地理的にはお隣同士だけど、価値観や考え方に大きな違いがあることから、日本と韓国の関係はよく「近くて遠い」と表現される。
日本人と韓国人にはいろんな価値観の相違があるけど、その中でも圧倒的に違うのがこれ。
デイリー新潮の記事(2020年9月16日)
韓国の「破墓法」が新たな反日カードに?李氏朝鮮時代に先祖返り
亡くなってお墓に埋められたとしても、それでも安心できないのが韓国という国。
そのときの政権側の価値観から、統治時代の日本に協力的だったという「親日」のレッテルを貼られると、「裏切り者」と認定されて遺体を掘り返される危険性がある。
いまそんな親日派韓国人の墓を「破壊」する法律が韓国の国会で成立しようとしている。
歴代の大統領など韓国に大きな貢献をした人物は、国立墓地(顕忠院)に埋葬されているのだけど、過去に親日行為があったと確認された場合、その墓は掘り返されて、遺骨を別の“格下”の墓地に移しかえようというのがこの破墓法(正式には顕忠院親日派破墓法)の内容だ。
「親日」の反対側にいる愛国者が独立運動家で、その子孫らで構成される団体「光復会」の会長が先月、「顕忠院には親日軍人をはじめ反民族の人々69人が埋葬されている」、「(春の総選挙での)当選議員の3分の2が破墓法に賛成している」と言っていたから、いま開かれている秋の国会で破墓法は認められると思う。
韓国にはあるけど、日本ではあり得ないのがこういう動き。
過去に何をしたとしても、いまになって遺体を掘り返して、墓を「破壊」するという発想は日本人にはない。超例外的にあるかもしれないけど、多くの国民が「墓暴き」を支持して、国会議員が国会でそのための法律を成立させることは考えられない。
韓国の常識はまさに日本の非常識。
でも、それはあちらから見たら同じことだから、この価値観の違いは埋まらない。
日本でも、墓を掘り起こすということは幕末にはあった。
安政の大獄で吉田松陰が処刑されて、罪人用の墓地に埋葬されたあと、恩赦がでたことで弟子の高杉晋作らが墓から松陰の遺骨を取り出して、別の墓に移しかえたことはある。
江戸時代の話ならまだわかるけど、21世紀になって、「反民族」(親日)が理由で69人の墓を掘り起こす行為を「正義」と考える価値観は、ほとんどの日本人には受け入れられないはずだ。
韓国与党のつくった「歴史と正義特別委員会」で委員長を務めるカン・チャンイル元議員は、韓国の正義のために必ずこれをしなければならないと強調している。
まぁ韓国のことだから、韓国人の好きにしてくれたらいいですよ。
では、なんでいま韓国は破墓法をつくろうとしているのか?
デイリー新潮の記事で、龍谷大学の李相哲教授が背景をこう説明する。(2020年9月16日)
韓国では、日本以上にお墓が大事にされます。先祖のお墓の向きや場所が、今を生きている子孫たちに大きな影響を及ぼすと考えられているのです。(中略)当然、破墓法に反対の声もありますが、例によって文政権はこうした反日政策を支持率浮揚に利用しようとしているのです
韓国の「破墓法」が新たな反日カードに?李氏朝鮮時代に先祖返り
元朝日新聞ソウル特派員で、ジャーナリストの前川惠司氏の見方はこうだ。
春の総選挙で圧勝した文大統領ら『進歩派』が、親日残滓の清算という名のもとで『保守派』の墓を暴き、大いに辱(はずかし)めようとしているのです。
親日派というのは民族や国家の裏切り者で、永遠に許されることのない国民の敵。
そういう人間の大事なものを壊し侮辱することで、政権支持率をアップさせようとするのが破墓法という反日政策のねらいらしい。
これに反対する野党「統合党」の報道官は「墓を掘り出しその方たちに侮辱を与えることは、その功罪以前に反人倫的なことだ」と非難している。
日本人に聞いたら圧倒的多数が野党の主張を支持するだろうけど、いまの韓国社会の反応は逆で、墓を掘り出して死者に侮辱を与えることは必要な正義。
ことしの春に当選した議員253人のうち、3分の2を越える190人が破墓法に賛成しているのだから、今国会で成立するだろう。
日本と韓国では共通する部分もあるけど、正義についての価値観は違いすぎる。
破墓法は日本には関係ないけど、元徴用工問題や慰安婦問題で韓国が日本との約束を破っても、こういう一方的な「正義」を主張して正当化するから話が成り立たない。
日韓はいつまでたっても隣人で、友人になれない理由がこれ。
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