試される”民度”：日本の緊急事態宣言に、海外からは疑いの目

時はきた。
新型コロナウイルの感染拡大に歯止めかからず、ついに日本政府が緊急事態宣言をおこなった。
東京、大阪、福岡など７都府県を対象とした非常事態宣言で、これによっていろんな店が営業できなくなって、市民生活も大きく制限されることになる。
そうせざるを得ないほど、いまの日本は追い詰められた。詰んでいる。

きのうスカイプでドイツ人にこの話をしたら、その「ユルサ」におどろいていた。
これはロックダウン（都市封鎖）ではないから、市民は外出を禁止されたわけではなくて、あえて言えば国や都府県から「ひかえてね」と要請されただけ。
だから散歩はできるし、電車や地下鉄も動いている。

いまのドイツは強制力のあるロックダウン状態にあるから、公共交通機関は止まっているし、外出しているのがバレたら市民は罰金を取られる。
１人で外にいるか複数でいるのかで罰金の額が違うらしく、そのドイツ人は「たしか２万円から100万円までの間と思いました」と言う。
＊自宅で軟禁状態にある彼はひまひまで、「スカイプで話そう」とうるさかった。

フランスやイタリア、スペインもそんな厳格な都市封鎖をしているから、かなりの自由が認められた日本の緊急事態宣言には緊張感が感じられず、「それで本当に大丈夫ですか？」とドイツ人から心配されてしまった。

日本での報道を見ても、多くの海外メディアが日本政府の対応を「甘い」と考えてその実効性を疑っている。

産経新聞（2020年4月7日）

海外メディア、日本の緊急事態宣言は「見せかけ」 

フランス紙フィガロは、「日本人は在宅を強制されないし、自粛要請に従わなくても企業は処罰されない」ということで「現実には見せかけだけ」という。

ロイター通信も同じ見方で、「日本では自粛要請を無視しても、罰則はない。ロックダウン（都市封鎖）にある多くの他の国の厳格さとは異なるようだ」と報じた。

「新型コロナウイルス拡散の赤信号がともり、６日になって緊急事態宣言の意思を表明したのは、相当遅い感がある」と批判したのは韓国の聯合ニュース。

日テレニュース24（4/8）も、日本が海外から疑いの目で見られていると報道する。

「強制力ない」海外メディアから厳しい見方

フランスAFP通信は、日本はヨーロッパなどと違って「厳しい制限を強制するものではない」「国民の自発的な意思をあてにしている」とユルサを指摘し、イギリスのフィナンシャルタイムズは「完全な封鎖なしで感染拡大を制御できるとかけている」「店の閉鎖が強制でなく、どれほど効果的なのか疑問だ」と日本が危険なギャンブルにでたかのように報道。

きのう緊急事態宣言をだした安倍首相に、イタリア人記者は記者会見でこんな直球をぶつけた。

「今まで世間はほとんどロックダウンしてるんですけど、日本だけ天国に見える」
「対策を投じた中で、一か八かの賭けに見えますね」

警察や軍隊に頼ることはなく、強制力もない日本の対応は甘いのか？それともこれが日本の実態に合った有効なやり方か？

日本人の間でも意見が分かれるところだけど、ネットで多い意見は「おまいう」だった。

・まぁそりゃそうなんだけど、他国の悪口言ってる場合かって
・うん、見せかけと言うか効力がないザル
・感染爆発しちゃってる外国の意見なんでなんの役にもならない。
・お前らは自分の国どうなってんのって聞きたいわな
・言われなくても日本国民なら誰でも見せかけって理解してるわ
・自国の心配してろ
・毎日数百人死んでるお前らに言う資格はない。
・正解
自粛要請なんてなーーーんの意味もない
・今の欧米言われてもな…

罰則のある都市封鎖に比べたら、「毎朝ジョギングができる非常事態」の日本は厳格さや緊張感に欠けている。

でも、それだけ国民のモラルや常識にまかされたことになる。
先ほどのイタリア人記者は、「成功だったら国民だけではなくて、世界から絶賛されると思う」と言う。
海外から見たらこれは危険な賭けだけど、こんなゆるい緊急事態宣言でコロナの感染拡大を抑えられたら、日本人を見る目は疑いから称賛に変わる。
いまほど民度が試されているときはない。
頑張ろう日本、１か月後には世界をおどろかせよう。

外国人から見た不思議の国・日本　「目次」

外国人から見た日本と日本人　１５の言葉　「目次」

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スマホを差し込み死体を撮影。日本人の“民度”に日本があぜん