慰安婦問題のいま:韓国「誠意ある謝罪」vs 日本「相手にせず」

 

さてこれは、最近のこのブログへの検索キーワード。
もちろん1人や2人のものじゃない。

 

 

コロナパニックや徴用工訴訟問題で忙しかったけど、そういえば慰安婦問題はいま一体どうなっているのだろう?

と思ったらさっそく、中央日報がこんな記事(2020.07.02)を載せてくれた。

韓国外交長官「慰安婦問題、『誠意ある謝罪』は交渉対象でない」

 

いま韓国国内には「2015年の韓日慰安婦合意は事実上死文化し、具体的な解決努力がない」という批判があって、それに対しカン・ギョンファ外交部長官(外務大臣)はこう言った。

「誠意のある謝罪は外交交渉で受けられるものではない」
「(日本に)再交渉の要求はしないが、誠意のある謝罪が必要だという立場は明確にしている」

これがそのまま韓国政府の考え方や立場と考えていい。

文政権は慰安婦を解散させて、日韓合意を実質的に破棄しただけで「その次」がない。
これでは「政府は慰安婦問題の解決を放置しているのではないか?」という批判が上がるのは当然で、政府が具体的に動くように求める声は前々からあったのは知っていた。

でも政府は自業自得で今さらどうすることもできないから、外交部長は上のように言うのがやっと。
「外交交渉で受けられるものではない」「再交渉の要求はしない」と言うのなら、韓国外交部(外務省)は一体どうやってこの問題を解決するつもりなのか?

 

おまけに書くと、元徴用工問題と「輸出規制」問題については、

「韓日間の立場の違いが非常に大きい」
「GSOMIA(韓日軍事情報包括保護協定)はわが政府がいつでも終了させることができる」

と依然と同じことをくり返すだけで、これも具体的な解決努力は見られない。

慰安婦問題や韓日関係など、いま文政権はいろいろなものを放置している。

 

これは上の記事に対するヤフコメの反応

国が一度約束をしたら、嫌でも何でも守らないといけない。
あとになってから文句を言い出しても相手にしない、という思いは日本の政府も国民も同じだ。

 

外交部長が二度も口にした「誠意のある謝罪」。
韓国側がどれだけアピールしても、そもそも日本は「やり過ぎ」というほど謝罪したのだから、これが再び出てくることはもうない。

2001年の小泉純一郎首相よる手紙、2005年の小泉首相による談話、2010年の菅直人首相による談話など、慰安婦合意について主なものだけで日本は10回以上も韓国に謝罪してきた。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

ここ30年、慰安婦問題だけで日本はこれほど韓国に謝罪した

 

慰安婦問題については日韓両政府の間で、2015年の合意で最終的な解決を確認している。
韓国側はすでに日本から10億円を受け取って、安倍首相の心からのお詫びの気持ちを受け入れたけど、撤去するはずの日本大使館前の慰安婦像はいまもそのまま残っていて、韓国側はまだ自分たちの約束を守っていない。

(いまさら遅いけど)内容がおかしいのなら、合意を一度破棄して誠意のある謝罪を再び求めればいい。
「再交渉の要求はしない」と言うのなら解決に合意したということだから、もう謝罪を求めることはできない。

でも政府としては国民感情も日本も捨てられない。
だから「再交渉の要求はしない」という日本向けの言葉と、「誠意のある謝罪が必要だ」という国内向けの言葉を同時に言うから、矛盾した都合のいい見解を示すことになる。
でもそれでは、「具体的な解決努力がない」という国内の批判は避けられない。

 

なんで韓国政府はこんな苦しい立場になったのか?

