韓国が米国の信頼を失う理由。失敗したら“被害者アピール”

 

韓国にとって最も大事なパートナーは、経済力・軍事力で世界ナンバーワンのアメリカ合衆国で間違いない。
では、そのアメリカは韓国をどう見ているか?

韓国にとっては大いに気になるところだけど、政官界や学界、言論界などアメリカ社会で指導者的な立場にいる人たちにアンケート調査をした結果、「最も信頼するパートナー」で日本と答えた人が48%に対して、韓国は9%と5分の1にも満たない。
ちなみに2位はオーストラリア(32%)だから、日本はぶっちりぎり。

アメリカ社会の反応を見て、韓国メディアの中央日報は「韓国の位置や数値は停滞または後退している」と危機感をあらわした。
くわしいことはこの記事を。

アメリカが日本を、韓国より“5倍以上”も信頼する理由とは?

 

では、韓国がアメリカの信頼を失った理由はなにか?
それは夜空に輝く星々のように、あまりに多くの種類と数があるのだけど、ここでは最近あった出来事を取り上げようと思う。
ボクのような関係ない日本人から見ても、「だめだこりゃ」と思うむごい案件だ。

 

いまの韓国とアメリカが抱える最大の問題のひとつが、きょねん9月に始まった防衛費交渉。
防衛費として約50億ドルを出すよう求めるアメリカと、例年と同じ水準(約9億ドル)を求める韓国が正面衝突して、6カ月以上たったいまも合意できていない。

事態を動かすためアメリカ側は、在韓米軍で働く韓国人労働者約4000人を無給休職にすると発表した。
こんなことは過去に例がなく、韓国側からは「韓国人労働者の人質にした」とアメリカを非難する声が上がる。

なるほど。
だが待て。
韓国は人の事を言える立場にはない。
対韓輸出の管理強化で日本と争っていた韓国はきょねん、GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)を破棄すると自国民を人質にとって日本に譲歩をせまったのだから。
*これはのちにアメリカに怒られて撤回。

 

でも今月はじめに事態は急転し、米韓は防衛費交渉で暫定的な妥結にこぎつけた。

KBS(韓国放送公社)の報道(2020-04-01)

現在、双方の実務者による交渉はすべて終了し、最終決定を待つだけとなっていて、早ければ1日、最終的な合意に至るものとみられます。

韓米防衛費分担金交渉 暫定的に妥結か

 

この背景にあったのは米韓共通の敵、新型コロナウイルスだ。
感染拡大が進むアメリカでは死亡者の数が世界最多を記録して、トランプ大統領にはかなりの逆風が吹いている。
そこで両首脳は新型コロナの防疫で協力し合うことを確認し、「韓国がアメリカに新型コロナウイルスの診断キットを支援するとしていました」という。
代わりにアメリカ政府は、「従来の立場を取り下げたものとみられます」と記事にある。

もともと4000人の韓国人労働者を無給休職にするという対応はかなり過激だったし、落としどころとしてはこの辺が妥当か。

 

半年以上ももめた防衛費分担金交渉はこれにて一件落着、シャンパンを開ける準備もできていただろうけど、「早ければ1日にも」のはずが4月15日現在もこの交渉は継続中だ。

その裏側は朝鮮日報の報道(2020/04/13)で見えてきた。

韓米防衛費交渉妥結説をリークした韓国政府、こじれるやトランプのせいに

 

まず韓国メディアに、あとは時間の問題だみたいな報道をさせたのは韓国政府側だった。
*青瓦台とは韓国大統領府のこと

米国との合意もできていない状態で、韓国メディアが「防衛費が暫定妥結」と報じた背景には青瓦台の高官がいるという。

 

この高官が記者たちに、実務担当者による協議はもう終わって「最終決定の段階だけが残っている状況」「早ければ明日(4月1日)最終妥結するだろう」という情報を流した。
それでKBSの報道となる。

でもこれはアメリカ側を無視して、韓国がひとりで先走っただけ。
「早ければ明日にも」と勝手なことを言っていたとき、トランプ大統領は韓国側の提案を拒否する考えをすでに決めていたという。

実際、エスパー長官は4月6日に韓国の国防長官との電話会談で「トランプ大統領は韓国により大きな分担を期待している」と防衛費を出すように求めた。
でも、「当時、国防部はこの電話会談について全く公表していなかった」と記事にある。

