知ってた?韓国鉄道での日本の影響(資金・技術支援・セマウル号)。

 

4月3日の今日は、韓国の京義線鉄道で「京城(現ソウル)・竜山―新義州」の区間が開通した日になる。

韓国の聯合ニュースでそんなことを知った。

 

これは1906年のことで、これによって京義線の全線が開通したことになる。

京城(今のソウル)の「京」と新義州の「義」を組み合わせて京義線とよばれるようになった。
今でも「けいぎせん」と入力すれば、漢字で「京義線」と変換される。

韓国の鉄道は、資金や技術支援といった日本の影響を抜きに語ることができない。
今回はそのことを書いていきたいと思う。

 

 

京義線の完成は、1904年におきた日露戦争に関係している。

日本が対ロ戦争で必要な物資を運ぶために、新義州までを結んだ鉄道がこの始まりになっている。

念のために、日露戦争(1904年~1905年)について簡単に書いておきます。

満州(今の中国東北部)や朝鮮の支配権をめぐって日本とロシアが対立して、戦争にまで発展する。
結果は、日本がロシアに勝利した。

日露戦争については、日本の勝利がアジアにあたえた影響もおさえておこう。

たとえば、インド人の歴史家ビパン・チャンドラはアジアのこんな反応を伝えている。

一九〇五年には日本軍によるロシア軍の敗北は、ヨーロッパの優越という神話をくつがえした、アジアのいたるところで人々は、ちっぽけなアジアの国がヨーロッパにおける最大の軍事大国のひとつに勝利したというニュースを熱狂的に聞いた。

「近代インドの歴史 ビパン・チャンドラ著」

 

青い線が京義線(ウィキペディアから)

 

京義線が開通した1906年、韓国は日本の統治下にあった。

つまり、京義線は日本の技術と資金によって建設されたということ。

韓国鉄道にあたえた日本の影響はこれだけではない。

韓国の鉄道は、かつて日本統治下に日本資本により鉄道が開通した経緯や、前述の日本からの支援、又は日本製車両を輸入していた影響もあり、複線区間では左側通行(ただし都市鉄道は一部を除き右側通行)であり、各駅停車では動力分散式がほとんどであるなど、日本の鉄道システムによく似ている。

(ウィキペディア)

 

さらに日韓基本条約が結ばれた(1965年)後、1969年には日本から客車が輸入されている。
韓国はこの客車を特級「観光号」にして運行を開始した。

これが今の「セマウル号」になる。
韓国旅行でセマウル号に乗ったことがある人も多いと思う。
その背景には、日本とのこんな歴史があった。

 

ところで、どのくらいの韓国の人たちが日本の影響について知っているのだろう?
韓国鉄道には日本からの資金や技術支援があったということは、国民に知らされているのだろうか?

「日本の利益のためだけに鉄道をつくった」という一面的な理解で終わっていないか不安。

もちろん、「日本が韓国の鉄道をつくってやったんだ!感謝しろ!」なんて上から目線で言うつもりはない。
でも、日本がした良いことも国民にちゃんと伝えてほしい。

 

ソウル駅
釜山や仁川といった韓国の他の都市とちがって、首都の「ソウル」には漢字がない。中国人用の漢字はある。

 

韓国の鉄道は1899年にはじまった。

ウィキペディアにそのことがかいてある。

韓国初の鉄道は、1899年9月にソウル南部の漢江西岸にある鷲梁津と仁川の間で開通した

 

それから117年がすぎた昨年2016年に、韓国の鉄道に大きな変化があった。

「SRT(水西発高速鉄道)」が開通した。

それまで韓国の高速鉄道を独占していた「KORAIL(韓国鉄道公社)」にとって、強力なライバルがあらわれたことになる。

これによって韓国は、「鉄道競争」の時代に突入した。
朝鮮日報にこんな記事(2017/04/02)がある。

SRT開通100日、韓国の鉄道はどう変わったか

昨年12月の水西発高速鉄道(SRT)の開通により、韓国の鉄道運行開始から117年を経て「鉄道競争体制」が幕を開けた。

 

日本の鉄道でいえば、国鉄が分割・民営化してJRになったような大きな変化だと思う。

 

 

この鉄道競争の結果はさっそくあらわれている。

鉄道運賃が引き下げられたり駅へのアクセスが良くなったりしているという。

「KORAIL(韓国鉄道公社)」もライバルに対抗するかたちでいろいろと動き出す。

するとKORAILも駅へのアクセス性を改善するため、京釜線KTXはソウル、湖南線KTXは竜山を発着駅として固定していた原則を破り、ソウル駅・竜山駅どちらでも京釜線・湖南線KTXを利用できるようにした。

 

さらにサービスの改善にもつながったという。

SRTがピーナツの提供をはじめると、KTX(KORAILの高速鉄道)も同じようなサービスをはじめた。
SRTが車内に電気コンセントをつけると、KORAILはUSBポートを含む「混合型コンセント」を設置した。

独占体制では期待し難かったサービス改善競争が相次いでいるのだ。

 

ということで、韓国の鉄道競争によって乗客は大きなメリットをえられているという。
これで韓国旅行が快適になる。
かもしれない。

とりあえず韓国て鉄道を利用するときには、その背後にある日本の影響にも思いをよせてみよう。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。