時計の針を3年前の戻して、大統領選挙が行われたころの韓国の様子を見てみよう。

このときは現在の大統領ムン・ジェイン氏も候補者のひとりで、大韓民国の次のリーダーに選ばれるように各候補者は国民へこう訴えていた。

朝鮮日報の記事(2017年1月10日)

韓国政界や大統領戦出馬候補らはこのところ、競い合うように「(2015年12月の)韓日慰安婦合意の再交渉・白紙化」や「戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)配備延期・撤回」を主張しているが、それに伴う対策や「後始末」については口を閉ざしている。

国民感情に便乗、代案なしに「慰安婦合意破棄」「THAAD配備撤回」を主張する韓国政界

 

主義や政策は違っても、すべての大統領候補者が日韓合意の再交渉・白紙化、つまり破棄を主張していた。
なんつー無責任。
でも、「日本と合意を結んだことは事実だ。一度約束した以上、われわれは合意を履行しなければならない」なんて国民感情に反することを言ったら、大統領に選ばれるわけがない。
合意破棄は国民感情に沿ったもの、というより国民感情そのものだから、選挙に受かりたかったら候補者がそれに迎合するのは、まー分からなくもない。

でも、「その次」はどうするのか?
日本との合意はなかったことにして、慰安婦問題を2015年前に戻したとして、そのあと韓国政府はこの問題をどうやって解決するつもりのか?
その具体案をどの候補者も提示しないから、「国民感情に便乗、代案なし」と朝鮮日報があきれた。
代替案もなしに破壊することだけを叫んでいたら、あとで自分が苦労することは目に見えていたはずだから、いまの文政権の悩みはブーメラン、自業自得でしかない。

 

韓国の合意破棄と再交渉を日本が認めたら良かったのだけど、日本はそれだけには応じなかった。
このあと大統領になったムン・ジェイン氏が揺さぶりをかけてきたけど、日本は再交渉の可能性すら見せなかった。

例えば2年まえ、日本から受け取った10億円を韓国政府が「充当する」と発表して、日本のお金を無意味にしようとしたけど、産経新聞の記事(2018.1.9)では日本政府高官が韓国をこう突き放している。

「勝手にやらせておけばいい。韓国の国内問題だから相手にする必要はない」と不快感を示した。

韓国の日韓合意新方針 「全く受け入れられない」と河野太郎外相が猛反発、抗議 協議一切応じず

 

「(日本に)再交渉の要求はしない」というのなら、あとは韓国の国内問題でしかない。
最終的な解決を受け入れておいて、韓国がいまさら「誠意のある謝罪が必要だ」と言い出しても、日本としては「勝手にやらせておけばいい。相手にする必要はない」と突き放すしかない。
「日韓合意新方針」なんてものを受け入れる余地はゼロで、そもそもいま韓国は合意を履行しないといけない立場だ。

「具体的な解決努力がない」という批判に、「誠意のある謝罪は外交交渉で受けられるものではない」と答える韓国内のやり取りも日本にはまったく関係ない。
代案なしに国民の反日感情に便乗するからこうなる。

これが慰安婦問題のいまだ。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

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日本はどんな国? 在日外国人から見たいろんな日本 「目次」

外国人(アメリカ人とヨーロッパ人)との会話がで盛り上がる話題

 

2 件のコメント

  • >文政権は慰安婦を解散させて
    → 文政権は「慰安婦財団」を解散させて だと思います。

    それにしても、あの「宙に浮いた10億円」はいったいどうなってしまったのでしょうね?
    もしも日本人だったら、一刻も早く返還しないと政府に対する非難が轟々でしょうに。あーいま問題になっている正義連のやっていることと全く同じですね。
    一つ穴のムジナ。

  • 元首相が土下座しても許してくれないなんてって冗談はおいといて

    別の話って言われればそれまでだけどベトナムに対する韓国の謝罪。金さんと文さんがちょろっと遺憾の意を表して「韓国はベトナムに謝罪した!」って言い「日本は謝罪してない!」って言う韓国人。もやもやする。

    もしメディアの印象・情報操作で日本の謝罪・支援を報道してないとしたら日韓関係悪化ってどの口で言うんだろう?

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。