アメリカ側の意図を確認しないで勝手に「交渉はほぼ成立」と情報をリークして、都合の悪い情報は隠蔽する。
じつは交渉はまったく進んでいなかった!ということが明らかになったときの韓国側の態度がこれ。

青瓦台と与党勢力は「トランプ大統領が韓国の提案を拒否」と報じられると、一斉に口を閉ざした。政府の一角は「交渉の実務レベルでは合意したが、トランプ大統領がひっくり返した」として「トランプのせい」と主張した。

 

どうだ。これがムン政権の韓国だ。
失敗がバレると責任を押し付けて、自分は被害者になって相手を責める。
こういう相手と友人になりたいと思うだろうか。どうやったら信頼できるのか。

でも、きょう(4月15日)の総選挙で韓国与党は大勝する見通しだというから、韓国国民にはこういうやり方が通用するということか。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

6 件のコメント

  • >6カ月以上たったいまも合意できていない。(改行)事態を動かすためアメリカ側は、在韓米軍で働く韓国人労働者約4000人を無給休職にすると発表した。
    ちょっと不正確ですね。在韓米軍が、韓国人労働者の4000人を無給休暇としたのは、この4月からでしたっけ? 直前に「6カ月以上たった今も」とあるので、その開始期日は重要なポイントだと思います。

    最近、韓国に対する米国の信頼度が低下しているもう一つの理由として、米国本土内における韓国系住民コミュニティの「評判が悪化している」ということも上げられるかと。一昔前の「ロサンゼルス暴動」では、韓国系住民とアフリカ系住民との対立が暴動の引き金となりました。その時よりも最近ではさらに悪化したような気がします。彼らは自己主張が強すぎですよ。
    しかしながら、米国の日系住民がそのような「集団暴力行為」を起こしたり巻き込まれたりすることは、ほぼ皆無です。韓国系住民に比べて、日系住民はさほど排他的なコミュニティを形成せず、全体的にアッパーミドルクラス以上の社会的地位を獲得しており、民族の権利の主張もしごく穏やかで、目立たないが米国社会の自然な一員となれるよう努力しているからです。(あくまで一般論ですが。)
    さらに、中国系住民はこれまた一癖あって、まあ概して彼らは排他的・閉鎖的なコミュニティを形成していて、韓国系住民と同様に反日的傾向もあると言えばあります。さすが4000年の歴史を有する国だけのことはある。

  • 相手に否定されると相手のせいにするのは彼らのいつもの手口ですね。日本は何度もやられている。
    ただ隣国いうだけで、これ以上付き合う意味はあるんでしょうか?
    丁寧に無視していくのが日本の国益に適うような気がします。

  • 韓国人労働者を無給休職にしたのは4月1日からです。元記事に書いてあります。

    NYに住むアメリカ人は、韓国系住民は祖国へのアイデンティティが強くて政治的活動に熱心だと言っていました。ただNYで評判が悪いという話は聞きません。

    >その時よりも最近ではさらに悪化したような気がします
    これは具体的にどんな内容でしょうか。

  • いまの日本政府が丁寧な無視をしていますよ。
    約束を守ろうとしないムン政権の韓国に疲れている人は政府内に多いようですから。

  • バージニア工科大学銃乱射事件(2007年)、マーク・リッパート駐韓国大使襲撃事件(2015年)。
    NYのような人種のサラダボウル状態だとあまり目立たないかもしれないですが。これらの事件は、確実に、韓国人(あるいは時に中国人も含めて)のような米国社会で排他的コミュニティを形成する民族集団に対して、他の米国人の心を蝕むように、イメージ悪化の原因となっています。中西部の米国人からそのようなコメントを聞いたこともあります。
    日系人は例外的にその中に入っていないみたいです。
    その危機感は、当の韓国人がいちばん分かっているんじゃないですかね、特に若い人達。ならば、もうちょっと大人しくしてりゃいいのに。

  • マーク・リッパート駐韓国大使襲撃事件はソウルで起きたことなので、「米国本土内における韓国系住民コミュニティ」とは別ですね。
    バージニア工科大学銃乱射事件については、あの当時、簡単に銃が手に入るアメリカ社会の問題を指摘する報道が多かったです。
    銃撃事件はアメリカではよくありますし、韓国系住民コミュニティで特にそれが多いことはありません。

    ただ日系人の評判がいいということは聞いたことがあります。

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