明けない夜はない。
夜明け前がいちばん暗い。
というなのか分からないけど、とにかく韓国の南官杓(ナム・グァンピョ)駐日大使から見ると、戦後最悪となったいまの日韓関係にわずかな光が差し込んだ。
聯合ニュースの記事(2020/10/21)
日本 徴用問題で「少し進展」=駐日韓国大使
関係悪化の原因となった元徴用工問題について、ナム大使がこう発言した。
「(菅義偉首相)本人自ら現実主義的なアプローチをしている」
「国民生活とも関連があり、少し進展した立場を見せている」
「前向きな雰囲気が形成されていると感じている」
「菅首相は安倍(前)首相と異なる部分もある」
この問題について菅首相は、韓国側が生み出した国際法違反の状態を強く非難していて、原告が差し押さえている日本企業の資産を現金化したら、日本政府は対抗措置を取ると示唆している。
そんな強い決意を示していた首相が、少し進展した立場や前向きな雰囲気なんて見せたか?と首をひねったら、その答えが書いてあった。
「ただ、日本側の進展した立場については具体的に言及しなかった。」
「菅首相自ら現実主義的なアプローチをしている」と発言したナム大使だけど、菅首相の言葉はそれを否定している。
毎日新聞の記事(10/21)
菅首相、韓国の差し押さえ資産現金化「極めて深刻な事態招く」 元徴用工問題
訪問先のインドネシアで記者会見をおこなった菅首相は、元徴用工問題について「これまでも繰り返し申し上げてきているとおり」と念を押してこう言った。
「日本企業の差し押さえ資産が現金化される事態になれば、日韓関係にとって極めて深刻な状況を招くので、絶対に避けなければならない」
また韓国政府が開催を希望している日中韓首脳会談への参加については、「日程について何ら決まっていると承知していない」とそっけない。
菅首相は結局、元徴用工問題は1965年の日韓請求権協定によってすでに解決済みで、いまある問題は韓国政府が解決しなければいけないという認識をしている。
これは従来通りのもので1ミリもぶれてないし、安倍前首相と異なる部分なんてまったくない。
「少し進展した立場を見せている」、「前向きな雰囲気が形成されている」と韓国側は言ったけど、実際は「極めて深刻な状況を招く」とまるで逆。
ナム大使は一体どこの世界線にいたのか?
現実離れしたことを言うのはナム大使だけじゃない。
与党「共に民主党」のイ・ナギョン代表はきょう21日、元徴用工問題について「東京オリンピックの前に解決できると確信している」と述べたけど、これもよく見ると「具体的に言及しなかった」というオチ。
韓国の政治家や外交官は、古代ローマの大英雄ユリウス・カエサル(紀元前100年 – 紀元前44年)が言った通りのことをしている。
「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない」
願望を口にして、現実が欲したものにならないと「誠意がない!」と日本に怒り出す気がする。
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