今回の内容
・イギリスでみかんが「Satsuma(さつま)」と呼ばれるワケ
・黒豚について
・黒豚の歴史
・イギリスでみかんが「Satsuma(さつま)」と呼ばれるワケ
まずは、前回までのおさらいをサラリとさせてほしい。
「イギリスではミカンのことを『Satsuma(さつま)』って呼んでいるんだぜ」
イギリス人の友人がそんなことを言う。
「さつま」は昔の鹿児島(薩摩藩)のこと。
なんでイギリスでは、ミカンを「サツマ(薩摩)と呼ぶのか?
不思議に思って調べてみると、ロンドンで暮らしている日本人のこんなブログを見つけた。
幕末期に薩英同盟が結ばれた折に友好の証として薩摩藩から英国に苗が贈られた事に由来するんだそうです。
反対に英国から薩摩藩に贈られたのがバークシャー種の豚で、
これと在来種を掛け合わせたりして改良されたのが現在の黒豚なんだって~。
現在のイギリスで、ミカンを「Satsuma(さつま)」と呼ばれている背景には、幕末の薩摩藩とイギリスの友好関係があった。
1866年には薩摩藩主の茂久がイギリス公使ハリー・パークスの一行を歓待したという記録がある。
そして薩摩藩がミカンの苗をイギリスにプレゼントしたことが「Satsuma」の始まりだという
以上のような歴史があって、今のイギリスで「Satsuma(さつま)」と言えばミカンをさすようになったのだろう。
以上のことをまとめればこんな感じ。
横浜でイギリス人が切り殺される生麦事件が起こる。
それがきっかけで薩英戦争が始まった。
でもこの戦争のおかげで、薩摩藩とイギリスが仲良くなる。
そして友好の証にミカンの苗をイギリスに贈る。
そこからイギリスでは、ミカンを「Satsuma(さつま)」と呼ぶようになった。
現在ではロンドンのスーパーで「Satsuma」というミカンが売られている。
・黒豚について
現在のイギリスで「サツマ」といえばミカンのことをさす。
では今の日本で「サツマ」といえば何のことか?
これは黒豚を意味する。
ということで、これからみんな大好き黒豚について書いていきたい。
先ほどのブログにこんな文があった。
反対に英国から薩摩藩に贈られたのがバークシャー種の豚で、
これと在来種を掛け合わせたりして改良されたのが現在の黒豚なんだって~。
薩摩藩からイギリスにミカンの苗が贈られて、そのお礼にイギリスが薩摩藩にバークシャー種の豚が贈られた。
そしてそのことによって、鹿児島の黒豚が誕生した。
話としては面白い。
けど、どこまで事実かはちょっと分からない。
・黒豚の歴史
「薩摩と豚」の関係は昔から深かった。
戦国時代、薩摩の国では豚肉を「歩く野菜」と呼んでよく食べられていたという。
なんで歩く「野菜」なのか分からない。
どう見ても「肉のかたまり」なのだが。
ただ薩摩藩が戦国時代の日本のなかで、異色(異食?)の藩だったことは間違いない。
戦国時代において九州統一をほぼ成し遂げた島津氏の底知れぬ強さは織田信長よりも先に鉄砲の実用化を行った事と、豚を生きたまま兵糧として戦場に運んでいた事であり、当時の戦国武将では珍しい肉食集団だった。
(ウィキペディア)
この薩摩の豚にイギリスのバークシャー種の豚をあわせて、品種改良した豚が「黒豚」になる。
肉質が優れているとされるバークシャー種と交配することで、黒豚のよいところを引き出しながらそのおいしさに一層 の磨きをかけ、豚肉の芸術品を完成させました。
これが1895年ごろという。
日清戦争の講和条約である、下関条約が結ばれた年だ。
だからこのころは、もう薩摩藩ではなくて鹿児島県になっていたはず。
それからも鹿児島では、黒豚の品種改良を続けた。
そして、ついに「サツマ」という画期的な黒豚を生み出すことに成功する。
かごしま黒豚の品種改良では、昭和57年に系統豚「サツマ」を完成。個体のばらつきが小さく、斉一性も繁殖能力も産 肉能力も高い黒豚が生まれました。また、平成3年には、イギリスバークシャーを基礎とした系統豚「ニューサツマ」が完成しました。
鹿児島では、ここにある「ニューサツマ」の他にも「サツマ2001」という品種の黒豚も誕生させている。
ということで、現在のイギリスで「Satsuma(サツマ)」といえばミカンのことをいう。
そして日本で「サツマ」といえば黒豚のことをいう。
今夜はトンカツですな。
おまけ
韓国にもトンカツはある。
でも、韓国人の発音が面白い。
「ツ」の発音が難しくて、「トンカス」となってしまうのだ。
友人の韓国人がよく言っていた「トンカス」は耳に残っている。
今回の復習
・薩摩藩では戦国時代に豚はなんと呼ばれていたか?
・戦国時代、島津氏は織田信長よりも先に何の実用化をおこなった?
・日清戦争の講和条約はなに?
答え
・歩く野菜
・鉄砲の実用化
・下関条約
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