にくわない言動には「背後から刃物で刺す行動」と非難するのではなく、いまからでも武藤氏の言葉に耳を傾けたほうがいい。

「今まで通りでは日韓関係は良くならない。ルールを変えて韓国の反日はもうやめてもらわないといけない」

「日本人全員が罵っても最後までこの国をかばう人物」にこう言わせたのは韓国だ。
それと過度な被害者意識もいい加減やめてもらわないといけない。
でないと来年、また過去最低を記録してしまう。

 

 

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近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

6 件のコメント

  • 韓国人も、本当に、もうそろそろ自分たちのやっていることがいかに愚かであるか気づいて、改めた方がいいと思いますよ。
    というのも、日本側の韓国に対する印象が現状では「過去最低」かもしれないですが、その先がさらにあるからです。戦前の昭和前半の日本人が朝鮮人に抱いていた印象がそれです。今のような行動を韓国人が続けていると、やがて日本人が韓国・朝鮮人を見る目は、戦前の「あいつらチョーセンだから」というところへ戻ってしまうことは間違いない。私が子供の頃に聞いた祖父・祖母の考え方と同じですね。その考えに昔は随分と違和感があったが、今では残念ながら、なぜそのように言われていたのか分かるような気が少ししますよ。
    今後の日本人が、特定の他国に対してその様な蔑視感情を持つようにはなってほしくないものです。でもそれも全ては韓国人たちが自分自身で決めること。日本人は、理由もなく他国人を憎んだり蔑視したりはしません。
    特に、他国の考え方を知ろうともしない若い女性、日韓両方とも。

  • まあ無理でしょうね。 反日はロマンスだもん。 歴史の反省はしない。というか全部日本が悪いのでする必要もないと思っている国だもん。
    レコードチャイナ読んでるとあれだけ反日してたのに今は日本は大事な顧客先とみているようです。
    同じ顧客先でも何かの記事でkokonさんが中国人ガイドが韓国のことを「生意気ですよね」って言っていたと書いていましたがそういう感じがたまに記事に見え隠れしています。
    韓国反日なんてしてる場合じゃないのに周りが全然見えてないんでしょうか? ┐(´д`)┌ヤレヤレ

  • いま日本は周辺とうまくやっています。
    国交のない北朝鮮は別として、台湾・中国・フィリピン・ベトナムなどとはすごく関係がいいです。
    韓国だけと悪化しているということは、韓国側に大きな原因があるということ。
    パククネ政権はまだよかったのですが、ムン政権になってからはまるでダメですね。
    約束と法を守らないというのは致命的でした。

    韓国人の友人がいて土曜日まで出張で日本にいたのですが、やっぱり日本での居心地はあまり良くなかったようです。
    もちろん日本人は仕事相手に政治対立をもちこんで非難することはないですけど。
    日韓の間にいる韓国人がいまつらいと思います。
    ムン政権を内側からかえて変えるためにも日本はここでゆずってはダメでしょうね。

  • いやいやいや。無理ということは、ありますねきっと。
    でも反日が行き過ぎて韓国国内からそれを激しく批判する動きもでていきました。
    「反日種族主義」という本がそれで、読売新聞やNHKが紹介していたが個人的には意外な気がしました。
    韓国は反日をやめるか日本との関係をあきらめるか、どちらかを選択しないとダメな方向へ行っていると思います。

    中国人の韓国観については、またそのうち記事で書きますが、ハッキリ言って「対等」と見ている人は少ないと思いますよ。歴史的に影響を受けすぎていて、建物を見ると新鮮味がないみたいです。
    ソウルの景福宮と北京の紫禁城を比較すると違いは明らか。
    日本が中国と仲良くすると、日韓関係も自然といい方向にいくと思います。

  • > 日本が中国と仲良くすると、日韓関係も自然といい方向にいくと思います。

    へぇ、そのような考えは私は初めて目にしました。なるほどなぁ。
    確かに、自分だけ仲間外れを恐れた韓国側が折れて日韓関係がいい方向へ動く可能性もありますけど・・・。
    下手すると韓国が拗ねてしまって、余計に日本・米国に対し反発するようになるのでは?

    でも考え方としては一考に値すると思います。新鮮でした。

  • 保守派の朝鮮日報や中央日報を見ていると、ときどきこういう論調の記事がでます。
    韓国が恐れるのは国際的孤立で、とくに日米・日中の仲がいいとあせりますね。
    米中との関係が深まれば、経済的・外交的に韓国の重要性は減りますから。
    韓国が拗ねてしまう可能性はありますが、そのときは国益を考えて保守派がうまくコントロールしていくでしょう。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。